オススメの書籍2冊

不正競争防止法研究』

新しい法文集でも買おうかと、本屋の知財書籍コーナーを眺めていたら、


不正競争防止法研究―「権利侵害警告」と「営業秘密の保護」について

不正競争防止法研究―「権利侵害警告」と「営業秘密の保護」について


を発見。


日本弁理士会・中央知的財産研究所の報告書を元に刊行されたというこの書籍。前半に不正競争防止法2条1項14号(権利侵害警告と「虚偽告知」)をテーマとした論文、後半に「営業秘密の保護」をテーマとした論文が収められている。


店頭でパラパラめくった程度でコメントするのは気がひけるのだが、それでもあえて推そうと思ったのは、前半・後半とも、最近の裁判例を具体的に取り上げた検討・分析に多くの紙幅が割かれており、「資料集」としての価値が十分に高いように思えたからだ。


また、所収論文の中でも、特に後半部分については、

5.営業秘密の保護と競業避止義務(弁理士・弁護士 名越秀夫)
6.共同開発研究における営業秘密(弁理士 峯唯夫)
7.営業秘密の保有をめぐる従業者・会社間の法律関係(弁護士 林いづみ)

と、民事規定導入時、刑事罰導入時と折々で盛り上がっては一瞬で消えてしまうこの種のテーマについて、具体的事例に即した実践的な検討が試みられている、という点で、興味深いものがあった。


残念ながら筆者自身はまだ入手できていないのであるが*1、職場においておくと便利な一冊かもしれない、と思う。

『エンタテインメント契約法〔改訂版〕』

こちらは商事法務のサイトで知ったのだが、内藤先生の名著に早くも改訂版が出る、ということである(http://www.shojihomu.co.jp/newbooks/1422.html)。


エンタテインメント契約法

エンタテインメント契約法


目次を見ると、今回新たに加わるのは、

「ソフトローとしてのエンタテインメント契約法 ソフトローとは何か 典型契約という発送の是非 法律に契約慣行を取り込むことの是非 著作権譲渡恐怖症を超えて 裁判所による「業界にありがちな契約」の(あっさりとした)否定」

の章で、その他の部分についても、いくつか新しい事例が取り入れられているようである。


以前のエントリーでも触れたが、目次の見出しを眺めているだけでもわくわくするようなこの書籍。実務屋にとっては仕事の手引きとしても、読み物としても楽しめる一冊であるのは言うまでもない。


正直、初版からまだ3年しか経っていない時期の出版だけに、買い換えるかどうか悩むところなのだが、上記リンク先の「はしがき」にも如実に表れている内藤弁護士の熱い叫びを読むと、思わずまた一冊・・・という思いに駆られてしまうのも事実である。


何かと出費の多い新年度、会社で買うには贅沢(金額面でも内容面でも・・・)だが、個人的には入手したい、という本の何と多いことか・・・。


いつの日か、本を必要経費で落とせるような身分になれないものか、とつくづく願う、しがないサラリーマン約1名がここにいる。

*1:それなりの対価を支払って入手したところで、読むヒマなどないのはこれまでの経験に照らして明らかなだけに、迂闊には手が出せない・・・。

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