「情報管理」の大切さ

外野から見ている限りでは、迷走しているようにしか見えない日本相撲協会の“八百長”問題。

ここに来て、調査対象となっている力士の一部が、「携帯電話を壊した」とか「機種変更した」とか言ってきているようだが、こうなると客観的な“物証”を確保するのは極めて困難になるわけで・・・*1

個人的には、最初の“発覚”報道の時に、「携帯メールから証拠が出てきた」ということがこんなにオープンにされていなければ、今よりはまだマシな状況だったのではないか*2、と思ったりもするのであるが、自分たちの捜査と関係ない情報については「情報管理」の概念が欠如している警察関係者*3に、相撲協会をアシストするような謙抑さを期待するのは、元々無理があった、ということだろう。

あとは、プロの法律家をフル活用して、供述証拠を積み重ねていく中から、ほんの僅かでも真実が見えてくれば良いなぁ・・・と思うのであるが果たしてどうなるか。


八百長問題”の本質は、「勝ち負けを操作すること」自体にあるのではなく、勝ち負けを操作することによって賭博等の結果を左右する(それによって、胴元や一部の賭客に不当な利益を与える)ことにあると自分は思っていたので、“本丸”の話がなかなか出てこない今回の調査過程には非常に違和感を抱いているのであるが、特別調査委員会が、どこかでそんなもやもやを吹き飛ばすような“成果”を挙げてくれるのであれば、それはそれで良いのかなぁとも思っているところ。もちろん、多くは期待しないことにしているのだけれど・・・。

*1:もちろん、その手の言い訳があまりに不自然なようなら、「携帯電話を持参しない」という行為自体が“クロ”を推認させることにもなりうるのだが、「先場所後に機種変更して、前の携帯電話はリサイクルしてしまった」と言われたときに、それが作為的なものか偶然なのか、見分けるのはそんなに簡単なことではない。

*2:まぁ、まともな力士なら携帯電話を壊さないまでも、メール自体は消去しているだろうし、相撲協会の調査委員会には、警察と違って長期間携帯電話を押収して解析するような権限もないので、結果的には同じような状況だったのかもしれないが。

*3:中には、自分たちの捜査と関係ある情報すら、“計画的なリーク”の意図さえ持たずに、あることないことペラペラ喋ってしまう者もいるようだが。

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