ちょっとした感慨。

久しぶりにジュンク堂に行ったら、
「知的財産法のエンサイクロペディア」こと、
田村善之先生の『知的財産法』の最新版が、
発売日*1に先駆けて知財本コーナーの一角を陣取っていた。


知的財産法

知的財産法


表紙のデザインはこれまでのものと変わらないのだが、
手に取ると明らかな違いが一つ。
なんと、この第4版から「ハードカバー」(上製カバー)になっている!


これは、あの菅野和夫先生の『労働法』が、
縦書きから横書きになった時以来の衝撃(笑)。


今から遡ること6年前、
諸般の事情により、必要に迫られて、
途方に暮れつつ立ち寄った紀伊国屋で選んだのが、
『知的財産法』の第2版。


その時点ではこの分野に関する前提知識など皆無に等しかった自分が*2
この本を手に取った理由は、
特実意商+著作権+不競法が一冊に集約されているお買い得感と、
後述する馴染みやすさゆえ、だったわけだが、
自分が、独禁法でも消費者法でも国際私法でもなく*3
知財法」の世界の一端をかじろうと思ったきっかけは、
まさに、この本に描かれていた知財法の世界の入り口の“面白さ”にあったわけで、
今、自分が知財法務などというヤクザな仕事を満喫できるのも*4
この本のおかげ、と言っても過言ではない。


じきに『概説』シリーズを買い揃えたこともあって、
その後『知的財産法』自体を参照することはほとんどなくなってしまったのだが、
手垢の付いた一冊は、今でも書棚に大事に備えている。


ゆえに、本屋の一角で、ちょっとした感慨を覚えた、
そんな土曜日の午後。


ちなみに、当時の自分にとっては、
ソフトカバー&横書きゆえの馴染みやすさ、というのも、
購入動機のひとつだったから*5
版を改め、今回「ハードカバー」へと“進化”を遂げたのを見て、
若干複雑な感情を抱いたりもしたのであるが、
同時に、版を重ねても、概説書、そして導入書としての本書の魅力には
何ら変わりはないだろうとも思っている。


この春、新たに知的財産法の世界に足を踏み入れる
多くの学生、院生の方々が、
この書を手に取ることを願って・・・。

*1:奥付によれば5月10日、有斐閣のサイトでは5月1日、いずれにしても早い。

*2:田村先生がこの世界では高名な先生であると知ったのはその後の話である。

*3:あの時、このあたりの概説書も一緒に買ったのだが、あえて選択したいと思うほどの魅力は感じなかった。後になって考えると買った本が「外れ」だったのも確かなのだが・・・。

*4:それが本人にとって良いことなのかどうかは、神のみぞ知る(笑)。

*5:最近は、鮮やかな装丁の概説書が書店の法律書コーナーを彩るようになってきているが、当時はまだ、概説書と言えば箱入り縦書きの重厚なつくりのものが主流であった。

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