高橋尚子選手が「プロ引退」を表明した。
今年の名古屋の走りなどを見れば、こういう日が間もなく来るだろうことは誰しも予想できたのだが、いざ来てみるとやはり寂しい。
「どう試行錯誤しても納得いく状態に持っていけず、これではプロ高橋として堂々と皆さんの前で走れないと思い、精神的、肉体的にも限界かなと思った。」(日本経済新聞2008年10月29日付朝刊・第41面)
“第一線を退くタイミング”があるのは、プロでもアマチュアでも同じだが、自分でチームを組みスポンサーの支援を受けて走る「正真正銘のプロ」アスリートとなれば、その決断はなおのこと重い。
苦渋の選択に悩み続けた末にたどり着いたのが、あの記者会見での爽やかな笑顔だったのかなぁ・・・と思うと、いたたまれない気持ちになってしまう。
スケールは遥かに小さいものの、筆者自身、ここ数年ずっと「プロ」としての生き方を模索してきていた。
ようやくスタートラインに立てそうな気配もある今日この頃ではあるのだが、「プロとして生きる」という選択の重さ、厳しさが自分を躊躇させているのも事実。
勢いだけで乗り切れるほど若くはない、それがまた寂しい。