「東芝は15日、米半導体大手マイクロン・テクノロジーとデジタルカメラなどに使うメモリーカードの技術不正流用を巡る訴訟で和解したと発表した。東芝がマイクロンに約338億円(2億8800万ドル)を支払う代わりに、マイクロンの全額子会社である米レキサー・メディアが東芝に起こしていた訴訟を取り下げる。」
提携解消後のトレード・シークレット不正使用が争点になった事例、
として、個人的には相当注目していた事案だったのだが、
いつの間にか、当事者がマイクロンに買収されてしまったために、
結局控訴裁の判決を待つことなく、終結に至ったようである。
元々、地裁の陪審が命じていたのは、
4億6500万ドルの賠償金支払いだから、
それに比べればマシだとしても、
今回の和解金額が相当巨額であることに変わりはない。
東芝にしてみれば、
ただの“賠償金”ではなく、
「半導体技術に関する特許を譲り受ける」対価も含まれてのことだから、
一応の実はとった、というところなのだろうが、
元々、提携解消に伴う“八つ当たり”訴訟のような気配も
漂わせていただけに、やや勿体ない結末のようにも思える。
やがて、我が国でも大企業間でのこの種の訴訟が一般化してくるのか、
不競法(営業秘密)への関心度が今ひとつの現状では
何ともいえないのであるが、
担当者としては、本件を他山の石として、
秘密管理に向けた意識を浸透させたいところである。