五輪の後に咲いた花

びっくりしたなぁ・・・

今日のフジテレビの中継を観ていて一番驚いたのは、
コーエン選手の転倒でもなく、
マイズナー選手のアンビリーバブルな演技でもない。


それは、

ヤイコの曲にあわせてイナバウアーをする荒川静香選手(爆)」

スポンサーがコカコーラだったゆえなのだが、これはグッジョブ!


ヤイコ本人出演の「矢井田瞳LIVE」のCMも流れていたし、
早く爽健美茶のシール集めないと・・・。
売店ではついいつものクセで伊藤園を買ってしまうのだ・・・)


それはさておき、
世界フィギュア選手権(カルガリー)の女子フリー。



やはりこの日の最大のサプライズは、
優勝したマイズナー選手の演技。


トリノのときは、
転びそうになっても一生懸命滑っている清々しさこそ目立ったものの、
プログラムとしてはさほど華がなかった(ように見えた)彼女が*1
ノリのいい地元の観客に後押しされたせいもあったのか、
今大会では、実にテンポ良く伸び伸びと滑っていた。


そして、解説の本田武史氏が絶賛した、
曲の終わり間際でのコンビネーションジャンプ。
それまでのジャンプをほぼ完璧に決めてきて、
ステップで雰囲気を盛り上げたところでこれを決められたら、
ラストを待たずに会場中がスタンディングになるのも無理はないわけで、
トリノの時のスコアを20点以上上回ったフリーの高得点は*2
北米開催であることを差し引いても、至極当然の結果*3


五輪に続いて、パーフェクトな演技の後に滑るはめになった村主章枝選手は
気の毒というほかなかったのだが、
これまた解説の八木沼純子氏の言葉を借りれば、
演技の方は「五輪の時よりもスピードに乗った滑り」で、
ステップとスピンに関しては、素人目に見ても確かに良かった*4


2度のコンビネーションジャンプが乱れたり、
五輪の時と同じく、3回転サルコージャンプが“抜けた”のが痛かったが、
最後のトリプルジャンプは五輪の時より綺麗に降りていたし、
フリーの得点自体は、トリノのポイントを上回っている*5


逆にトリノよりも痛い結果になってしまったのがコーエン選手。
よく考えたら、こういうシーンを自分が観たのは実に3回目・・・。
もはやデジャブかと・・・。


トリノで転んだ序盤のジャンプを何とか乗り切って、
見せ場のスパイラルシークエンスを見事に決めたのに、
その直後であえなく転倒。
4分持たないのはウルトラマンの化身なのか、
はたまた背中にリピンスキーかクワンあたりの霊がとりついているのか・・・
ウーピー・ゴールドバーグあたりに厄払いしてもらったほうが、
良いのかもしれない。


あとは、最終滑走者の中野友加里選手。
ジャンプが不安定だったり、
スパイラルで乱れたりしたこともあって、
スコアは視聴者の期待ほど伸びず、
日本選手権での評価も決して作為的なものではなかった、ということを
ある意味実証する形になってしまったが、
それでも初出場で5位は立派な成績*6


またほとんどのニュースではスルーされてしまっていたが、
恩田美栄選手の11位という順位は、
日本の「3」枠死守に直結しただけに、
もっと評価されて良いように思う*7


同じタイプのソコロワ選手が26歳になっても、
上位に食い込んできているのだから(総合4位)、
まだまだ行けるんじゃないかと思った次第。


ということで、次のシーズンの注目は、
国内選考での浅田真央選手、村主章枝選手に続く3枠目の争いと、
ゲデバニシビリ選手(笑)である*8

エピローグ〜求道者の魂

それにしても、8度目の出場で自己最高の2位、
それも予選から一貫して自分のポジションを守りきった、
という村主選手の素晴しさや如何に。


彼女は五輪直後から「次を目指す」と公言しているが、
4年に一度しかない五輪で、「次」に言及することがどれほど重いことか。


日本中が“荒川金メダル”のお祭りムードにうかれる中、
光が当たらなくても、密かに鍛錬を積んで、
きちんと4年後に向けた結果を残す。


一スケーターの域を超えた求道者。
人として、心から尊敬する・・・。


願わくば、来年の世界フィギュアで表彰台の真ん中に立つ彼女の姿を
この目で見てみたいものだと思う。
(その前に、今度こそはダフ屋に頼ることなく日本選手権のチケットを・・・)

*1:もちろん、荒川、村主両選手の後に滑った、という“不運”のせいでもあったのだろうが。

*2:129.70点。もちろん単純比較はできないが、金メダリスト荒川静香選手のスコア(125.32点)をも上回る。

*3:ちなみに、後日五輪の時のマイズナー選手のフリーの演技をチェックしたのだが、最後の最後にコンビネーションジャンプを入れるというプログラム自体は同じだった(ただし、トリノの時は着氷が乱れて3つ目のジャンプが飛べていなかったのだが)。ちょっとしたミスの有り無しと、会場の盛り上がり次第であんなにも演技の印象が変わるものか、とフィギュアスケートの奥の深さをあらためて感じた次第である。

*4:個々の難易度までは分からないのだが、スピンやステップのバリエーションが豊かになったのは素人目で見ていても分かる。今回は、スパイラルの途中で曲が切り替わってしまうようなこともなかったし。

*5:113.48点→119.15点。

*6:終盤、トリプルのコンビネーションからドーナツスピン(中野選手のドーナツは荒川選手のそれよりも美しい、と個人的には思っている)へと綺麗に流れたあたりで会場が沸き立ったし、メダルに手が届いたか!と一瞬期待させてくれたのだが、最後の三回転トゥループで着氷が乱れたせいで、場の空気も萎えてしまった感じがする。あと、スパイラルのスピードが足りず、かなり苦労して滑っていたのが見え見えになっていたのもマイナス材料。それでも、五輪で入賞できるレベルの演技ではあったと思うのだが・・・。

*7:4回転娘をあえて五輪に送り出した理由はこれだったのか・・・と(笑)。

*8:ちなみに今日のフリーの放送でもゲデバニシビリ選手の映像は流れず。一応、五輪の最終グループ滑走者なのだが・・・(某T局に比べれば、フジテレビのフィギュアスケート中継は玄人好みの編成になっていて好感が持てるのだが、コストナー選手のフリーの演技が放映されなかったこととあわせて、この点にはやや不満あり)。

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