法曹

最高裁判所裁判官・国民審査対象各裁判官の個別意見について

いよいよ明日は、衆議院総選挙。 そして、同時に行われるのが、最高裁判所裁判官の国民審査である。ここ何回かの国民審査に合わせてキャンペーンを行っている某団体が存在することもあって、国民審査の認知度は以前に比べれば格段に高まっているように思われ…

地に足が付かない報道はそろそろやめた方がいい。

最近、「法曹の就職」をめぐる議論があちこちで湧き上がっていて、法律関係のメディア等で見かけない日がないくらいの勢いである。もちろん、このブログでも、そういった話は、以前からあれこれと取り上げてきたし、某著名弁護士との論争(?)に発展しかか…

これが旧試組の意地だ。

今年の新司法試験で、高い合格率で実力を証明した上に、低迷する法科大学院人気をあざ笑うかのように受験者数はうなぎ上り。 論文試験が終わった時点でかなりの人数の合格が予想されていた、ということもあって、去年以上に注目を集めた第2回「予備試験」の…

「予備試験」で起きた波乱。

(少なくとも合格した人にとっては)明るい話題のはずなのに、なぜか暗いムードが漂っていた新司法試験の合格発表から1か月。 今度は2回目の「司法試験予備試験」の論文試験の結果が発表された。受験者が600人以上も増えて(7183人)、活況を呈している、と…

そして始まる生き残り合戦。

司法修習生や法科大学院生の間では、相変わらず“四大”(TMIを入れると“五大”になる)として括られる大手渉外系総合法律事務所の人気が強いようである。だが、長年、「依頼主」として、様々な弁護士事務所と付き合っている立場から見ると、なぜそこまで優秀な…

ネット風評被害対策の新サービス

最近、商売上手な弁護士が、新手のサービスを展開しようとする傾向があるようだが、そんな中、日経紙に、また一つ興味深い記事が掲載されていた。 「サイバーエージェントは鳥飼総合法律事務所(東京・千代田)と組み、インターネット上での誹謗(ひぼう)中…

「予備試験」の誤算?

12日付の新司法試験の合格発表に関するエントリーの中ではそんなに詳しくは書かなかったのだが、今年の試験は、第1回予備試験合格者組が初めて挑んだ、という点でも注目されていた。95人出願、85人受験、短答試験の足切りをうち84人がクリアして、最終合格者…

悲観主義からは何も生まれない〜2012年新司法試験の結果より。

毎年、新聞で大きく取り上げられる新司法試験*1の合格発表。細々と終末期の裏街道試験を受けていた人間としては羨ましい限りなのだが、報じられる中身の方は、相変わらず芳しくない。 「法務省は11日、法科大学院修了者が対象となる2012年の司法試験で過去最…

今年も巡ってきた海の日3連休に思うこと。

もう、この期間に机に向かわなくなって久しいとはいえ、今でも海の日の3連休が来るといろいろなことを思い出す。「数カ月の間続いた寝不足からもう少しで解放される」という思いと、「これが過ぎればまた年が変わって次の春が来る頃まで挑戦する機会が回って…

この進出は“黒船”か、それとも・・・

日経紙の目立たないところに、 「法律事務所大手の西村あさひ法律事務所(東京・港)は、8月に大阪と名古屋に拠点を新設する。円高で地方の製造業が生産拠点の海外移転や同業の買収に乗り出す事例が増えているため。」(日本経済新聞2012年6月12日付け朝刊・…

撤退ドミノを食い止める手立てはどこに・・・?

既にこのブログでも紹介してきた姫路独協大法科大学院*1や、その後の大宮法科大学院に続き、明治学院大学の法科大学院も募集を停止する、というニュースが先週飛び込んできた。最初から「バブルが去れば厳しいだろう」と思われていた姫独や、桐蔭横浜との統…

今こそ必要なのは、発想の転換。

月曜日恒例の日経紙「法務インサイド」に掲載された「弁護士就職 開拓の余地」というタイトルの特集が、いろいろと話題になっている。リード文にある 「本当に弁護士は就職難なのか」 というフレーズと、記事の中で展開される「組織内弁護士」礼賛が刺激的で…

追い込まれそうになる夜は、キクマさんの本でも。

自分が昔受けていた試験が、完全に幕を下ろしてしまって以来、法律関係の試験の日程にはトンと疎くなっているのだけれど、そろそろ予備試験とか、新試験*1とかの日程も迫ってくる頃なんだろう、と思う。今でこそ、人並みに“GW”なんてものを味わっている自…

“3度目の正直”の虚しさ

これまで二度にわたる投票を行っても決着が付かず、とうとう立候補者を募り直しての「再投票」にもつれ込むことになってしまった日弁連会長選だが*1、“3度目の正直”とばかりに、ようやく決着がついた。 「日本弁護士連合会は27日、宇都宮健児会長(65)の任…

誰も拾わなかった火中の栗

年度を跨ぐまで、ズルズルと引きずったままになっていた東電会長人事だが、ここに来てようやく原子力賠償支援機構の下河辺和彦運営委員長(64、弁護士)を充てる方針が固まったようだ。勝俣恒久会長の退任が確実な状況になって以来、財界関係者の名前がいろ…

2度目の“ドロー”に思うこと。

2年前とはちょっと違う1回目の投票結果を見て、嫌な予感はしていたのだが、案の定こうなった。 「日本弁護士連合会(会員約3万2千人)は14日、宇都宮健児会長(65)の任期満了(3月末)に伴う次期会長選挙の再投票を実施した。史上初の再選を目指す宇都宮氏…

またしても繰り返される・・・

4名の候補者が立候補し、直前まで環境に優しくないFAX、ハガキの類が飛び交っていた平成24年度・平成25年度日弁連会長選挙は、結局、「最多得票者が単位会の3分の1を制することができない」という2年前と同じパターンで、再投票にもつれ込む結果となった。結…

「メーリングリスト問題」の顛末

年明け早々、新聞等で報道されて一部で大騒ぎになり、おかげで、多くの会員が何度も何度も日弁連からの「同じようなFAX」攻撃に晒されることになった「某弁護士法人の個人情報誤掲載事件」。事件発覚から1ヶ月経って、ようやく「報告書」が出されたようであ…

勇気ある選択?

ここ1、2年の間に、企業内に入ってくる法曹有資格者の数が恐ろしい勢いで増加している、というのは、既にあちこちで言われていることだが、1月18日付けの日経紙に掲載された記事は、そんな中でも、相当なインパクトを持って受け止められそうなニュースであ…

弁護士ランキング2011

今年も年末の風物詩、「2011年に活躍した弁護士ランキング」が日経紙に掲載されている*1。今年も企業141社、弁護士233人のアンケートにより順位付けがされているのだが、昨年のこのランキングに関するエントリーで*2、 「企業票が0票、1票の人がランクインし…

そして、扉は開かれた。

「法科大学院に通えない人にも新司法試験の受験機会を確保する」という名目で今年から行われることになった「司法試験予備試験」。「予備試験」といっても、実際には択一に始まって、論文試験あり、口述試験あり、とかつての旧試験の三段ステップをすべて網…

経験はプライスレス。

最近、日経の法務面は、メインの記事よりもサイドの記事の方に関心を魅かれるものが多いのだが、この日もそうだった。 「国内初となる民間の弁護士就職支援企業、「日本司法サービスセンター(JSC)」(東京・千代田)が11月1日に営業を開始した。新人弁…

広がった“格差”

予想はされていたことだが、今年も残酷な結果となった新司法試験。 「法務省は8日、法科大学院修了者が対象となる2011年の新司法試験の結果を発表した。合格者は昨年より11人少ない2063人で、02年に閣議決定した「10年ごろに年間合格者数3千人程度」との政府…

定番のコメント

今年もまた、「夏の二回試験」(1年4ヶ月修習組メインの二回試験)の結果発表の季節がめぐってきた。 「最高裁は23日、司法修習を終える185人の司法修習生を対象にした卒業試験(考試)で、24人が不合格になったと発表した。受験者数に占める不合格者の割合…

悪夢のような数字。

日弁連法務研究財団のHPで公表された、「2011年法科大学院全国統一適性試験」の志願者数の数字が、大変悲しいものになっている(http://www.jlf.or.jp/jlsat/pdf/20110520.pdf)。 第1回:5946名 第2回:7383名 2003年からずっと“二大適性試験”の一方を担っ…

新しい時代が始まる。

合格するための難易度や試験レベルの高低はともかく、理不尽さ、という点で言えば、我が国の歴史上比類なき試験・・・「司法試験予備試験」が15日に行われた。当初公表されていた出願者数は、昨年のDNC適性試験の志願者数*1を上回る8971人。さすがに、「受験…

「企業財務会計士」導入見送り

公認会計士の“就職浪人対策”として、一部で導入が期待されていた「企業財務会計士」制度が、「審議中に法案から削除される」という異例の展開を経てお蔵入りすることになった。元々企業側の人材ストックが厚く、「(監査証明権限という)特権を持たない専門…

Never Ending Story

21世紀に入って最初の10年の真ん中を迎えようとする、まだブログというものがこの世に普及しだして間もない頃、日々、爽快に啖呵を切り続ける一人の司法試験受験生のブログの存在に、自分は気付いた。司法バブル真っただ中、あちこちで受験生ブログが乱立す…

どこまでが「会計士」の仕事なのか?

日経紙の法務面に「特命会計士 活躍」という華やかな記事が載っていた*1。「会計士のノウハウと経験」を活用して、企業不祥事に関する情報を収集し、「『デジタル・フォレンジック』と呼ばれるハイテク手法」を用いて分析する、という会計士(特命会計士)が…

故なき批判ではないと思う。だが・・・。

先日ご紹介した*1、総務省の「法科大学院見直しプロジェクト」*2。意見募集は今日の午後6時まで受け付けてくれるらしいが、正直、提出用に意見を綺麗にまとめるような余裕はとてもないので、とりあえずここに、今自分が考えていることを書き留めておくことに…

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