ロンドンで“なでしこ”より輝くのは誰か?

バタバタしているうちに、7月もすっかり終わりに近づき、そして、とうとう五輪開幕を迎えようとしている。

プロ野球のオールスター戦や、甲子園、サッカーのインターハイ決勝等々、子どもの頃は、始まる前から楽しみに待ち構えていて、いざ始まればテレビの前にかじりついていたのに、今ではそんなに大きな興奮もないまま通り過ぎていく・・・というスポーツイベントは多い。

だが、五輪だけはやはり特別。

ということで、4年に一度のお楽しみ、Numberの五輪プレビュー号を今回も入手してみた。

大会前の“期待度”が如実に分かるのがこの手の企画で、このロンドン五輪に関していえば、冒頭から「澤穂希選手と三浦カズの対談」「宮間あや選手のロングインタビュー」といった記事が連発されていることからも分かる通り、とにかく“なでしこジャパン”への期待度が高い*1

次いで扱いが大きいのが、女子卓球界のダブルエース(福原愛石川佳純の両選手)や競泳の寺川綾選手、といったところ。そして、もはや大ベテランの域に達した室伏広治選手、体操の内村航平選手、といったところがこれに続く。

Numberに限らず、一般紙、スポーツ紙、そして、テレビ各局の番宣の中で華々しく取り上げられる対象も、概ねこの辺りの種目なりアスリートなり・・・といったところに集中するのだろう。

しかし、どんな大会も“前評判どおり”には決して終わってくれない。

特に今大会の“なでしこジャパン”などは、最大のバッド・サプライズになっても不思議ではないように思う。
過剰に過ぎる“国民の期待”のプレッシャーに加え、グループを1位で通過すると、なぜか米国、フランス、北朝鮮(いずれも日本代表の相性は悪い)が同居する“死のグループG組”の勝ち上がりチーム*2と対戦する、という組み合わせの不可解さ*3
そして、一年前の成功体験が重すぎるゆえに、澤選手を筆頭に、決して好調であるようには見えないベテラン選手たちを引っ張り過ぎて、墓穴を掘る・・・という悪夢も決して今の“なでしこ”にとっては無縁ではない。

それよりは、サッカーでいえば、初戦でスペイン相手に善戦して波に乗りそうな男子U-23の方が見どころがありそうだし、他の球技でいえば、女子バレーなどは、ロス五輪以来のメダルを狙えるところにようやく到達しかかっている感もある*4

個人競技に目を移しても、安定した実績を残しながら知名度はそんなに高くなかった、という選手がメダルを取って一気に脚光を浴びることもあれば、“看板”だった選手が残念な結果に終わってしまうこともあるわけで、結果は神のみぞ知るところ*5

大会が始まってしまえば、どうしても、日本中が、その日その日の“スター”にばかり目を向けるようになってしまいがちなだけに、細々とでも、前評判とのギャップの驚きと切なさを綴っていけたらなぁ、と思う次第である。

もちろん、期待するのは、良い方の“サプライズ”だけなのだけど・・・*6

*1:いかにサッカー記事が多いNumberとはいえ、僅か2ページの記事にとどまる男子U-23代表の扱いと比べれば、違いは一目瞭然だろう。

*2:一応、相手は2位だが、このグループでは、一歩間違えば米国ですら1位を取り逃がす可能性があるから、下手をするとトーナメント初戦から去年のW杯の再戦、という事態になりかねない。

*3:2位通過でも、対戦相手はE組(地元イギリスはいるものの「イングランド」とは違う混成チームだし、上位に来そうなもう1チームも日本にとっては相性の良いブラジル)の2位だから、上手に星を分け合って得失点差で2位を狙った方がよっぽどマシなように見える。

*4:最終予選では大苦戦したが、“真ん中の2枚”を事実上欠いた状況での戦いを強いられたゆえ、であり、それでも何とかプレッシャーに打ち勝った事を考えれば、チームの総合力は世界選手権の時よりもむしろ上がっている、と自分は信じている。

*5:今大会もレスリングの吉田選手などは、すっぽりとドツボに嵌ってしまう予感がしてならない。全体的にみれば、欧州大陸の五輪との相性の良さ(?)ゆえ、北京の時よりも良い結果になるのではないかと思っているのだけれど。

*6:まずは、U-23代表にスペイン相手にかましてもらいましょう(笑)。そして、初日に、柔道・福見、ウェイトリフティング・三宅のW金メダル、と。

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