あきらめるにはまだ早すぎる。

日本男子サッカー五輪最終予選、アウェーでシリア相手に、後半ロスタイムに入るかどうか、というタイミングで、まさかの決勝ゴール。

出だしから幸先良く3連勝したこともあって、何となく世の中には根拠のない楽観ムードが漂っていたし、正月には他の五輪内定選手と並んでスポーツ番組に登場していた選手までいたから、自分なんかは内心、「シリアはそんなに楽な相手じゃないぞ・・・」と思っていたのだが、案の定だった。

大迫選手から永井選手につないだ末の美しいゴールで前半のいい時間帯に同点に追い付き、後半に入ってからは、堅守速攻で何度となくチャンスを演出していたから、もしかしたらここで決められるか・・・という淡い期待も持ってテレビを見ていたのだが、終盤にかけて少し嫌な流れが来たなぁ・・・と思ったところで、我が日本のオールドヒーロー・“大空翼”を彷彿させる見事なドライブシュートを正面から決められて万事休す。

元々海外組を全く連れて来られなかった上に*1、頼みの綱の清武選手を負傷で失った、となれば、アウェーで勝ちきれる確率はかなり低かったわけで、「引き分け」で終わっていれば、事実上勝ちに等しい、という評価を受けられただろうから、なおさら残念なところ。

個人的には、今回のU-23代表は、いつになく応援したい気分にさせてくれるチームだけに*2、実況のアナウンサーが、何度も「2位転落、自力進出消滅」と連呼するのを聞いていて、正直、自分も少なからず凹んだのだが・・・。

冷静に考えれば、「2位」といっても、勝ち点で見れば全くの五分だし、得失点差も同じ。

シリアが次戦で難敵バーレーンと戦わねばいけないのに対し、日本は敵地とはいえ相手はマレーシアだから、うまく行けばこの時点で、首位逆転もありうる。

もちろん、ホームとはいえ、最終戦では、バーレーン相手に、「シリア対マレーシア」のスコア差を見ながら試合を進めなければいけない、という厳しい状況になることは確かなので、一瞬たりとも気が抜けないのは事実であるが・・・。


これまで何度も、世界に届かないという屈辱にあえぎ、それをバネに跳ね上がってきたのが今のU-23だと思うだけに、もし、この先、苦しんだ末に五輪への切符を掴み取ることができたなら、これまでの2大会を上回るような戦績を残しても不思議ではないと自分は思っている。

ゆえに、今は、あと2試合、何としてでも試練をくぐり抜けてくれることを、祈り続けて待つほかない・・・。

*1:香川真司を連れてこい、とは言わないまでも、昨年のバーレーン、シリアの連戦で貴重な得点を叩き出した大津選手だけは確保してほしかった・・・。

*2:年代別のW杯のアジア代表切符をことごとく逃して、“最弱世代”と呼ばれながらも、Jリーグに行かなかった学生達が大幅に成長を遂げることによって、2010年のアジア大会で奇跡の優勝。無名だった選手たちも、いつしか自分たちのJクラブの主力となりつつあり、中には海外の切符を掴んだ選手まで出てきた。そして、何と言っても監督が関塚隆氏、というのが実に魅力的。

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