新会社法条文集の使い分け

昨日のエントリーで新会社法関連書籍に触れたが、
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20051205/1133715535
ここでもう一つ、条文集についても取り上げてみることにする。


先日自分が入手したのは、
「新・会社法旧新対照条文」。

新・会社法―旧新対照条文

新・会社法―旧新対照条文


この条文集が他と違うのは、
旧商法基準に、新会社法の条文が対照されていることで、
それゆえに、純粋な条文集として使うには、
やや難があると思われる方も多いかもしれない。


だが、改正法成立からだいぶ時間がたった今となっては、
ポケット六法や小六法にも、
新会社法の条文そのものは収蔵されているのであって、
条文番号どおりに並んでいる条文集を
あえて買う必要はない。


一方、新会社法の条文を基準に旧法の条文が対照されているものは、
実は使いにくい。


例えば、ジュリストの増刊号として発売されている新旧条文集は、

会社法新旧対照条文 (ジュリスト増刊)

会社法新旧対照条文 (ジュリスト増刊)

新会社法の条文を基準に旧法の条文がきれいに対照されているのだが、
新会社法の条文で解説が書かれている書籍等を読むときに、
旧法を直ちに対比する機会は、実はあまり多くない*1


むしろ、新旧対照の必要性が高いのは、
改正前の文献や裁判例を参照する必要が生じた時で、
その際に、基準となるのは当然ながら旧法の条文である。


会社法改正が俎上に上る前の文献であれば、
当然、新会社法の条文の参照などあるわけもなく、
そういった点を考えれば、
新旧対照条文集としては、当然ながら旧法を基準にしたものの方が、
使い勝手は良いものと思われる。


もちろん、細かい株式、株主関係の事務手続き等に直面している
担当者にとっては、↓の方が良いのは言うまでもない・・・。

会社法・整備法全条文―含・改正後商法・商業登記法

会社法・整備法全条文―含・改正後商法・商業登記法

*1:そもそも解説に旧法との違いも含めて書かれていることが多いし、少なくとも旧法の条文くらいは記載されているのが通常だから、あえて対比しながら条文を見る必要性は乏しい。

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