ダブル・スタンダード

今年二度目となる「二回試験」の結果が発表された。

最高裁は15日、司法修習を終えた2039人を対象にした卒業試験(考試)で、1949人が合格したと発表した。」
「今回の考試で不合格になったのは90人で、受験者数に占める割合は約4.4%。最高裁は「真に必要な能力を測った結果」と説明している。」(日本経済新聞2010年12月16日付朝刊・第42面)

最高裁のコメントが約4ヶ月前のそれとほとんど変わらない(というか、常に変わらない)のはご愛敬、といってしまって良いのだろうか。

もし本当にコメントで述べられていることがその通りだったとしたら、不合格率約12.6%だった夏の受験者より、「4.4%」と大幅に改善された冬の受験者の方がレベルが遥かに高かった、ということにもなってしまいそうだが、そんなはずがないのは、当の修習生たちが一番よく分かっているはず。

結局のところ、修習のプロセスも出口の選考基準もブラックボックスの中に閉じ込めて、外に向けた説明責任を一向に果たそうとしない最高裁司法研修所)の姿勢こそが、この国の法曹養成システムを実りなきものにしている、最大の元凶なんじゃないかと、個人的には思うところである。

天下の日経紙には、「弁護士数が3万人を越えた」などという意味のない数字*1に飛び付く前に、その辺の暗闇を解き明かす方に心血を注いでほしいところなのであるが・・・。

*1:登録している弁護士の数=実際に機能し得る弁護士の数、ではないのだから、前者の数字だけを取り上げて騒いだところで大した意味はない。

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