世界が近づいた瞬間。

サッカー、U-17のW杯。
フル代表の試合に比べて注目度は低いのはもちろん、ちょうど女子代表(こちらも好調!)の世界選手権と被ったこともあって、ひっそりと行われていた感はあったのだけれど、予選リーグから決勝トーナメント初戦までの勝ち方も、倒した相手もこれまでの「代表」では見られなかったくらいハイレベルなもの。

そして、準々決勝のブラジル戦で見せたパフォーマンスが、これまた見事だった。

序盤から力の差を見せつけられて、あっというまに3失点。
これで一気に戦意喪失してワンサイドゲーム・・・というのは、良くある話だろう*1

だが、そこから選手交代を契機に、一気に攻めまくる。

一点目を返し、二点目も返し、それでもなお、敵陣のゴール前に迫るその姿。
技巧では明らかに日の丸を付けた選手たちを上回るはずのカナリア色のユニフォームのDF達が、明らかに泡食った対応をしてしまうくらいの迫力ある執念の攻撃。


試合映像の紹介時間が長かった、とはいえ、自分が見たのはあくまでダイジェスト版だったから、実際に現地で、あるいはテレビでリアルタイムにディテールまでしっかり見ていたら、また違う感想を抱くことになるのかもしれない。

でも、どんなにうまく編集したってそこには限界があるわけで、試合中のスタンドの熱狂と試合後のスタンディングオベーションの映像を見れば、彼らが発した“熱”がいかに強烈なものだったか、伝わってくるというものだ。


まだ、ほとんどの選手がユース年代のチームに在籍中で、五輪代表やフル代表の試合に登場できるようになるまでには、もう少し時間がかかる。

これまでの歴史から言えば、そこまで這い上がってくるまでの間に、軌道に乗れずに脱落して消えていってしまう選手も決して少なくない。

しかし、有名人の息子、ってくらいの“肩書”がなければ、多くの人が名前すら認識していないような若い選手たちが、「世界」とのガチンコ勝負を経て、王国の背中にあと一歩で手が届きそうなところにまで肉薄したことの意味は、小さなものではないはずだ。

もしかすると、最近の流れからすれば、この大会に出場していた多くの選手たちが、国内のスタジアムで正式なプロデビューを飾る前に世界に羽ばたいていってしまうのかもしれないけれど、今は、ここ数年世界はおろかアジアでも結果を出せていなかった若手世代が、壁をぶち破ってくれることへの期待感が先に立つ・・・。

日の丸を付けた選手たちが出ていないコパ・アメリカを見る空しさは残るけれど*2、これが、これから始まる日の丸快進撃のための、ちょっとした充電期間だと信じて、自分はただ待つのみである。

*1:点を取られた順番は違うが、ドイツW杯の時の日本代表もそんな感じだった。

*2:一番空しさを感じているのは、せっかく押さえた放映権を、空き時間のコンテンツ用にしか使えなくなってしまったNHKなのかもしれないが・・・。

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