独禁

公取委の“パフォーマンス”を憂う。

日経新聞夕刊の「ニュースの理由(わけ)」というコラムで、セブンイレブンに対する公取委の排除命令の話題が取り上げられている*1。 内容としては、 「加盟店が売れ残り弁当を値引きして見切り販売することを同社が制限したことについて、公取委がこうした…

セブン・イレブン排除勧告にみるコンビニ業界の未来

あちこちで話題になっているので、いまさら紹介するまでもないような気もするのだが、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンに対する排除措置命令(平成21年6月22日付)について。 公取委のプレスリリースによると、命令主文は以下のようになっている。 1 株式…

「排除型独占」新指針(案)

独占禁止法改正(「排除型私的独占」類型を課徴金対象とする云々)を受けて、公正取引委員会が新たな指針案を公表した。名付けて「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」(http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.june/09061902.pdf)。 ご多分にもれず…

実務の声

4日付のエントリーで紹介した独禁法改正について、衆議院経済産業委員会の会議録に、経団連を代表して出席した参考人(斎藤憲道・日本経団連競争法部会長代行)の次のような発言(要望)が記載されていた。 第一は、法律の運用基準の明確化のお願いです。 今…

改正独占禁止法成立

一昨年あたりから二転三転したあげく、ようやく成立した模様。 「談合やカルテル行為への罰則強化などを盛り込んだ独占禁止法改正案が3日の参院本会議で自民、民主、公明各党などの賛成多数で可決、成立した。新たに不当な安値で販売を続ける「不当廉売」な…

「包括的利用許諾契約」は悪か?

ちょうど1年ほど前にも話題にしていたネタだが*1、ついに公取委が強権発動に向けて動き出したようだ。 「テレビ局など放送事業者向け音楽の著作権管理事業を巡り、同業他社の新規参入を阻害しているとして、公正取引委員会は24日、日本音楽著作権協会(JASRA…

結局は先送り

年頭に「審判制度廃止か!?」というアドバルーンを打ち上げておきながら*1、結局、元サヤに戻る形で法案化されそうな気配である。 「自民党独占禁止法調査会(独禁調)は12日、課徴金の適用範囲の拡大などを盛り込んだ独占禁止法の改正案を了承した。独禁法…

遅きに失した軌道修正

先の国会で改正案が葬り去られたことに懲りたのか、公正取引委員会が評判の悪い審判制度に関し、大幅に譲歩する模様である。 「公正取引委員会は独占禁止法違反で下した行政処分の是非を公取委自らが判断する審判制度を見直す方針を固めた。(略)。公取委は…

公取委委員差し替えの衝撃。

長らく続いているねじれ国会のせいで、対象者の適性如何にかかわらず、同意を得られずに宙に浮いてしまった人事が数多くあるのだが、「出す前に差し替え」となってしまうと、事態はより深刻だ。 「河村建夫官房長官は21日の閣議後の記者会見で、政府が公正取…

“うっかりミス”では片付けられない問題

法務担当者として、非常に驚かされたニュースがある。 「全日空は2日、6月9日から受け付けたキャンペーンの景品の往復航空券が、景品表示法が定める上限価格を超える可能性があり、景品をさしかえた上でキャンペーン登録者におわびすると発表した。同社は先…

独禁法改正案閣議決定

いよいよ正式に閣議決定、国会提出のはこびとなった独占禁止法等改正案。 「審判制度改正とセットで」という経済界のお願いもむなしく、大幅な制裁強化が先行する展開となった。 法案の概要は、公正取引委員会のサイトに掲載されているが*1、「法律案要綱」…

欧州委員会の暴走

最近は少々デカイ制裁金のニュースが出てきても驚かなくないのだが、相手がマイクロソフトとなると、さらに桁一つ違ってくる。 「欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、米マイクロソフトのEU独占禁止法違反問題で、同社に8億9900万ユーロ(約1440億円)の追加…

公取委・不服審判制度廃止の「英断」?

今年行われるであろう法改正の中でもっとも注目される独禁法改正だが、驚くべきことに、公取委が不服審判制度廃止の方向で動くらしい。 「公正取引委員会は、独占禁止法違反の行政処分の是非を公取委自らが判断する審判制度を大幅に見直す方針を固めた。談合…

責任の取り方。

業務用ビデオテープの販売をめぐって欧州委員会から厳しいペナルティを食らってしまった“世界のソニー”。 そのプレスリリースがなかなかふるっている。 (http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200711/07-131/index.html) ソニー株式会社、Sony Franc…

便利な一冊

これまで、あったようで(気軽に手に入るものは)なかったなぁ・・・と思うのがこれ。 独禁法基本法令作者: 白石忠志出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 独禁法関係の法令やガイドラ…

誰のための独禁法なのか?

前々から話題になっていた、独占禁止法改正に向けての公正取引委員会の基本方針が発表された。 プレスリリースの内容は、極めてシンプルなものであるが*1、単なる規制強化にとどまらず、訴訟法上の論点(不当表示に対する団体訴訟の導入、文書提出命令制度な…

ちょっとしたフォロー

以前、本ブログでちょこっと紹介した「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」だが*1、意見募集手続を終え、平成19年9月28日付けで正式に公表されている。 (http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.september/07092803.pdf) いつものことながら、そん…

欧州の思想

マイクロソフトが「Windows」の独占的地位を濫用した、として、欧州委員会が是正措置を発令した問題で、欧州司法裁判所の第一審が欧州委員会を支持する判断を下した。 欧州委のクルス委員(競争政策担当)などは、 「ソフトウェアで消費者の選択の幅を広げる…

間もなく締め切りのパブコメ

プレスリリースがあったのははや1ヶ月以上の前の話なのだが、しばらく放置している間にパブコメの締め切りが目前(6月7日(木))に迫っている公正取引委員会「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」(原案)(平成19年4月27日付、http://www.jftc.go.…

量販店は優越的地位にあるのか?

先日ヤマダ電機に入った立ち入り検査が利いたのか、ヨドバシカメラがメーカー派遣従業員の受け入れ態勢見直しを決めたそうである。 「大手家電量販店が店頭で働くメーカーからの派遣従業員「ヘルパー」の受け入れ体制を見直し始めた。ヨドバシカメラは今後2…

自由競争の果て・・・

「18日午前5時25分ごろ、大阪府吹田市津雲台7の大阪中央環状線で、スキー客25人を乗せた大型観光バスが、道路左側の側道にあった分離帯に接触、はずみで斜め右側のモノレールの橋脚に衝突した。アルバイト添乗員の小池唯史さん(16)=長野県大町市=が全身…

ニッポンは広かった〜郵政公社の誤算

完全民営化に向け、あの手この手で攻勢を仕掛けている郵政公社が、公取委の餌食となった事例。 「日本郵政公社が北海道で配布した郵便小包「ゆうパック」のパンフレットに、全国の大部分の地域に翌日配達できるかのように誇大な表示をしたのは景品表示法違反…

見出しの怪〜『ソフトウェアに独禁法規制』

天下の日本経済新聞が何てアホな見出しつけるんだ、 と思った2006年12月26日付朝刊第1面。 リード文には次のようなことが書いてある。 「公正取引委員会はソフトウェアに関する独占禁止法上のルールを新たに制定する。高い市場占有率(シェア)を持つソフト…

橋梁談合に罰金最高6億4000万円

「国や旧日本道路公団が発注した鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)罪に問われた横河ブリッジや川田工業などメーカー計23社と8被告の判決公判が10日、東京高裁であった。高橋省吾裁判長は「極めて大規模な入…

ああ北海道新聞・・・。

これまた、どこに互譲の精神があるのか、 全く見えてこない結末。 「函館新聞社」(北海道函館市)が新規参入を妨害され損害を被ったとして、北海道新聞社(道新、札幌市)に約12億7000万円の損害賠償を求めた訴訟で、道新側が和解金2億2000万円を支払うこと…

新刊書籍

先日商事法務から出された本が店頭に並んでいたので、 パラパラと手に取ってみたのだが、 内容の割にはリーズナブルな気がした。独占禁止法の争訟実務―違反被疑事件への対応作者: 白石忠志,西村ときわ法律事務所,長島大野常松法律事務所出版社/メーカー: 商…

課徴金減免第1号。

以前にも触れた、リーニエンシールールの初適用を巡る事案の続報。 (前回の記事はhttp://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20060811/1155250297) 「旧首都高速道路公団(現首都高速道路)などが発注したトンネル用換気設備工事を巡る談合事件で、公正取引委員会は…

リーニエンシー・ルール初適用

第1号が出るのは時間の問題、と囁かれていたが、 ようやくでた。 「旧首都高速道路公団(現首都高速道路)などが発注したトンネル用換気設備工事を巡る談合で、公正取引委員会は10日、談合を自主申告した三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業の三社に対…

素朴な疑問

鋼鉄製水門工事をめぐる独禁法違反の疑いで、 公正取引委員会が立入検査に入った、というニュースが大々的に流れている。 そして、その中で、 「談合「自首」減免を初適用」 という情報が半ば確定的な“事実”として語られている*1。 どこが自首したんだろうか…

「課徴金減免制度」と法務担当者の苦悩

NBL誌において825号から連載されている 「独占禁止法実務研究会」の考察を毎回興味深く読んでいる。 この連載、西村ときわ法律事務所の川合弘造弁護士ら、 大手事務所の弁護士の先生方が連名で執筆されているものであるが、 特に「課徴金減免制度」をめぐるN…

google-site-verification: google1520a0cd8d7ac6e8.html