鋼鉄製水門工事をめぐる独禁法違反の疑いで、
公正取引委員会が立入検査に入った、というニュースが大々的に流れている。
そして、その中で、
「談合「自首」減免を初適用」
という情報が半ば確定的な“事実”として語られている*1。
どこが自首したんだろうか・・・、と記事をじっくり読んでみたが、
どこにもそれは記載されていない。
それもそのはずで、
「公取委は同制度の実効性を担保するため違反を申告した企業を公表しない。「業界内他社からの嫌がらせなど、せっかくの申告が不当な不利益を被らないために、秘密保持の徹底が必要」と強調する。」
ということだから、
正式なプレスリリースで「自首企業」が公表されることはない、
というのが建前なのである。
・・・だが、ここまで読んで思った。
何で、今回の立入検査が
「関係者の情報提供を発端としたもの」という情報が
記事になってるのさ(笑)。
それに、「自首」が課徴金減免や刑事不訴追、といった効果を
発揮する以上、最終的な公取委の処分をみれば、
「誰が自首したか」なんて、外部の人間が見ても容易に分かりそうなものである。
仮に、公取委が相当巧妙な情報操作を行ったとしても、
申告した企業が自首減免制度の適用を受けられなかった場合に*2、
それをめぐって、審判、訴訟などが提起されれば、
適用を受けた企業や、それらの企業が何で適用を受けられたのか、
といった情報も、公取委はある程度法廷で公表せざるを得なくなるかもしれない。
所詮は狭い業界の中の話。
公取委の思惑に反して、“自首情報”はあっという間に企業間を駆け巡る。
いかに、“情報提供者”の保護がうたわれていても、
自首申告する企業に、それなりの“覚悟”が求められることは、
間違いない・・・。
で、自首したのはどこなんだろう・・・?
やっぱり気になる(笑)。