期せずして・・・

今年の初め、経団連が旗をふってた頃は、ほとんどの会社に見向きもされなかった「就職活動見直し」案だが*1、3月の大震災の余波もあり、今年は多くの会社で「6月以降採用活動開始」が実現することになってしまった。

「来春入社の新卒採用で、主要企業54社のうち事実上の内定となる「内々定」を出し終えたか、7月末までに出し終えるのは計約4割であることが日本経済新聞の「採用活動に関する緊急調査」で分かった。東日本大震災で多くの企業が選考時期を遅らせたことが響いた。」(日本経済新聞2011年7月24日付け朝刊・第1面)

年始に散々、「早い時期の採用活動」を否定していた日経紙が“響いた”などという否定的なトーンで記事を書いていることについては見ないふりをしておくとしても(笑)、期せずして“理想”に近いスケジュールで行われることになった今年の採用活動が、学生の日常や大学での講義・ゼミ等の充実にどの程度貢献したのか、というところまで掘り下げてくれないと、記事としては面白くない。

正直、今年に関しては、大学の講義自体が遅めに始まっているところも多いから、結局学生側の感覚としては例年とそんなに変わらないのかもしれないし、会社側とて皆足並みをそろえたわけではなかったので、4月から6月、そして現在に至るまで、就職戦線が超・長期化してしまっている学生も中にはいるのかもしれない。

だが、あれだけ効用を説かれていた「採用活動繰り下げ」という事態が現実のものとなった以上、その効果を一通り検証することには重要な意味があると思う。

個人的には、採用活動の開始が遅れた、からといって、今までよりも学生が真面目に学校に行くようになった、なんてことはないだろうし、そうなっていないことを期待しているのだけれど・・・(苦笑)。


ちなみに、3月期末の会社の法務の人間にしてみれば、株主総会を目前に控えたクソ忙しい時期に、恒例の“大量動員”で、いれば戦力になる若い衆をごっそりさらわれてしまう、というのが実に痛かったので、できれば来年は元に戻すか、あるいは思い切って7月以降に採用日程を落としてほしい、と思うところである。

まぁ、なるようにしかならないだろうけど。

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