まさかのちゃぶ台返し〜「まねきTV」最高裁判決(予告編?)

今は少し時間がなくて、冷静な思考で分析できていないところもある*1

だが、最高裁が出した「まねきTV」事件の大逆転判決が、これまでの東京地裁知財高裁の審理の中で2度にわたり設定されてきた議論の土俵を、根幹からふっ飛ばすようなものであることは間違いない。

これまでに当ブログでご紹介してきた裁判所の判断は↓のとおり。

http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060826/1156554700東京地裁決定)
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20061225/1167066489知財高裁決定)
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20081222/1230031960東京地裁知財高裁判決)

平成20年12月当時のエントリーにもあるように、直近の判断である知財高裁判決(本訴)を見た時には、“ちょっと風向きが変わったかな?”と思ったのは事実だし、後から出てきた「ロクラク」等に比べれば、「送信装置(本件ではベースステーション)」の管理に対してのサービス事業者の関与の度合いが強い(ように見える)分、事業者側に不利な要素があったことも否めない。

しかし、まさか最高裁が、こんな理屈で「送信可能化権侵害」を肯定するとは・・・というのが、率直な感想である*2

アップされた判決文のうち、本来一番重要な部分に下線が引かれていない、という気持ち悪さはさておくとしても*3、条文の文言を露骨にスルーするかのような解釈や、原審までの論点をすっ飛ばした短絡的(?)とも思える判断など、叩けばいくらでも埃が出てきそうなこの判決。

ここは後日、まとまった時間が取れたときに、今回の最高裁判決をじっくりと論じながらご紹介していきたいと思っている。

*1:結果だけ聞いたときは、そんなに頭に血が上ることもなかったのだが、判決の下線が付された部分を読み始めた瞬間に、“えぇぇぇぇぇぇぇえ〜!?”という気分になってしまった(苦笑)。

*2:個人的には、「公衆送信権侵害」と判断することによる逆転判決ならありうると考えていた。平成20年12月の記事もご参照のこと。

*3:一般的には、この種の公表される判決文で強調下線が引かれるのは「規範」部分で、事実の評価・あてはめ部分についてまで下線が引かれることは少ないから、この点は仕方ないことなのかもしれない・・・。

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