今回のW杯日本代表の発表は、珍しく“無風”の印象が強かった。
FW陣に関しては、岡崎、森本以外の選手の人選に多少突っ込みどころはあるのだが*1、他のポジションに関しては現時点でこれ以上の選手は選びようがない、という組み合わせになっていると思う。
今回特に嬉しかったのは、今回は絶望的と思われていた川口能活選手が選出されたこと。
ちょっと前の「Number」誌で、昨年の骨折からの復帰に向けた彼の懸命なリハビリの状況を知ったこともあって、「心情的には間に合って欲しい。でも無理か・・・」という思いだったのだが、一転、ここで選ばれることになるとは・・・。
負傷が完全に癒えたとは言えず、しかも今季リーグ戦出場なし、という状況でピッチに立つチャンスが訪れるほど、代表は甘くないだろうと思う。
だが、かつてのチームに比べて“線が細い”と言われ続けている現代表にとって、過去3大会で天国も地獄も味わった*2川口選手がチームに帯同する意味は限りなく大きいはずだ。
そして、彼が、不遇の時代を乗り越えてピッチに立ち続け、代表として選ばれるだけの存在感を今もなお示している、ということを、同じ世代の人間として誇りに思わずにはいられない。
なお、年が明けてからもパッとしない試合を続けている現代表チームだけに、本番での活躍を期待する声は、これまでに出場したW杯の中で一番少ないような気がするが、得てして事前の世の中の期待感と本番での結果が反比例しがちなのがこの世界。
いずれ開幕が近付いた頃に、あらためて本大会の予想でもしてみようかと思っているが、今回の日本代表はちょっといつもと違うところを見せてくれるんじゃないか、というのが今の率直な感想なわけで、いざ予想を立てる段になったとしても、ここだけは譲りたくないところである。