勇敢な修習生?

和歌山地検の庁舎内で、82歳の老人が、非現住建造物等放火罪で懲役6年に処された次女の公判を担当した検事に対し、「量刑が重すぎる」と包丁で切りつけた事件。


検事が、面会を要求した老人と話している最中の出来事らしいが、興味深いのは以下のくだりだ。

「・・・を傷害容疑で現行犯逮捕した。現場近くにいた司法修習生が取り押さえた。」(日本経済新聞2010年9月3日付朝刊・第39面)

この手の面会の修習生が同席するとは考えにくいから、たぶん、昼メシにでも行こうとして通りがかった修習生が(時間は午前11時55分ごろ)、状況を察して取り押さえたのだろうと思うが、これが事実だとしたら、何と勇敢なことか。


相手は82歳の老人、とはいえ、刃物を持って凶行に及んだ直後である。
それを一私人に過ぎない修習生が取り押さえるとは・・・・


まぁ、もしかしたら、実際に捕まえたのは近くにいた検察事務官で、刑訴手続上の時間制限を、捜査側に一番有利な形で使うために、司法修習生に“手柄”を譲ったのかもしれない*1のだけれど、そういう野暮な突っ込みは、ここではしないでおこうと思う(笑)。

*1:刑訴法216条、202条により、検察事務官が被疑者を逮捕した場合には、直ちに検察官に被疑者を引致しなければならない、ということになるから、その分初期捜査にかけられる時間は削られることになる(24時間の違いは大きい)。

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