珠玉の時間(ネタバレ注意)。

予告どおり、ヤイコのライブに行ってきた。


去年のライブは企画モノだったから、アルバムの新作をベースにしたツアーに行くのは実に久しぶりのことで(2年前の年末の武道館以来)。


ヤイコの生声に関しては、これまで十分過ぎるほど褒めちぎってるから、もう今さら褒めるための形容詞も残ってはいないのだが、ライブの前後に聴いてたCDの歌声と比べると、「CDというメディアがいかに一部の音域しか記録できないか」という事実を如実に感じてしまう・・・、といえば、彼女のライブの素晴らしさが少しは伝わるだろうか。


NHKホールの3階の隅っこなんて、お世辞にもいい席とはいえない。


ステージから浴びせかけられる眩しそうなスポットを遠目に眺め、ステージ上のパフォーマンスを“お客さま”として見守るのがせいぜい、といったポジション。


でも、同じ会場の中にいる限り、声だけは聞こえる。


あれだけの奥行きがある、プロ魂がこもった歌声を、彼女のライブ以外で聴いた記憶は、もう何年も、ないのである・・・。


IT'S A NEW DAY(初回限定盤)(DVD付)

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買った時はイマイチ感もあったアルバムだが、実際にライブで聞いてみると、つくづくいい曲だな、と思う(これは前作も同じ)。


初めからそういう作りなのだろう。


当たり前の話だが、音楽の価値はセールスの多寡で決まるものではない。


どれだけファンのために曲を書いて、歌ってきたか、という観点から見たときには、彼女の右に出るアーティストは、今の日本にはいないのではないか・・・、そう錯覚してしまうような、素晴しい、ツアーの夜だった。




なお、バンドメンバーの主力が入れ替わったこともあって、これまでと同じ感覚では聴くと、いい意味でも悪い意味でも期待を裏切られるような曲はいくつかあったりもしたのだが、ことの評価は、もっと熱心なファンの皆様に委ねたいと思う*1


(以下、セットリスト(ネタバレ注意))



今回のリストには前回の武道館で歌われなかった“かつての定番ソング”が多かったなぁ、というのが率直な印象。


前回が独立直後のメッセージ性の強いライブだった、ということもあるのだろうが、初めてライブに行ってからもはや5年も経ってしまった今、筆者としては、今回の選曲の方がやっぱり落ち着く。


一番じっくり聞かせてくれたのは、やはり新作の目玉だった「初恋」。そしてかつての定番の「ねぇ」と「手と涙」(文字通り涙。)。


また、初っ端の「御堂筋」、「B'coz」の新旧ノリノリ連発から、アンコール前の「アンダンテ」からの4連発と、“跳べるシークエンス”に関しては、これまでで一番のチョイスだったように思う。

2007年4月18日@NHKホール
♯1 御堂筋プラネット
♯2 B'coz I Love You
♯3 一人ジェンガ
(メンバー紹介)
♯4 STARTLINE*2
♯5 Pajama Holiday 
♯6 I'm here saying nothing
♯7 やさしい手
♯8 ねぇ
♯9 地下室の渦
(MC)
♯10 初恋
(MC)
♯11 ベルと本とキャンドル
(MC)
♯12 キッチン
♯13 Over The Distance
♯14 月のなみだ
♯15 ミッドナイトスナック
♯16 何もやりたくない
♯17 アンダンテ
♯18 ママとテディ
♯19 my sweat darlin'
♯20 Go my way
(アンコール)
♯21 Look Back Again
♯22 手と涙
♯23 37.0℃

個人的には、Wアンコールでの「Life's Like A Love Song」に期待してたんだけど、まぁ、一つくらいは次に向けた楽しみを残しておいた方が良い、ということで。

*1:ロックの真髄たる重厚感を重んじるか、激しい中にもポップな軽快さを求めるか、これは聴く者の評価が大きく分かれるところなのではないかと思う。今回に関して言えば、まだまだ“合ってない”ところも多かったように見受けられるから、その点については、次回ツアー以降どれだけカバーされていくのか、期待しつつみていくことにしたい。

*2:余談だが、この曲、手拍子であわせるのか、コブシを振り上げてあわせるのか、いまだにファン間での一致を見ていないようである(笑)。

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