教育

大学入試改革、迷走の末に。

先日の「英語民間試験」問題に続き、「記述式」も消えた。 「2020年度に始まる大学入学共通テストで導入予定だった国語と数学の記述式問題について、萩生田光一文部科学相は17日、同年度の実施を見送ると表明した。50万人規模が受験する試験で、記述式の採点…

この道はいつか来た道。

“8月就活”の狂騒曲の余韻も未だ残っている中、朝令暮改とはまさにこのこと、と言わんばかりの記事が日経新聞の1面を飾っている。 「経団連は今年から導入した大学生の就職活動のルールをもう一度見直し、面接など企業による選考の解禁時期を8月から前倒し…

生々しく語られる就職戦線の混乱。

6月末頃に、自分の古い記憶も辿りながら、今年の就職活動の“荒れ模様”を皮肉るエントリーを書いたら*1、思いのほか反響があって、やはり、今の学生も、それを見守る人々も、皆、今年の無秩序状態に忸怩たる想いを抱いているのだなぁ・・・ということを改めて…

就職活動開始時期を繰り下げたら、こうなった。

就職活動に関して、“ほらね、やっぱり、言わんこっちゃない”と言いたくなるような話題が、最近報じられることが多くなった。いつもはひっそりと就職活動面や、教育面に掲載されることが多いネタなのだが、この日は、一気に「2面」にまで出てきている。 「就…

「極論」とどう向き合うか。

今年に入ってから、日経紙で、冨山和彦・経営共創基盤最高責任者(CEO)の「高等教育機関に関する問題提起」が度々取り上げられている。まず、1月19日付の「エコノフォーカス」で、「稼げる大卒 どう育てる」という見出しを掲げ、大卒者の人数増加と求人ニー…

歴史は繰り返す〜「法学部不人気」の報道に接して

ここ数年、景気の良い話をあまり聞かない「法曹」業界。 特に、供給される「ヒト」をめぐる問題は、現場レベルでも相当深刻なようで、司法試験受験者や法科大学院進学者だけでなく、その主たる供給源であるはずの「法学部を目指す学生」自体が減ってしまって…

第二次ベビーブーマーの複雑な心境

かつての隆盛を知る者としては、何だか切なくなるような記事が週末から新聞紙面をにぎわせている。 「大手予備校『代々木ゼミナール』を運営する学校法人高宮学園(東京・渋谷)は全国27カ所の校舎を7カ所に減らす方針を固めた。20カ所では2015年度以降の生…

予備試験をめぐる迷走と、今、考えるべきこと。

最近、「カラスの鳴かない日はあっても、法科大学院が叩かれているのを見かけない日はない」と言いたくなるくらい、現在の法曹養成制度に対する逆風が吹き荒れている。法科大学院の募集停止はもはや20例近くに達し、最近ではベタ記事にすらなるかならないか…

“Gショック”も今は昔。

ここ数年、季節の風物詩のように繰り返し報じられる「法科大学院募集停止」のニュース。今度は、大阪学院大学である。 「大阪学院大(大阪府吹田市)は、法科大学院の2014年度以降の入学者を募集しないことを決めた。3日午後、記者会見して発表する。文部科…

東大に“推薦入試”を導入することの意味。

「秋入学」等々、浜田純一学長の下で、あっと驚くような新機軸をいろいろと打ち出している東大が、今度は、「一般推薦入試」を導入する、と発表した。 「東京大は15日、2016年度入試から2次試験の後期日程を廃止し、一般推薦入試を導入すると発表した。計100…

“就職活動さらに繰り下げ”論の愚かさ。

毎年、この時期になると、“就職活動”の是非をめぐる議論が湧き立つものだが、そんな中、日経紙に驚くべき記事が載っていた。 「政府は企業による大学生の採用活動の解禁時期を遅らせ、大学4年生の4月にするよう経済界に検討を促す方針を固めた。現在の大学3…

残念過ぎるニュース。

ここ数年、景気の悪い話しか聞かない法科大学院だが、まだ一つ残念なニュースが飛び込んできた。 「東北学院大(仙台市)は7日、法科大学院の2014年度以降の学生募集を停止すると発表した。全国的な法科大学院への進学希望者の減少などを受け、近年は入学者…

“眞紀子クライシス”を振り返る。

11月2日、田中眞紀子文科相の「認可しない」発言で、上へ下への大騒ぎとなっていた「3大学設置認可問題」は、結局、大学設置・学校法人審議会の答申通り3大学の設置を認可する、という形で決着を見ることになった。大臣の発言が二転三転した末に、振り出しに…

“群れない美徳”を忘れるなかれ。

最近、いろいろと変な動きを目にして気になってはいたのだが、やっぱり・・・と言いたくなるような、(OBとしては)衝撃的な記事が日経紙に掲載された*1。見出しは、 「結束強める東大卒」 まぁ、個人的には、(笑)を10個くらい付けてもいいですか・・・っ…

撤退ドミノを食い止める手立てはどこに・・・?

既にこのブログでも紹介してきた姫路独協大法科大学院*1や、その後の大宮法科大学院に続き、明治学院大学の法科大学院も募集を停止する、というニュースが先週飛び込んできた。最初から「バブルが去れば厳しいだろう」と思われていた姫独や、桐蔭横浜との統…

アンチ・ギャップターム

東大が華々しく「秋入学」を打ち出した報に接してから、ずっともやもやした気持ちを抱いていたのだが、↓のニュースを見て、ようやく少しすっきりした気分になった。 「東京大学が全面移行を検討している秋入学について、一橋大学が入学時期を春のままにしな…

遺憾な評価。

東京にいながらしてアクセスできる、数少ない(というか唯一の)“社会科学系GCOE”として、個人的にお世話になっているのが、早稲田大学のプログラム(「成熟市民社会型企業法制の創造」)なのだが、拠点リーダーである上村達男教授名でメルマガ登録者向けに…

近頃不思議に思うこと。

昨年の後半くらいから、いろいろとネタが上がっていた「新卒就職活動見直し」について、経団連がようやく方針を決めたようだ。 「日本経団連は12日、大学新卒者の就職活動の見直しを会員企業に要請すると発表した。2013年4月の入社予定者から対応を改め、会…

新卒採用をめぐるパフォーマンス

最近、大学新卒者の採用活動の時期をめぐる議論がいろいろと喧しいなぁ、と思っていたら、遂に商社の業界団体が“画期的な(?)”パフォーマンスに走った。 「商社の業界団体である日本貿易会は17日、大学新卒者の採用活動の開始時期を現在より4ヶ月程度遅ら…

何が楽しくて夏に・・・?

数日前の日経紙面に、「大手商社が採用活動時期を8月ごろに遅らせる」という方針が掲載されたのは記憶に新しいところだが、今日の月曜版・12面(「働く」面)でもこの話題が取り上げられている。「学生の本分である勉学の妨げになる」とか「目先の就職活動に…

これは他山の石か・・・?

28日の朝刊に「改革骨子」が報道されてから、そんなに日も経っていなかったのに、あっという間に正式発表となった公認会計士制度改革。 「金融庁は30日、公認会計士制度改革に関する中間報告書の中で、公認会計士の前段階に企業財務の専門家と位置付ける新資…

早大次期総長に鎌田薫教授

日経紙にちょこっと載っていたニュース。 「早稲田大は15日、11月に任期満了となる白井克彦総長の後任に、法学学術院の鎌田薫教授(62)を選出した。任期は4年間。鎌田教授は早大出身で専攻は民法。1983年に早大教授に就任し、法制審議会の民法(債権関係)…

“生き残り”といえば・・・

ついで、というと何だが、教育産業界における競争の厳しさを物語るような記事が載っていたので、ご紹介しておきたい。 「予備校大手の代々木ゼミナールグループは27日、中学受験向けの学習塾「SAPIX小学部」を手がけるジーニアスエデュケーション(東京・中…

姫路獨協大の「撤退」が意味するもの。

以前から囁かれていた*1姫路独協大法科大学院の「撤退」が遂に現実のものとなった。 「姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)は27日、「新司法試験の成績低迷で学生が集まらなくなり、教育の質を保てなくなった」として、2011年度以降の学生募集を停止すると…

負のスパイラル

前々から話題になっていた法科大学院の定員削減問題だが、この日の日経紙に、ついに以下のような記事が掲載されることになった。 「全国の法科大学院74校の2010年度の募集人員が計4904人と前年度から861人減り制度導入後に初めて5000人台を下回ったことが22…

「転んでもただでは起きない」精神。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社が掲げた「訳あって、今年の採用活動に出遅れます」という宣言文が、あちこちで反響を呼んでいる*1。 ポッと出のベンチャー企業ならまだしも、「キヤノン」ブランドの国内営業を一手に担い、キヤノン株式会社とともに…

学研のおばちゃんにはもう会えない。

最近、子供の頃慣れ親しんだものがいろいろと消えていくことが多くて寂しいのだが、これもその一つ。 「学研ホールディングスは小学生向け学年別学習雑誌「科学」と「学習」を2010年3月で休刊する。「学習」は1946年の創刊。57年創刊の「科学」と合わせ、最…

加藤一郎名誉教授逝去

昔、ちょっとした出来心で、1969年前後の新聞記事をクリッピングしていたことがあったのだが、あの時代、特に1968年末から1969年1月にかけて、新聞の一面に「加藤一郎学長代行」のお名前を見かけない日はなかった*1。 崩壊寸前だった最高学府内の混乱を収拾…

「エリート」は「没落」したのか?

CX系の土曜深夜ドラマ枠に、今クールから堂本剛主演の「33分探偵」というドラマが登場したのだが、いろいろとぶっ飛んでいてなかなか面白い*1。 この先どうなるか分からないが、初回のストーリーで出てきていたこのドラマのキモを簡単にまとめると、 「明ら…

大変なのはこれからでしょうけど・・・

平成20年度「グローバルCOEプログラム」の採択拠点が公表された*1。 「先端的な教育研究拠点づくり」 というキャッチフレーズからして、どうしても理系分野の話題に目がいきがちだが、「21世紀・・・」に引き続き、社会科学系もしっかり選ばれている。 その…

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