ここのところ2年続けて日高出身のコパノリッキーが勝ち、いかにも「年初めのダートG1」にふさわしい異色の雰囲気を漂わせていたフェブラリーステークス*1。
さすがに3年連続は厳しいかな、というムードにはなっていたが、それだけに、浦河の牧場出身のホワイトフーガ(梅田牧場)や、スーサンジョイ(細道牧場)など、同じ系譜を嗣ぐ馬たちの人気薄でのジャイアントキリングを自分は密かに期待していた。
だが、終わってみれば、ミルコ・デムーロ騎手が操るモーニン(2番人気)が、「6戦5勝」というほぼ完璧な戦績のとおり走り切って、レコードタイムでの圧勝。
そして、続いたのが、最後の直線まで後方であえいでいた1番人気のノンコノユメで、ルメール騎手の必死の追い込みもあってか、ダート戦とは思えない上がり34秒の脚できっちり2着を確保する、という極めて順調な結果となってしまった。
20世紀末とは異なり、最近は、モーニンのような“純外国産馬”がG1の舞台で活躍することもめっきり減ってしまっているから*2、それはそれで日高地区の牧場の馬が勝つのと同じくらいのサプライズなのかもしれないが、デビューから1年経たずにここまで駆け上がった戦歴といい、手綱を取るのがM・デムーロ騎手、だったということといい、あまりに王道を行き過ぎているがゆえに、特別なことは書きづらい。
強いて書きたいことがあるとしたら、「M・デムーロ騎手が、昨年末のチャンピオンズカップ(引退したサンビスタ号に騎乗)に続きダートG1で2連勝、しかもどちらの馬も初騎乗でタイトル獲得」ということで、長年この国でダートのレースに慣れ親しんできた日本の騎手たちは何をやってるんだ・・・という嘆きくらいだろうか。
既に、ダービー、天皇賞(秋)、JC、有馬記念、という、何年も国内で騎乗している騎手でもなかなかたどり着けないビッグレースのタイトルを持っているデムーロ騎手にとって、この先の道程は、淡々と隙間を埋めていくようなものに過ぎないのかもしれないのだけれど、個人的には、そこで何とか一矢報いよう、という日本人騎手の工夫と闘志が目に見える形で示されることこそが、今後の競馬を盛り上げるきっかけになると思うだけに、今は、もう少し・・・を期待してやまないのである。