何がこの差を付けたのか?

年始の恒例行事となっている「JRA賞」の発表。

そして、今年も年度代表馬に選ばれたのは3歳(明け4歳)馬だった。

www.jra.go.jp

未だ多くの競馬ファンに昨年末の有馬記念の余韻が残っている中での投票結果発表だから、イクイノックス年度代表馬に!という結論に真正面から異を唱える声は少ない。

時期的なことを考えても、客観的な能力評価の観点からも、3歳と古馬が入り混じって戦う秋以降のGⅠ戦線での結果が、記者投票の結果に影響する、というのは当然のことだと思うし、それは決して今年に限ったことではない。

ただ、冷静に振り返ると、今年の春先、日経賞から始まったタイトルホルダーの快進撃を目にした時、自分は今年の年度代表馬はこの馬を措いて他にいないだろう、と確信していた。

春の天皇賞宝塚記念、というビッグレースを、堂々の逃げ切りで勝ちきった強さはまさに規格外。

にもかかわらず、同じく「GⅠ2勝」に過ぎない3歳馬・イクイノックスに「282対6」という圧倒的大差を付けられて敗れることになるとは・・・。

満を持して臨んだはずの凱旋門賞で大敗したのが悪いインパクトを与えた、ということは間違いなくあるだろうし、年末・有馬記念の「直接対決」で全く見せ場を作れなかったのも痛かった。

ただ、相手は善戦を続けたとはいえ、春のクラシック戦線で1勝もできなかった馬である。

昨年の年度代表馬・エフフォーリアも、真の存在感を示したのは秋以降だったとはいえ、春の時点でGⅠタイトルを1つは押さえていた。その馬が277票。

それなのに、今回のイクイノックスの方が票の絶対数が多かった、というのは、いろいろ考えさせられるところがあって、歴史に名を残すことを考えた時に、凱旋門賞に挑むことが馬にとって本当に良いことなのか、そろそろそれを改めて考え直す時に来ているのかもしれないな、と思ったりもしている*1

また、「直接対決の勝者」を選ぶのが自然なこの投票において、唯一例外となったのは「最優秀障害馬」部門

オジュウチョウサンを「功労馬」として称賛することは自分も全くやぶさかではないのだが、年末の中山大障害での圧勝劇をみれば、「2022年を代表する馬」としてはニシノデイジーの方がふさわしかったような気がしていて、「138対137」とわずか1票差での決着とはいえ、関係者にはあまりに酷な結果のように思えてならなかった。

「黄金世代」の馬たちが揃って引退を表明してから1年、秋にはイクイノックス等の台頭で「古馬が抜けた穴」を完全に塞いでくれたこともあって、1年前の心配*2は、ある意味杞憂になったところはある。

ただ、次々と新しい”主役”が出てくるような時代だからこそ、一瞬で消費されて忘却の彼方に連れ去られてしまう(そして一年を通しての公式な「記録」には残らない)その時々の興奮とか感動を忘れてはいけないな、と思った次第である。

*1:最優秀3歳牡馬部門で、ダービーの時点では鞍上の武豊騎手とともに圧倒的な支持を集めていたドウデュースに、僅か3票しか入っていない、ということも含め、今年は凱旋門賞に挑んだ馬たちにはあまりに厳しい結果発表だったと思うので・・・。

*2:k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

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