らくらくホン訴訟決着?

ちょうど1年ほど前に話題になった*1NTTドコモ(&富士通)対ソフトバンクモバイル(&東芝)の「らくらくホン」形態模倣事件が、一応の決着を見た模様である。

NTTドコモは15日、ソフトバンクモバイルの携帯電話(東芝製)がドコモの「らくらくホン」(富士通製)に酷似しているとして製造・販売差し止めの仮処分を申請した件で、和解が成立したと発表した。詳細は不明だが、ソフトバンクが今秋に該当製品の販売を停止することが盛り込まれたとみられる。」(日本経済新聞2009年4月16日付朝刊・第11面)


仮処分事件にしては、結構長くかかったなぁ・・・というのが、外野から見た率直な印象であるが、もっと意外だったのは、「ソフトバンクが該当製品の販売を停止した」ということ。


和解条項の内容そのものは公表しない扱いになっているはずで、日経紙の記事の中身がどこまで本当かを確かめることは容易ではないのだが*2、報道されている内容が本当だとしたら、一見すると仮処分を申し立てたドコモの側に理があった、ということのようにも思える。


もっとも、携帯電話端末のライフサイクルを考えると、「今秋」というタイミングが何とも微妙なのも事実。


裁判所が、ソフトバンクの端末の形態に対して、不競法違反、あるいはそこまでは行かなくても、似たような製品を出したことに仁義上の問題がある、という心証を抱いたが故の和解だったのか、それとも訴えた側に理は認められなかったものの、同じ業界内で足を引っ張り合っても仕方ない、という“大人の判断”により、新製品発売のタイミングに合わせて旧製品の販売を取りやめることでドコモの顔を立てた、のか、真相は藪の中である。


本気で喧嘩するとなると、(そうでなくても体力的に傷んでいる)携帯電話端末製造メーカーにより大きな負担をかけることになりかねない話だっただけに、当事者としては勝ち負けを度外視してでも和解したかったんじゃないかなぁ・・・と、筆者は勝手に想像していたりもするのであるが、本当のところを知るのは神のみぞ・・・。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20080318/1205866202

*2:両社のHPを見ても、今回の和解に関するプレスリリース等が掲載されている痕跡はない。

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