2016年9月10日のメモ

五輪の余韻も醒めかけた頃に、リオでパラリンピックが開幕した。

「4年後」を意識してのことか、今回は、これまでに比べて各メディアでのパラリンピックの取り上げ方がだいぶ変わってきているなぁ、というのは、随所に感じるところで、さすがにオリンピックのような「深夜の生中継」まで行う競技はほとんどないものの、NHKなどは各競技のダイジェストをかなりしっかり放映している*1

ここ数日見ている視覚障碍者クラスの柔道などは、技が決まった瞬間の切れ味がオリンピックのそれ、とほとんど遜色ないし、陸上に目を移せば、義足の存在を忘れさせるくらい体を目いっぱい使って走り、飛ぶ姿の迫力を感じる。そして、ゴールボールに至っては、頭脳と体力の双方が要求されるゲーム性の強さゆえ、純粋なテレビ向けのコンテンツとしても十分楽しめる。

今回、パラアスリートたちの闘う姿やその背景を、いつも以上にしっかりと目に焼き付けることができることで、「大会後も見てみたい」という種目等もいろいろ増えてきているのだが、あとは、日本の国内で「見に行く」環境が整うのかどうか、そこが一番考えないといけないところなのかもしれない。

これも新しい落とし前の付け方、か。

西松建設の巨額献金事件をめぐる株主代表訴訟が東京高裁で和解となった、というニュースが出ている。

取締役に対する責任追及の対象となっていたのは、例の陸山会事件の発端となった行為で、気が付けば最初に報じられてからもうずいぶんと日がたっているから、原告側がこの辺で打ち方やめ、としたくなる気持ちは何となく分かるところだし、被告側にしても、東京地裁判決の「約6億7200万円」という巨額の賠償金に比べれば、「和解金1億5000万円」での決着となったことで、かなり救われる思いはしたことだろう。

興味深いのは、一般的な取締役による和解金支払いに加え、会社が献金問題を反省するとして、政治資金収支報告書を公開する団体に1千万円を寄付する。」日本経済新聞2016年9月10日付朝刊・第39面)ことで解決を図った、という点で、“なぜ会社が払ったのか”ということも含めて、背景がいろいろと気になるところではある。

取締役が背負う賠償額に比べると「小さな対応」に過ぎない、というべきなのかもしれないが、これぞ“和解ならではの解決策”と言えるようなアプローチだけに、今後これが他の事件に波及するのかしないのか・・・というところも含めて興味深いところではある。

不可思議な結末

人気若手俳優が強姦致傷容疑で逮捕勾留され、ここしばらく格好の週刊誌ゴシップネタになっていた某事件。
意外にも「不起訴」という形で決着となり、弁護人サイドからはあたかも「被疑者は無罪」とでも言いたそうなペーパーが出てきて、広く公開されている。

もし、そこで書かれていたことが本当なのであれば、そもそも最初の時点で関係者があんなに頭を下げるような会見を行う必要はなかった、ということになりそうだし、事件そのものよりも、あの会見をきっかけに被疑者の日頃の素行についてああだこうだ、と語られたことの方がレピュテーションに与える影響が大きかった、ということになってしまいそうだが、その一方で、事務所側は、釈放後すぐに契約解除、という極刑を課していたりもする。

真相を知るのは当事者だけで、本件ではその当事者の記憶すら怪しい以上、落とし前の付け方としてはこれで仕方ない、というべきなのかもしれないが、迅速に過ぎる初動対応の功罪も含め、いろいろと考えさせられるエピソードだと思う。

予想はしていたことだけど

しばらく話題になっていた鹿児島県知事による「川内原発停止」に向けた九州電力への要請だが、結局、先日の回答→再要請という手続きを経た末に「再度停止要請拒否、その代わりに追加の安全対策を提示し、知事も受け入れて重ねての「即時停止」要請を見送る、という、予定調和的な展開に再び収まることになった。

外野の人間としては、「こういうことになるんだったら、最初から余計なパフォーマンスをしなければよかったのに」というセリフがどうしても出てきてしまうが、そこは“政治”が絡むことでやむに已まれぬ、というところもあったのだろう。

いずれにしても、原発に関して“次の一手”をどう打つか、ということが、知事の今後の行政運営の安定感を決定づけるような気もするだけに、お手並み拝見、といきたいところである。

「片側空け」は日本だけのルールではない

日経土曜版に掲載されていた「エスカレーター片側空け どうして?」という記事*2を見て思ったのは、「片側空け」が日本だけのローカルルールだと思っている人、って意外と多いのだな、ということ。

欧州に旅行すればわかるが、「片側空け」のルールは既に様々なところで(少なくとも事実上のルールとしては)定着している。
エスカレーターのステップ上に「立つべき位置」を記載してしまっているロンドンの地下鉄は極端な例かもしれないが、他にも、大空港からローカルな施設まで「混んでいる時は何となく片側に寄る(そして急ぐ人はもう片側を使って追いぬく)」というルールが自然に定着しているように思えるだけに、メーカーも「歩くことを想定して設計していない」というお決まりの文句だけではなく、2020までには何とかする、ということを考えた方が良い頃合いなのでは、と思わずにはいられない。

*1:オリンピックの時にあれだけ騒いでいた民放が競技中継をほとんど行っていないのは残念の一言だが。「24時間」を毎年やっている某局などは、こういう時にこそ、あの高邁な精神を発揮して(BSの電波を使っても良いから)24時間体制で放映すれば名を挙げることができるのに、というのは4年に一度思うことなのだが、そこはなかなか変わってくれないところである。

*2:日本経済新聞2016年9月10日土曜版・第3面。