「三連休」にも救われず。

年末年始、慌ただしく動いて新年が始まってしまっても、すぐに訪れる「三連休」で、(本当は年末年始のうちにしたかったことを)いろいろと片付けて帳尻を合わせる、というのは良くあるパターンで、今年もあわよくば・・・と思ってはみたものの、結局消化不良のまま終えようとしている。

こうなると、ここから先は、またしばらく休みらしい休みもない、ノンストップ急行の強行軍。

以前なら、このあたりでまとめ読みした本の感想を書いたり、気になっていた裁判例の軽い評釈を適当にバックデートしながら書いてみたり、年末から続いてきた諸々のスポーツイベントにコメントしてみたり・・・なんてこともできたのだけれど、今年はそれすらも厳しい。

まぁ、昨年の時点からある程度は覚悟していたこととはいえ、こうなってくると何のために仕事してるんだ自分、という気にもなるわけで、いろんなものに追われ続けることの限界を意識しつつ、立ち止まるポイントもそろそろ考え始めないといけないなーと思い始めたところだったりもする*1

ということで、まずは明日から(自分だけでも)景気の良い相場になることを期待しつつ、手持ちの仕事のリリースに全力を注がねば、と思っているところである(頑張れ今夜のニューヨーク市場・・・)。

*1:そうはいっても寝て起きればまた明日は来るし、それを365日繰り返せば、再び来年の正月過ぎの三連休、というところにあっという間に辿り着くことになるのではあるが。

まだまだ続いてほしい神話の世界。

まさか競馬中継の中で新年早々「SDGs」という言葉を聞くことになるとは思わなかったが・・・。

news.yahoo.co.jp

開幕週&今年最初の3歳重賞であっさり勝ち星を挙げて、重賞350勝&37年連続重賞勝利、という、もはや未来永劫塗り替えられることはないのでは・・・というような記録を打ち立てた武豊騎手。

御年53歳の武豊騎手が、「持続可能性」という点ではまさにお手本のような息の長い活躍を続けていることは間違いないのだが、彼の騎手生活が持続すればするほど、後を追う騎手たちにとっては到底届きようもない「山」となってしまうわけで、まさに同時代を追いかけてきた自分たちのようなファンにしてみれば「一日でも長く」ということになるのだが、長い目で見た時に競馬界にとってそれがハッピーなことなのかどうか、というと何とも言えないところはある。

仮に、これからデビューする騎手が今の武豊騎手の記録を塗り替えることがあったとしても、その時に自分が生きてその場面を見ることができる可能性は限りなく低い。それくらい「37年」という歳月は重いから。

そしてもう一つ、強調すべきなのは、このシンザン記念武豊騎手に重賞勝ちをプレゼントした3歳牝馬ライトクオンタムは、最終世代のディープインパクト産駒である。

国内で僅か6頭しか登録されていない「最終世代」の1頭がデビューから2連勝を飾り、かつ、牡馬を相手に鬼のような脚で差し切ってクラシック戦線に名乗りを上げる・・・。

今から出来すぎたドラマのようなストーリーを想像するのは流石に時期尚早なのは分かってはいるが、それでも一つや二つ、夢を見てもいいじゃないか、と思えた一年のスタート。

とうに人生折り返し地点を過ぎた者としては、もう二度と見ることのできない「神話」なら徹底的に凄いものを!と切実に願うのである。

「順当勝ち」という奇跡のドラマ

今シーズン、大学駅伝界でずっと強い強いと言われ続け、「三冠」にリーチをかけていた駒澤大学

出雲駅伝は大会新記録で圧勝。全日本大学駅伝も最後は独走で大会三連覇、とほぼ完璧に近い歩みを続けてきたものの「箱根」だけは別物

エントリーする全ての選手に20キロ以上フルスピードで走り切る走力が求められ、コース適性が問われる山登り、山下りという特殊区間も存在する。

区間の距離が長い分、元々力がある選手でも、少しでもアクシデントに見舞われれば他校の普通のコンディションの選手たちに容赦なく引き離される。
それゆえ勝つためには、一定以上の走力を備え、かつ、コンディションも整った選手をむらなく配置することが求められる、ということになるが、これは言うは易し行うは難し。

往路・復路合わせて「10」という区間数の多さが綻びを生じさせる元となって、これまで何度となくアナウンサーを絶叫させる「波乱」が引き起こされたことは、今更説明するまでもないし、現に、駒澤大学自体、リーチをかけた過去2回(1998年度、2013年度)、いずれも箱根で他校に優勝を攫われて「三冠」を逃す、という悲哀を世代を超えて味わい続けた歴史もあった。

だが、終わってみれば、往路で30秒差をつけて19年ぶりの優勝。

そして、復路は6区で1年生の区間賞に始まり、それ以降の区間でも後続に影をも踏まさぬ逃走劇で、最後は2位・中大に1分41秒差、3位以下の学校に至っては実に7分以上の「大佐」を付ける圧勝劇で堂々の完全優勝を飾ることとなった。

個人的なことを言えば、今年は(比較的順位変動要素も多かった)往路の映像をLIVEで全く見ておらず、復路も寝坊した結果、勝敗決した7区以降の映像しか見ることができなかったので、

「これまでに一、二を争うくらいつまらない展開の箱根駅伝

というのが率直な感想だったりもする。

ただ、この「箱根駅伝」というイベントが、テレビ局が創るエンターテインメントではなく、立派なスポーツ競技会である以上、選手たちの実力が競技結果にストレートに反映されるならそれにこしたことはないわけで、ここ数年の傾向*1に違わず、実力のあるチームがきっちり実力を示して勝った今年の大会は、スポーツイベントとしてはまさに「完成形」だった、ということができるだろうし、「一切の波乱を封じた」という優勝校の「快挙」が、30年近くチームを引っ張ってきた指導者(大八木弘明監督)から自分と同世代の指導者(藤田敦史ヘッドコーチ)に名実ともにバトンタッチするタイミングで成し遂げられた、ということだけでドラマ的要素としては十分だった。

栄光の時代のエースランナーとしての看板を引っ提げ、母校にコーチとして招かれながら、5年前にはまさかのシード落ちという事態を招いてしまった藤田氏の当時の心境は如何ばかりだったか。

ここ数年、青山学院大学を筆頭に、創価大学東京国際大学、と次々と大学駅伝の地図を塗り替えようとする新興勢力が登場する中で、「過去の学校」になってしまった名門校も決して少なくないし、名門・駒澤大学ですら一歩間違えばそうなる可能性がなかったとは言えない。

だが、そこで踏ん張り返し、2年前の「13年ぶり」の王座奪還、そして、遂に自らが達成できなかった「三冠」の悲願を四半世紀越しに実現させるところにまでチームを引き上げて、恩師を気持ちよく勇退させる・・・。

一見すると、出来すぎたドラマのようなストーリーに見えるが、その裏側に何があったか、ということを想像するだけで、とてつもない震えに襲われる。

今年に関して言えば、2位に入った中央大学も、藤原正和監督が就任1年目(2016年度)に「予選会落ち」というどん底を味わって、そこから再び這い上がってきた名門チームだし、ここ数年、不安定な戦いが続いていた早稲田大学順天堂大学といった古豪もシード権確保に成功、一時はシード権確保が危ぶまれた東洋大学も何とか終盤の逆転で10位に滑り込んだ*2

来年は、いよいよ「第100回」という壮絶な節目の年だけに、盛り上げようとする側にとっても「これで役者が揃う」と安堵したところはあるのかもしれないが、一年経つとまたガラリとチームが変わってしまうのが学生スポーツの運命でもある。

今年名を上げた(指導者としては)まだまだこれから、の監督たちが、第99回の成功体験をよりグレードアップさせて記念大会でチームを輝かせることができるのか?

自分も選手以上にマネジメントの方が気になる世代になってしまっていることもあり、これからの一年、また違う角度から見ていければ、と思っているところである。

*1:昨年のエントリー(理想形にまた一歩近づいた箱根路。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~)も参照のこと。

*2:その一方で4年前の優勝校である東海大学は2年連続でシード落ちし、優勝経験のある日体大山梨学院大、大東文化大といったチームたちも依然としてシード権からは遠い状況が続いているのだが・・・。

混沌の先にあるもの。

またいつものように新しい年がやってきた。

さすがに50回近く、世に出てからも四半世紀にわたって同じイベントを繰り返していると感慨も薄れて様々なものがルーティン化してくるのだが、そうはいっても多少は気持ちをリセットして今年の展望を・・・と、日経新聞恒例の「占い」面を眺めた途端にガクッと来た。

「経営者が占う2023年」*1

元々「当たらない」のが定番になっているこの企画だが、新型コロナ禍が始まってからのここ数年、特に昨年に関して言えば、「まさかウクライナで戦争が始まるとは・・・」とか「まさか最後の最後で中国がゼロコロナでやらかすとは・・・」といった、誰もが予測できない事態が頻発したのは確かなので、多少の読み違いは仕方ない。

ただ今年に関しては、政治情勢から金融政策、物価動向等々、昨年暮れから今年につながる様々なリスク要因が既に顕出していて、どう楽観的なシナリオを描いても相当の覚悟はいるだろうな・・・というのが素人目にも明らかな状況。

それなのに、経営者20人中19名が日経平均の高値を30,000円超で予測するとは・・・。*2

この企画では、昨年も日経平均高値35,000円を予測した2名を筆頭に「32,000円以上」が大勢を占める、という大インフレ現象が起きていたのだが*3、それはあくまで「31年ぶり」「32年ぶり」といった高値更新のニュースに湧いていた2021年末の空気を踏まえてのこと。逆に、4年ぶりに下落トレンドで大納会を迎え、現時点ではそこから大きく浮上するような確たる材料もない22年末の状況で「高値30,000円」というのは、たとえ「初夢」だとしても夢を見すぎている気がする*4

おそらく今年これから起きるのは、騒がれているほどには上がらない物価と、予想をはるかに超えるペースでの金利上昇に円高基調の定着。

インフレ下での売り上げ増に期待して賃金コストを引き上げた会社は、中国発の世界不況に巻き込まれて軒並みP/Lを悪化させ、「ポスト・コロナ特需」で恩恵を受ける一部の業種(百貨店、航空等)を除けば、”コロナ景気”で蓄えた利益を全て吐き出す逆回転現象・・・。

どこかで軌道修正は図られるとしても、世界経済がひとたび悪いサイクルに入るとそう簡単には抜けられない、というのは、これまでの時代を生きてきた者なら散々経験していることで、少なくとも2023年いっぱいはそんなに景気の良い話を聞くことはないだろうな、と自分は思っている。

もちろん、世の中の景気は悪くても、逆風を付いて伸びるビジネスは必ず一つや二つは存在するものだし、むしろ競合企業がふるい落とされる逆風下こそ好機、と捉えて自社のポジションを強化しにいくくらいでないと、その次に来る時代の主役にはなれない。

そして大口であれ小口であれ、投資をする側としても、そういった地殻変動を見越して布石を打つには、皆が後ろ向きな感情に襲われている時の方がちょうどよかったりもする。

ただ、じわじわと衰え行くこの国の中から、そんな希望の光を放つプレーヤーが果たして現れるのか?

おそらく、ここからの一年、これまで以上に難しい”選択”、”選別”を強いられる機会は多くなるのは間違いないだろうけど、それすらも楽しめるような心の余裕は常に持ち続けていたい、と思っているところである。

*1:日本経済新聞2023年1月1日付朝刊・第31面

*2:ちなみに唯一、高値28,000円、安値22,000円という厳しめの予想をしているのは日本電産の小部博志社長。昨年、堅めの予想で”ニアピン”となったのがニトリHDの似鳥会長だったこととも合わせて眺めると、本当にサバイバルしてきた会社の経営者はやはり一味違うな、という思いを抱かせてくれる。

*3:www.nikkei.com

*4:おそらく、アンケートの回答者が「予想」を出した時点では、12月の唐突な日銀の政策転換とそれに伴う急落は織り込まれていなかった可能性も高いので、その分は割り引く必要はあるだろうが、それにしても・・・である。

2022年12月&通年のまとめ

日本では一年の終わり、といっても、今年に関しては、久しぶりに国境を跨いで過ごす休暇のど真ん中、という状況でしかなかったりするので、まとめも淡々と。

12月のページビューは11,000超、セッションは8,000弱、ユーザー5,000弱。

最後の数日で少し時間ができたら、気になっていた法律雑誌の記事をピックアップしてみようか、とか、今年読んだ本の感想でも書いてみようか、といったことも考えてはいたのだが、年を経るごとに短くなるのが「年末」で、気付いたときにはそんな隙間時間は一瞬で吹き飛んでしまっていた。

結果的に、年間ベースでもエントリー件数が4年ぶりの低水準に落ち着いたこともあって、ページビューは約15万くらい、といったところ。
まぁこの辺は仕方ないかな、と思っている。

<ユーザー別市区町村(12月)>
1.→ 大阪市 350
2.→ 千代田区 295
3.→ 港区 201
4.→ 横浜市 127
5.圏外神戸市 109
6.↓ 名古屋市 101
7.↓ 新宿区 97
7.↑ 渋谷区 97
9.↓ 世田谷区 94
10.↓ 福岡市 89

<ユーザー市区町村(通年)>
1.↑ 大阪市 4272
2.↑ 渋谷区 2820
3.↑ 千代田区 2621
4.↓ 横浜市 2588
5.↓ 港区 2446
6.↓ 新宿区 1687
7.↓ 名古屋市 1416
8.→ 中央区 1,062
9.↓ 世田谷区 1,027
10.圏外札幌市 882

こうして、渋谷区、千代田区といったあたりが通年ベースで復権しているのをみると、やはり22年は、世の中が着々と「ポスト・コロナ」に向かった一年だったな、という総括になるだろうか*1

昨年末、266,591歩/月くらいで「久しぶり!」と言っていた歩数は、一年通じてこのペースに戻り、今年の12月末では(若干特殊要素はあるとはいえ)322,927歩(日平均10,000歩超)まで伸びているから、もう”コロナ前”云々で語れるような次元も、自分の中ではとうに超えている。

次いで検索アナリティクス。

<検索アナリティクス(12月分) 合計クリック数 2,434回>
1.↑ シャルマントサック 裁判 111
2.↓ 企業法務戦士 109
3.↑ 学研のおばちゃん 38
4.圏外知恵を出さないやつは助けないぞ 38
5.→ 学研のおばちゃん 現在 36
6.圏外倉橋雄作 高校 25
7.↑ 東急グループ 序列 22
8.圏外アドマイヤムーン事件 18
9.↓ フェアな競争 17
10.圏外知恵を出さないやつは助けない 17

ここでは倉橋先生のお名前がこれで3年連続、12月に検索ランキングに登場する、という椿事・・・。

<検索アナリティクス(通年)合計クリック数 2.23万回>
1.→ 企業法務戦士 1,626
2.圏外シャルマントサック 裁判 718
3.圏外学研のおばちゃん 現在 216
4.圏外東急グループ 序列 181
5.→ 取扱説明書 著作権 152
6.圏外CRフィーバー 大ヤマト事件 141
7.圏外インナートリップ 霊友会 140
8.↓ 企業法務 ブログ 132
9.圏外学研のおばちゃん 126
10.↓ 法務 ブログ 124

通年のランキングでは、検索ルートでの来訪者数が昨年比で大幅に増えている、という点と、「取扱説明書の著作権」のニーズが根強いことが印象的。

そして、2022年12月のアクティビティの中では、年内最後に書いた↓の記事が最多インプレッションだった(インプレッション数2,946)。
k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

Twitterの12月末時点のフォロワー数は4,242。ブログを補うような形で伸びてきたこちらの数字も、ここに来て顕著な伸び悩み、ということで、いろんなところで頭打ち感は出てきているところではあるが、草創期からSNSに関わっているものとしては、もうひと踏ん張りしたいところ。

来年からまた新しい趣向を打ち出せるように、ちょっと頭を巡らせてみようかと思っているところである。

*1:アクセス元が把握できない流入も増加の一途だけに、このデータを意味のあるデータとして使えなくなる日もそう遠くないのかもしれないが。

遂に歴史は動いた、のか?

年末の”いじりネタ”として定着して久しい日経新聞「企業法務税務・弁護士調査」

昨年は企画の名称が変わって仕切り直し、となったものの、中村直人弁護士が「企業が選ぶ弁護士ランキング」の首位、という予定調和的結末に変わりはなく、長年の一ファンとしては大いに安堵したものだった*1

だが今年、そんな「企業法務全般(会社法)」のカテゴリーで遂に大きな順位変動が起きた。

日本経済新聞は19日、2022年の企業法務税務・弁護士調査の結果をまとめた。22年に活躍した弁護士を主要企業の法務担当者に聞いたところ、企業法務(会社法)分野で太田洋弁護士が初めて首位になった。」(日本経済新聞2022年12月19日付朝刊・第15面、強調筆者、以下同じ。)

長年、わが国の最大手の事務所で看板弁護士として活躍され、特にここ数年はアクティビストとの戦いで名を上げられていたことを考えると、太田洋弁護士がトップに立った、という結果にも全く違和感はなく、むしろ遅きに失した、と言えるくらいではないかと思う。

ただ、和田アキ子がトリで「あの鐘を~」と歌わなくなってから紅白歌合戦が迷走を深めたように、他にどんなに”旬”なヒトがいても、やっぱり締めるのはこの人でないと・・・というのは、どんな世界でもよくあること。

特にこの企画に関して言えば、「権威あるランキングでトップだから中村直人先生は凄い!」というよりもむしろ、中村直人先生がトップにいるからあのランキングは(いろいろ揶揄されても)まぁある程度信頼はできる」というのが、企業法務界隈の”内側”の素朴な声だったりもしたから、これから果たしてこの企画はどうなってしまうのだろう・・・というのが、現時点での率直な感想である*2

<企業法務全般(会社法)>
1.太田洋(西村あさひ)18票
2.倉橋雄作(中村・角田・松本)13票
3.中村直人(中村・角田・松本)12票
4.柳田一宏(柳田国際)11票
5.野村晋右(野村綜合)10票
5.武井一浩(西村あさひ)10票

なお、今年も昨年同様、企画を2週にまたがってじっくり消化する、という日経紙&電子版の連動企画に乗っかって、エントリーを上げるタイミングを随分と引っ張ってしまったが、その過程で思ったのは、(今に始まったことではないが)企業法務の世界で「分野」を殊更に細分化してランク付けすることに、どれだけの意味があるのかなぁ・・・ということ。

大学での講義や、机上のテスト問題ならともかく、現実に企業法務担当者が直面する問題のほとんどは分野を超えて様々な問題が絡み合っている代物だし、そこでわざわざ”縦割り”にした検討&アウトプットしかなされないのだとすれば、事務所側はともかく、企業側にとってはほとんどメリットがない*3

もちろん、特定の分野で優れた実績を残されている弁護士に光を当てる、という点では一応の意味はあるとしても、それとは別に、分野を超えて「企業法務」の相談をする場合にもっとも頼りになるのは誰か?という観点から「総合」のランキングがあってもよいのではないか、というのが自分の意見である。

前年に引き続き視点を変えたランキングとして行われた、「企業が『頼りがいがあると思う』法律事務所」の部門で、昨年まさかの「トップ3漏れ」だった長島・大野・常松法律事務所が見事に巻き返して首位にたった、というドラマティックな出来事もあれば、「法務に強い企業」改め「法務力が高い企業」の部門で*4「社内弁護士が多い」という自分から見たら何の裏付けにもならない理由*5で票を入れた弁護士がいることに唖然とさせられたり・・・と、今年もいろいろ書きたいネタ、突っ込みたいネタはあったが、その辺は適度に切り上げ、最後は今年も年末に興味深い素材を投下していただいた日経法務面の関係者の皆様に感謝しつつ、本エントリーを終わらせることにしたい。

*1:昨年の状況については、k-houmu-sensi2005.hatenablog.com参照。

*2:もちろん、この先10年、太田洋先生や倉橋先生が新たな”レジェンド”として君臨することになれば、またこの企画にも違う色合いが出てくる、ということになるのだろうが、しばらくは「初めてMISIAが紅白でトリを務めている姿を見た時の違和感」と同じような何か、が胸に残るような気がする。MISIAが本邦屈指の歌い手であることに何ら疑いの余地はないが、それとこれとは・・・という話なのである。

*3:現実には、様々な専門分野の知見を統合して「今、まさに会社がとるべき対応」に的確な解を示すコーディネーター的存在の弁護士がいるからこそ「企業法務」が回っているわけで、それができる弁護士、法律事務所にスポットを当てて初めて「企業法務税務調査」として意義のあるランキングになるのではないか、と自分は思っている。

*4:そもそも「法務力」ってなんじゃい!と日本中の法務担当者が突っ込んだであろうことは容易に想像がつくところだが・・・。

*5:ある程度のレベルまでは、弁護士の数がその会社の「法務」の力につながるところもあるだろうが、一定数を超えてくるとそれに比例して「力」が上がるどころか、むしろ弱める方に働く場合もあるので、これを理由に挙げるのはどうなのかなぁ・・・というのが率直な思いである。

素敵なクリスマスプレゼント

今年はクリスマスのカレンダーと開催日程がぴったり重なった中央競馬

そして、年末のビッグイベント・有馬記念は、クリスマス当日に開催という実に粋なレースとなった。

伝統的な傾向からし菊花賞勝馬が強く、ジャパンカップ組は苦戦するレースだ、ということは多くのファンが認識していたことだし、ここ数年の実績から、天皇賞からの直行組がとにかく強い、ということも明白だから、馬券的にはそこまで難しくないレースだったはずなのだが、それでも迷いが生じたのは、今年に関しては菊花賞馬(アスクビクターモア)が出走していなかったからで、タイトルホルダー、ディープボンド、といった凱旋門賞組の存在も、馬券の取捨選択を難しくした。

結果的に、昨年からの流れでこれは絶対に来る、と迷いなく指名できたのはイクイノックスくらいで、それ以外は凱旋門賞帰りのタイトルホルダーか、それとも菊花賞2,3着組か、はたまた今年は鳴りを潜めていた昨年の覇者・エフフォーリアか・・・と迷いに迷った末に開かれたゲート。

そして、そこから始まったレースは、「クリスマス」にふさわしい実にドラマティックなものとなった。

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