労働

いつの間にか閣議決定の巻

というわけで罪滅ぼし、というわけではないが、久々に労働関係法マターで一本。 以前から注目してきた労働契約法が、ひっそりと(?)閣議決定されていたようで、厚労省のウェブサイトにも法律案要綱が掲載されている*1。 本来目玉になるはずだった、解雇紛…

“天下り”はそんなにいけないことなのか?

最近、首相官邸サイドは公務員制度改革にご執心らしい。 17日の日経新聞記事によると、 「安倍晋三首相は16日の経済財政諮問会議で、公務員制度改革の焦点である天下り規制について「各省のあっせんはやめる。機能する新・人材バンクをつくるということで法…

バブルの再来

改めて報道されるまでもなく、皆気付いていることなのであるが・・・ 「産業界で2008年春の新卒の争奪戦が早くも過熱している。電力十社の採用計画は計2840人と07年春から約3割増え、「オール電化住宅」の営業強化などで約10年ぶりの高水準。イトーヨーカ堂…

クリーンな選挙バンザイ!

東京都知事選に浅野史郎・前宮城県知事が出馬することが決まったらしい。 「慎太郎には投票したくないが、他にまともな候補者がいない」と嘆いていた方々には朗報だろうが、筆者自身は、正式出馬表明に至るまでの浅野氏ご自身の言動の胡散臭さに加え、氏の不…

物言えば、唇寒し・・・。

柳沢伯夫厚労相の発言が、また紙面を賑わせているようだ。 ホワイトカラー・エグゼンプション制度を説明しようとした参院厚生労働委員会での発言(らしい)。 「工場労働というか、ベルトコンベヤーの仕事、もう労働時間だけが売り物ですというような、そう…

そしてまた一つ歴史は消える

「三菱ケミカルホールディングスは8日、三菱樹脂を全額出資子会社化し、2008年4月に機能材料を手がける他のグループ3社と統合させると発表した。」(2007年2月9日付け朝刊・第13面) 「三菱樹脂」といえば、「学生運動参加歴」をもって管理職候補で入社した…

「子どもを産む機械」発言騒動

柳沢伯夫厚生労働相の“失言”が相当バッシングを受けているのだが、個人的には講演の中でちょっとクチが滑った、という程度の話で、国を挙げての大騒ぎをする、というのはいかがなものかと思う。 「少子化を女性サイドの問題として語ること自体がそもそも問題…

またしてもミスリードの悪寒・・・

ホワイトカラーエグゼンプション制度に並んで今国会の雇用制度改革の目玉になるはずだった「労働契約法」。 前者が見送られることが確実になってきた今、後者の審議も無事始められる保証は全くないのであるが、とりあえず厚生労働省は法案要綱をまとめたらし…

日銀の採用制度変更?

新聞で見かけたこんな記事。 「日銀は多彩な人材確保へ採用制度を改める。特定の大学に的を絞ったリクルート活動や総合職の筆記試験を廃止。弁護士や海外の大学卒業生らの採用を増やす。金融・経済に詳しい有名大卒に偏りがちな人材の幅を広げ、組織を活性化…

“祭り”の終焉。

「安部晋三首相は16日夜、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入するための労働基準法改正案について「現段階で国民の理解が得られているとは思わない。働く人たちの理解がなければうまくいかない…

 城繁幸氏のブログより。

先日もチラッとご紹介した城繁幸氏のブログ(Joe's Labo)の「2007年はターニングポイントとなるか」(2007年1月9日付)の続きの記事(2007年1月12日付)。 http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615510#2615510 城氏は9日付のエントリーで、時代環境…

百年の計はどこに・・・。

何となく嫌な予感はしていたのだが、今朝の朝刊を見てその思いを新たにする。 「政府・与党は9日、一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を当面見送る方針を固めた。野党が「残業代ゼロ制度」など…

労審発第444号。

今更ではあるが、昨年末に出された労働政策審議会の「「今後の労働契約法制の在り方について」及び「今後の労働時間法制の在り方について」に対する答申」の原文に触れた。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/12/h1227-4.html 細部の表現をぼやかす形になっ…

残業代割増率引き上げの功罪

最近、読者の皆様の関心が高いと思われる労働関係の話題。日経の紙面にも毎日のように記事が踊っている。 「厚生労働省は雇用ルール見直しの柱の一つとして検討してきた残業代の割増率引き上げについて、一ヶ月の残業時間に応じて三段階の割増賃金を支払う新…

“労働者”不在の議論

公明党の太田明宏代表が慎重な姿勢を示していることもあって、俄かに雲行きが怪しくなってきた「ホワイトカラー・エグゼンプション」。 今日の日経新聞には次のような記事が掲載されており、 「厚生労働省は与党内から導入に異論が出ている、一定条件を満た…

続「ホワイトカラー・エグゼンプション」

年の暮れにボソッと書いたエントリーが、 いつの間にかホットエントリー化していたようで(笑)。 (http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20061228/1167328947#tb) ブックマークに付いている一言コメントやいくつかのリンクなどを、 興味深く読ませていただい…

「ホワイトカラー・エグゼンプション」をめぐる誤解

労政審の労働条件分科会が、 ついに雇用ルール改革の最終報告をまとめた。 明記されたのは、 「一定の条件を満たすホワイトカラーの会社員を労働時間規制の対象外とする制度の創設」 及び 「残業代の割増率引き上げ」 一方、今回も見送られたのは「解雇の金…

最終決着なるか?

「厚生労働省は21日、労働政策審議会(厚労省諮問機関)労働条件分科会に雇用ルール改革の最終案を提出した。一定の条件を満たすホワイトカラーの会社員を労働時間規制から除外する制度について、対象者の年収の下限を「管理監督者一般の平均的な年収水準を…

結局はこうなるのか・・・。

迷走を続けた結果、 “微調整”で終わってしまいそうな悪寒がする一連の労働法制改革。 「厚生労働省は一定の条件を満たすホワイトカラーの会社員を労働時間規制から外す新制度について、対象者の年収の下限を800万−900万程度とする方向で最終調整に入る。経済…

『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

新聞の書評欄などで取り上げられていたこともあって、 珍しく新書を買って読んでみたのだが、 個人的に大いに共感するところが多かったので、 ご紹介しておくことにしたい。 若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)作者: 城繁幸…

迷走する労働契約法

労働政策審議会での議論が再開されたとは聞いていたが・・・ 「雇用ルールの抜本改革を目指す労働政策審議会(厚生労働省の諮問機関)労働条件分科会が24日開かれ、論点整理がこの日でほぼ一巡した。労使は採用や解雇などのルールを明文化する「労働契約法」…

使用者に酷?かもしれない判決

「ネスレ日本」霞ヶ浦工場社員の懲戒解雇処分の有効性が争われた事件において、 最高裁が原審判決を破棄し、労働者側の言い分を全面的に認めた判決が出た。 最二小判平成18年10月6日(古田佑紀裁判長)*1である。 (http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/2006…

経済財政諮問会議民間議員内定

仰天しますた。 「政府は29日、安倍晋三政権の発足に伴い、経済財政諮問会議の民間議員に御手洗富士夫日本経団連会長、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長、八代尚宏国際基督教大教授、伊藤隆敏東大大学院教授の4氏を内定した。塩崎恭久官房長官が同日の記者会見で発…

恥ずかしいのは自分の方だったか・・・

21日付のエントリーで言及した富士火災の件。 いろいろと各メディアの記事を見比べていくうちに、 筆者自身がとんでもない事実誤認をしていたのではないか、 ということに気付く。 元々経営不振で外国資本が注入された、という背景や、 昨年、徹底した成果主…

恥ずかしいニュース

※読者の皆様へのお詫びとお願い。 本エントリーを書くにあたって筆者自身に基本的な事実関係に関する誤認があったようであり、以下のコメントが正確な事実関係に基づかないものであることは否めません。したがって、ここでその点お詫び申し上げるとともに、…

再開された議論

「雇用ルール改革を話し合う労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働条件分科会が11日開かれ、厚労省側が今後の議論のたたき台を示した。残業代の割増率の引き上げ幅など具体的な数値目標を盛り込んだ6月の素案とは異なり、「就業形態の多様化などに対…

案の定・・・

「労働ルール改革を話し合う労働政策審議会(厚生労働省の諮問機関)の分科会で、予定していた7月中の中間取りまとめが困難になった。厚労省側が示した素案に労使が反発し審議会が一時中断。18日に予定していた審議会は中止に追い込まれ、今後の予定も立たな…

議論の始まり

「労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の労働条件分科会は11日、労使間で労働条件を決める際の基本ルールとなる「労働契約法」の制定と現行の労働時間制度の見直しに向けて、本格的な議論を始めた。企業の社員が自らの労働時間を自分の都合に合わせてほぼ自…

「労働時間」の壁

以前から書こうと思っていた話題。 平成18年1月27日付で厚生労働省から、 「今後の労働時間制度に関する研究会報告書」が発表されている。 (http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0127-1.html) この研究会は、法政大学の諏訪康雄教授を座長に、 荒木尚志…

何のための有給休暇?

「有給休暇 計画取得義務づけ検討」という見出しが、 今朝の日経朝刊の1面トップを飾っていたのを見て*1、 またか・・・と思う。 日本の会社において年休の取得率が低い、ということは、以前から指摘されており、 2004年の取得率は46.6%、と過去最低を記録…

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