それはジェットコースターのように。

年度末が近付いていることもあって、なかなか慌ただしさから解放されない。

ちょうど2年前は、寒さで開花が遅れたことと人生の転機が重なって久しぶりに美しい桜を堪能する機会に恵まれたし、昨年も新型コロナで事態急変、という状況の下、訪れたつかの間の「凪」のタイミングで桜を愛でることもできたのだが、今年は、いつもより早い開花にこの状況、となると、「気が付けば葉桜」ということも十分ありえそうな気がする。

そんな中、良い陽気が続いて、「すぐ春真っ盛りになる」と思わせながら、夜になると冷え込みが戻ってなかなかコートを手放すことができない今の気候と同じく、世の中の状況も一進一退。

”収束”ムードが強まり、緊急事態宣言の解除も正式に決まってからたったの一週間しか経っていないというのに、全国のあちこちで新型コロナ感染者数は再び増加モードに突入しているし、それは日本だけの特異現象ではなく世界中で起きていることだったりする、というあたり、なかなか根は深いわけで、聖火リレーがつながるはずの道筋が、新型コロナの拡大エリアと重なり、大震災10年に合わせて来月から行われるはずのデスティネーションキャンペーンまで出鼻をくじかれそうな状況になっているのは、何とも皮肉なことというほかない。

そして、そんな世の中に輪をかけて荒れ気味だったのが今週の株式市場。

今月に入ってから先週までの上げ幅があまりに異常だったから、さすがにどこかで調整が入るだろうと思ってはいたが、日経平均の数字だけ追っても、月曜日に600円超下げ、火曜日に200円近く、水曜日に再び600円近く下げて、2週間分くらいの上げが全部吹き飛んだところで、ここ2日間は300円超、400円超上げて戻す、という実にエキサイティングな展開。

一般市民がこういう時に手を出してもなにも良いことはない、というのはこれまでの経験則で重々分かっているだけに、”見守り”を決め込んでいたが、連日、自分のポートフォリオの含み損益が、サラリーマン時代の手取り月収分くらいの上げ下げを繰り返すのを見てしまうと、心穏やかであるはずもなく・・・。

未だに「実態と乖離した相場」などとぼやく人々を時々見かけるが、ここしばらくの間に開示された資料を見ても、その多くはこのタイミングでの通期上方修正だったり増配だったりするし、足元の1‐3月期と次の4-6月期の各社の損益が8~9割方の会社で歴史的な対前年比プラスを記録することも明らかなだけに、言われるほどの”乖離”相場ではないだろう、というのが自分の意見だったりもするが、だからと言ってさらに買い上げるタイミングか、と言われれば「そこまでの勇気はない」という回答にならざるを得ないのも確か。

おそらく、来週になってもこのエキサイティングさは変わりそうもなく、優待目当ての買いの後に、権利落ち、月末精算で一気に下げる、という展開は大いに予想されるところなのだが、果たしてそこで買い向かう根性を発揮できるかどうか・・・。

どんなにスリルがあっても、最後はちゃんとスタート地点に戻ってくる本物の”ジェットコースター”とは異なり、これは、下手をすれば軌道を外れてどこかに飛んで行ってしまうかもしれないような危うさまで秘めた”博打”だけに、今は少しでも穏やかにソフトランディングしてくれることを、ただ願うばかりである。

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