たぶん、これまでで一番ドラスチックで、ドラマチックな季節の始まりの日に。

2020年10月。様々なことが年初のスケジュール通りに進んでいたら、今頃は五輪が終わって各種経済指標が黄信号、赤信号を灯し始め、「長期安定政権」を揺るがす様々な爆弾が火を噴き始める・・・そんな季節になっていたはず。

だが現実には、COVID-19という特殊因子が、時計の針を大きく歪め、瞬間的に「リセッション」という言葉では形容しがたいほどの大きな「谷」を半ば人工的に作ったのみならず、8年近く続いた政権まで歴史の一ページに変えてしまった。

経済見通しに関しては、未だに悲観的なことを唱えている方もチラホラ目にするのだが、少なくともこの10~12月期に関していえば、対前年比でも、対前期比でも、悪くなる要素は何一つない

消費税引き上げ前の駆け込み需要で前年の数字が膨れていた9月でさえ、目下絶好調の生活小売系事業者の月次報告は軒並み対前年比プラスを保っていたし、壮大な”期ズレ”を起こした自動車産業や産業機械系のですら回復のペースは落ちていなかったように見える。

その一方で、相次ぐ給付金に、飲み会、旅行自粛で、多くの世帯では家計にささやかな富がため込まれていく一方だったのだから、ここからの3か月で溜まりにたまったマグマの流れ口さえ見つかれば、その先にあるのは間違いなく「消費の秋」「消費の冬」

だから、3月期決算会社の配当権利が落ちた直後でいろいろと動かしやすくなっているタイミングを見計らい、夜の米国株高等の動きも踏まえて、「月が変わったら一気に行くぞ!」と準備万端で待ち構えていた個人投資家だって多かったはずだ。

なのに、それが一日止まった。

いわば”身内”ともいうべき証券代行数社を、(半ばパフォーマンス的要素も織り交ぜつつ)「そこまで言うのか?」と突っ込みたくなるくらいボロカスに批判した報いがめぐりめぐって自分たちの頭上に降って来たのか・・・?と思いたくなるような前代未聞のシステムトラブルそのこと自体を、まだ原因もはっきりしていない今日の時点でとやかく言うつもりはないのだが、月アタマのイベントとしては、芸能人の慶事も、一流アスリートの前代未聞の不祥事すら全て吹っ飛ばしてしまうくらいの強烈なインパクトだった。


今日の一件に限らず、おそらくここから先の3か月で様々なびっくりするようなことが起きる。

国内では新総理が早々と本来の強権的体質を前面に出し始めているし*1、足下の新型コロナウイルス感染者数は、再び力強く上昇に向かっている*2。一方で海の向こうに目を移せば、あちこちで一触即発の国家・地域間紛争、そしてそんな最中に内向きの喧嘩を繰り広げる世界一の超大国・・・と、100年後の教科書に載るようなニュースがいくつ出てきても不思議ではない状況。

そんな中、今予想できることは、明日の日経平均は上がる、ということくらいで(ただしシステムが再びダウンせず、市場がちゃんと動けば、という条件付き。)、3か月先はもちろん、1か月先、半月先の為替、株価すら現時点では全く予測不能

だから、不安になろうと思えば、いくらでもなれる状況ではあるのだけれど・・・。


「凡人がチャンスを掴めるのは、世の中が大きく動く時だけ」と昔誰かが言ったとか言わなかったとか。

長年のしがらみから抜けて、腕一本で道を切り開かないといけなくなった今となっては、その言葉の意味も凄くよく分かるだけに、ワクワクしながら変化を見守り、時を待つ。

そんなドラマチックな日々を過ごせれば、と思っているところである。

*1:なんか「安倍政権と同じだ」みたいなことを言っている方を時々見かけるのだが、安倍政権の一番批判されていたところを動かしていたのがあの官房長官だったわけで、単に黒子が表に出てきただけなのだから、そりゃあ何も変わるはずがないだろう(むしろオブラートが失われた分、手法も結果もより露骨になっていくだけだろう)、という気はしている。もちろん歴史的にみると「黒子」的な人物がトップに立ってうまく行くことはほとんどないのだが、唯一の例外は隣の国の諜報機関出身の大統領で、あの域まで行けば別かな、と。

*2:個人的には、今がちょうど「終わりの始まり」かな、と思っている。もちろん終わるのは世界ではなく、「新型コロナ禍」の方なのだが。

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