大外枠から生まれたドラマ。

日曜日の朝は、いきなり海の向こうのダービーの話題から始まった。

いかにUAEダービーの勝ち馬だからと言っても、日本から渡って簡単に勝てるレースではないよな・・・と思っていたから、クラウンプライドの惨敗*1想定の範囲内

だが、勝ち馬が、前日の”繰上出場”の報で名前を聞いたばかりのリッチストライクだった、というのはとんでもないサプライズだったわけで・・・。

日本では見ることがなくなった超多頭数競馬、しかもその中で一番外の21番ゲートからの発走、というだけで勝敗に絡むとは多くの人が思わなかったわけだが*2、そんな浅はかな予想者をあざ笑うかのように、後方追走から直線では一番内側に切れ込んで(一度は進路を阻まれそうになりながらも、間を縫ってさらにギアを切り替え)、本命エピセンターを差し切る堂々の勝利を挙げた。

それから約7時間半。

太平洋の向こう側で起きた快挙が、日本で走る馬たちにも何か影響を与えたのか・・・。

今年の春のGⅠで「大外枠」といえば、不吉な結果が目立つ良くないめぐりあわせの枠順だった。

先週こそ、ディープボンドが地力で2着に入ったものの、勝ったのは同じ8枠でも少し内側から発走したタイトルホルダーのほう。

ゆえに、なのか、今週のNHKマイルCで大外の18番に入ったダノンスコーピオン&川田騎手への支持も、直前の重賞をきっちり勝ち上がってきた割には随分と薄いものになっていた。

それが、蓋を開けてみれば、中団から真っ先に抜け出したのはこの4番人気の馬。

最内枠からスタートしたはずのマテンロウオリオンが、最後方から大外を回って一気に追い上げてきたのは、いかにも横山典騎手・・・というところではあったが、優勝したのはその2着馬も、続けて上がってきたカワキタレブリーもきっちりクビの差一つで抑え切ったダノンスコーピオ

着差はわずかではあったが、見るからに外の方が伸びていたこの日の東京コースの条件を考えると、着差以上に勝った馬の地力も感じられたレースだったわけで・・・。

この2週続いた「8枠祭り」により、枠順で人気を上げ下げするようなムードは下火になるだろうとは思うのだが、

「本命馬が敗れ、大外枠から発走した人気薄の馬がタイトルを持っていく」

というレースを一日に2度も見られた、というのは偶然にしても出来すぎているような気がして・・・。

ここからさらに続いていく春のGⅠ後半戦が「大外からの逆襲」シリーズになるのか、それともさらにまた新しい伝説が生まれるか。

GⅠレースの馬柱が次に出てきたときは、冷静に眺めつつ、面白くなる方向で予想のストーリーを組み立ててみたいと思っている。

*1:といっても超ハイペースの展開の中、4コーナーを回るくらいまではあわやの可能性も感じさせた、というのは、これまでにないことだったと思う。

*2:日本国内での支持は19番人気にとどまっていた。

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