“祭り”の終焉。

安部晋三首相は16日夜、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入するための労働基準法改正案について「現段階で国民の理解が得られているとは思わない。働く人たちの理解がなければうまくいかない。」と述べ、25日召集の通常国会への提出は困難との認識を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた」(2007年1月17日付け朝刊・第1面)

今の総理に、真の意味での改革を成し遂げるリーダーシップなど、もともと期待してはいないのであるが、それにしてもこれはひどい(苦笑)。


審議会の議論が終わって報告書が世に出たのが12月の末。報道は12月上旬くらいから先行していたとはいえ、それでもこの制度が「議論」されたのは、1ヶ月に満たない程度の期間でしかない。ゆえに、「現段階で国民の理解・・・」などとのたまうのは、戦う前から白旗を上げたに等しい所業であろう。


もともと、学者や一部コンサルの間でしか通用していなかった意味不明な横文字を制度のタイトルにつけて、「残業代ゼロ制度」なる珍解釈を生み出した責任は、法案を提出した事務方にもあるというのは否めないのだが、法案が現実化してからのここ1、2週間の政府・与党側の右往左往ぶりはそれ以上にひどい。これが選挙対策の一環、というのであれば、つくづく有権者も舐められたものである。


そして、結局一番割を食ったのは、“労働者保護”の名の下に、あいも変わらず時間に縛られる働き方を強いられるスタッフ部門のホワイトカラー。空しい。実に空しい・・・。

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