毎年年末の恒例となっている日本経済新聞法務面の「企業法務・弁護士調査」*1。
肝心の調査の中身の方は、そんなに有意義なテーマも見当たらず*2、唯一目を引くのが、
「匿名加工情報を『活用する』と回答した企業がわずか5%」
というシュールなネタくらい*3。
そして、多くの読者が脇目も振らずに視線を移したであろう「企業が選ぶ弁護士ランキング」もまた、今年もほとんど波乱なし、という状況であった。
<企業法務分野>
1.中村直人(中村・角田・松本)19票
2.野村晋右(野村綜合)14票
2.沢口実(森・濱田松本)14票
4.太田洋(西村あさひ)13票
5.柳田一宏(柳田国際)10票
回答企業は189社と、2年前と比較してもさらに増えており、その影響か、掲載されるためのボーダーラインが「2桁」票まで引き上げられている、という変化はあるものの、上位陣の顔ぶれはここ数年ほとんど変わっていないし、トップの中村弁護士にすら総回答企業の1割しか票が入っていない、という状況も変わらず、である。
どんなに中身が薄くなっても、紅白歌合戦を見ると何となく安心して年を越せる日本人が多いのと同様に、このランキングを見ると安心して年を越せる、という企業関係者や弁護士が多いからこそ、この薄い企画が長年生き残っているのだと思うけど、そろそろいい加減、誰かが違う切り口でより客観的な「優れた弁護士」の評価を始めても良い頃ではないだろうか*4。
時代はもう大きく変わり始めているのだから。