法曹

意外に優しい法務省

日経紙を見ていたら、意外な記事が掲載されていてびっくり。 「法務省は29日までに、法科大学院修了者以外にも受験資格を与える司法試験の予備試験について、いったん締め切った出願を再度受け付けると発表した。2月3日からで、インターネットは9日、郵送は1…

「弁護士は職業」という呪縛。

最近、いろいろと“寒い”話を見聞きしながら思うのは、皆が「弁護士=職業」と思っている間は、何も変わらないだろうな・・・ということ。そういう思想が我が国独自の“文化”を作り上げてきたことは否定しないが、急激な変化を遂げる現代において、そのような“…

総務省は救世主になれるのか?

アジア杯のカタール戦で、決勝ゴールを叩きこんだ伊野波選手。 「DFなのに何であんなポジションにいたの・・・?」 という突っ込みが随所で上がっていたようだが、今日の日経紙の1面にも“伊野波”を彷彿させるような記事が載っていた。 「総務省は行政評価…

美しくない責任の押し付け合い

郵便料金不正事件における大阪地検の大失態の責任を取る形で、大林宏・検事総長が就任後約半年で辞任。 後任には来年早々に定年を迎えるはずだった、笠間治雄・東京高検検事長が就任、という話を聞くと、「人生どこで何が起きるか分からない」というありきた…

弁護士ランキング2010

いろんな意味で、“毎年恒例”になってきたこのランキング。 今年も例年と似たような傾向の結果が並んでいる。 <2010年に活躍した弁護士ランキング・企業法務部門> 1.小舘浩樹 アンダーソン・毛利・友常 35票 2.玉井裕子 長島・大野・常松 23票 3.太田…

企業は「二の足」を踏んでいるのか?

日経紙の夕刊に興味深い記事が載っている。 「会社の中で弁護士としての専門知識や経験を生かす「企業内弁護士」の採用について、企業の9割以上が消極的なことが17日までに、日弁連の調査で分かった。」 「調査は昨年11月、上場企業を中心に5215社に実施。11…

ダブル・スタンダード

今年二度目となる「二回試験」の結果が発表された。 「最高裁は15日、司法修習を終えた2039人を対象にした卒業試験(考試)で、1949人が合格したと発表した。」 「今回の考試で不合格になったのは90人で、受験者数に占める割合は約4.4%。最高裁は「真に必要…

エースの緊急登板?

ちょうど一年前に、涌井紀夫最高裁判事の現職でのご逝去(現職では21年ぶり)の報を記したばかりだというのに*1、またしても今年の11月21日、近藤崇晴最高裁判事ご逝去という悲報が舞い込んできた。それだけ最高裁判事の職も激務になってきた、ということな…

ここから新しいドラマは生まれるのか?

世の中には、よく自分が受けてきた試験の分析を、受かった後も熱心にやっていて、そのまま趣味が高じて(?)“対策講座の講師”みたいなことをやっている人もよくいるのだが*1、自分は性格的に、一度通り過ぎてしまうと、その後は通り過ぎたものにはほとんど…

「全体最適」と「部分最適」の相克

ここに来て、司法修習生に対する「給費制」復活の動きが、急速に現実化しつつある。今年に入ってから、かなりの騒ぎはあったものの、「貸与制」適用第1号となる新64期修習生の受け入れ準備が着々と進み、改正裁判所法の施行日を迎えたときには、もはや今日明…

最後の勇者たち

とうとうこの時が来た・・・。そんな印象を受けるニュース。 「法務省は11日、受験資格に制限のない旧司法試験の2010年度最終合格者59人を発表した。合格率は0.45%(前年度0.6%)。」 今回の口述不合格者に対しては、来年もう一度チャンスが与えられるよう…

「弁護士」をめぐる情報の非対称性。

本日付の日経新聞の「経済教室」に、福井秀夫・政策研究大学院大学教授が、いつもどおり吠えるように持論を展開されていた*1。読み物としては面白いので、ヘタに「法と経済学」的なるフレーズなんて散りばめずに、純粋な“意見広告”として出せばよいではない…

“幻想”が消えた後に残るもの。

最近の大阪地検の不祥事を受けて、法科大学院生や司法修習予定者等、“これから検察官を目指そう“と思っていた人々が、「進路に悩んでいる」といった類のニュースが伝えられることが多くなっている。確かに、これまで一途に 「検察官になって、特捜部に入って…

“フロンティア”ロイヤーの蹉跌

日経紙の夕刊に週替わりで連載されている「人間発見」というコーナーがあるのだが、今週のターゲットは久保利英明弁護士、ということで読み物としてはなかなか面白かった。担当している“聞き手”が、一時久保利弁護士と組んで“法化社会”キャンペーンを張って…

「変」なのは、社説か、制度か、それとも・・・

「貸与制」切り替え目前になって、急遽「給費制」存続の話が浮上する、というアンビリーバブルな状況*1を受けて、「司法制度改革」にご執心の日経紙が、いかにも、といった感のある社説を掲載している*2。 「司法修習の給費継続は変だ」という、あまりにスト…

「14人の大法廷」がもたらすもの

先日大法廷回付が明らかになった「一票の格差」訴訟だが*1、出だしから波乱の兆候を見せている。 「昨年8月の衆院選での1票の格差が違憲かどうかを巡り、最高裁大法廷で審理される9件の訴訟のうち、一審が高松高裁だった1件について、裁判長を務めるはずだっ…

あっと驚く展開

前々から決まっている話なのに、いざ制度が導入される、という状況に迫られるまでなかなか重い腰を上げず、結局、瞬間湯沸かし的に派手なパフォーマンスを展開する割には乏しい成果を挙げられてこなかった、というのが、最近の日弁連の活動に対する多くの人…

あまりにお粗末だった事件。

この国では、年に何度か、裁判で「無罪」の判決を勝ち取った被告人にスポットライトが当たることがある。 被告人本人や弁護人、そしてその支援者は当然「冤罪」が晴れたと大騒ぎするわけだか、よくよく判決文を読んでみると、“真っ白”とは到底言い難く、訴追…

嘘つきは泥棒のはじまり、とも言う。

新司法試験の発表と同じ日に、新聞の片隅にひっそりと載っていた↓の記事。 「最高裁は9日、8月25日に司法修習を終えた195人中、4人を判事補として採用することを決めた。・・・(中略)・・・裁判官希望者で不採用になった人はいなかった」(日本経済新聞201…

努力が常に報われるとは限らない。だが・・・

年を追うごとに、“競争試験”としての本質が剥き出しになってきた新司法試験。 今年も発表の日を迎え、「過去最低の合格率」の見出しが躍る・・・。 「法務省は9日、法科大学院修了者を対象とする2010年の新司法試験合格者2074人を発表した。昨年より31人多い…

勇敢な修習生?

和歌山地検の庁舎内で、82歳の老人が、非現住建造物等放火罪で懲役6年に処された次女の公判を担当した検事に対し、「量刑が重すぎる」と包丁で切りつけた事件。 検事が、面会を要求した老人と話している最中の出来事らしいが、興味深いのは以下のくだりだ。 …

「自殺」っていうけれど・・・

検事出身の著名弁護士として活躍されていた猪狩俊郎氏(61)が亡くなられた、というニュース。(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100827-OYT1T01059.htm?from=main1) 「フィリピンの民家の中の自室ベッド上で死亡しており、左手首を切った跡や睡…

冷淡な“コメント”に思うこと、その他。

「過去最悪の合格率」という見出しが躍った今年の司法修習生の修了考試。 一例として、日経紙の記事を紹介すると、 「最高裁は24日、司法修習を終える223人の修習生を対象に7月に実施された卒業試験(考試)で、28人が不合格となったと発表した。受験者数に…

大物擁立!(その2)

最近、大物裁判官・検察官OBを、いわゆる“四大”的な大手法律事務所が迎え入れるパターンが増えているような気がするのだが、ここに来てまた大きな“人事”が発表されている。 「大手法律事務所のTMI総合法律事務所は、9月1日付で前検事総長の樋渡利秋氏と知的…

これは他山の石か・・・?

28日の朝刊に「改革骨子」が報道されてから、そんなに日も経っていなかったのに、あっという間に正式発表となった公認会計士制度改革。 「金融庁は30日、公認会計士制度改革に関する中間報告書の中で、公認会計士の前段階に企業財務の専門家と位置付ける新資…

3年前のエントリー

ネットというのは不思議なもので、最近Twitterでどなたかが紹介してくださった当ブログの古いエントリーに、結構な数の方々が“呟き”を付けて下さっていることに気付いて、驚いた次第。 「企業内弁護士が増えない理由」の裏にある誤解 http://d.hatena.ne.jp/…

“当たり前”を覆す勇気

立法がもたついている間に、非嫡出子の相続分をめぐる訴訟(正確には遺産分割審判の特別抗告審)が大法廷に回付され、平成7年判決変更の可能性も出てきたとのこと。 「婚姻届を出していない男女間の子(非嫡出子)の相続分を、法律上の夫婦の子(嫡出子)の2…

これではあまりに・・・

ついにラストを迎えている現行司法試験だが、とうとう短答試験の合格者が1000人を切り(742人)、受験者比での合格率も5%台、という恐ろしい状況になってしまった。 (http://www.moj.go.jp/content/000048285.pdf) 従来の受験者層の多くが法科大学院に流…

姫路獨協大の「撤退」が意味するもの。

以前から囁かれていた*1姫路独協大法科大学院の「撤退」が遂に現実のものとなった。 「姫路独協大法科大学院(兵庫県姫路市)は27日、「新司法試験の成績低迷で学生が集まらなくなり、教育の質を保てなくなった」として、2011年度以降の学生募集を停止すると…

祈り。

今日は母の日。そして、毎年巡ってきていた恒例の「開幕戦」の日。 今頃は、自己採点も終わって、疲れた頭と体をゆっくりと休めにかかっている人も多いだろう、と思う。 公正な試験である以上、力のあるすべての人に平等なチャンスが与えられるべきだし、結…

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