書籍

夏休みに読むといいかもしれない本(その2)

近年、いろいろと“常識”が覆されつつある日本の司法界に、更なるインパクトを与えた、東電社員殺人事件をめぐる再審開始決定。既に、マイナリ被告人の身柄拘束は解かれているし、東京高検も特別抗告を断念した、ということで、おそらくこのまま再審で無罪判…

夏休みに読むといいかもしれない本(その1)

7月も終わりに近づき、これから夏休みに突入、という方も多いのではないかと思うので、自分が最近読んだ本の中から、不定期に何冊か挙げていくことにしたい。自分の時間にどんな本を読もうが俺の勝手だ、という方も多いだろうし、筆者自身が人から勧められる…

新書にみるイメージと実務のギャップ。

最近、あちこちで話題になっている、西村あさひ法律事務所編『ビジネスパーソンのための企業法務の教科書』。以前ご紹介した福井健策弁護士の超・良書*1を彷彿させるようなタイトル、ということもあって、自分もその辺の書店でさらっと買ってみたのだが・・…

特許判例の十年。

なかなか前向きなモチベーションが湧かないまま過ぎていくGWだが、部屋の片づけをしていたら、一昔前の「特許判例百選[第3版]」が“発掘”されたので、少しは連休らしくスケールの大きなこと(?)を・・・ということで、先日購入した「特許判例百選[第4版]…

追い込まれそうになる夜は、キクマさんの本でも。

自分が昔受けていた試験が、完全に幕を下ろしてしまって以来、法律関係の試験の日程にはトンと疎くなっているのだけれど、そろそろ予備試験とか、新試験*1とかの日程も迫ってくる頃なんだろう、と思う。今でこそ、人並みに“GW”なんてものを味わっている自…

著作権法改正の歴史を振り返りながら読みたい一冊

先日の著作権法学会の発表があまりに刺激的だったゆえに、思わずその場でAmazonに飛び、買ってしまった一冊がある。残念ながら今サイトに飛んでいっても、新品は品切れになっているようだが、中古は出品されているようだし、図書館等で入手できる機会もある…

“読まず嫌い”になるなかれ。

新司法試験を目前に控えたこの時期に、ちょっとした話題になっている一冊がある。知財研究者として第一線で御活躍されている田村善之教授が執筆者として名を連ねていて、しかも出版元が信山社、となれば、どれだけ本格的な学術書なのだろう・・・? と誰もが…

その正義はどこにある?

年明け早々に読み終わって、感想を書こうと思ったら、dtk氏に先を越されてしまったので*1、しばらく寝かせていた一冊について。会社法の正義作者: 草野耕一出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2011/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含…

あっと驚くモデルチェンジ。

毎年購入していた『知財年報』が、今年はなかなか発行されないなぁ・・・と、書店の別冊NBLのコーナーに行く度に首を傾げていたのだが、年明けに弁護士会館地下の知財書のコーナーに行き、たまたま並んでいた本を見て、実は自分がとんでもない思い違いをして…

原発について考える上で欠かせない一冊。

新年早々「原子力損害賠償支援機構が資本注入と引き換えに、東京電力の普通株式取得を検討」などという、ちょっとしたサプライズが飛び込んでくるなど、今年もしばらくの間は、原発と東電(&各電力会社)をめぐるニュースが世の中を賑わせそうな気配である…

債権法改正を遮二無二進めようとする人と、それに抗する人と。

今年一年、企業法務をめぐる様々な動きがあった。 やはり一番のインパクトは震災、原発事故絡みのあれこれだったと思うのだが、もうひとつ、債権法改正をめぐって、「中間論点整理」&それに対する意見募集、という大きな動きがあったことも忘れてはならない…

冬休みに読みたい「バイブル」的問題作。

「BUSINESS LAW JOURNAL」で定評のあるレクシスネクシス・ジャパン社が、新たに「BUSINESS LAW JOURNAL BOOKS」シリーズを出すことになったようだ。第1号のネタは、先に紹介したBLJ2月号*1でも誌上連動企画が掲載されている「暴力団排除条例」。噂を聞いて、…

これぞ契約の「教科書」

最近、少し時間が取れたこともあり、久しぶりに新書等をいくつか読み終えることができたので、何回かに分けて、感想などを書き残しておくことにしたい。まず一冊目は、あちこちで評判になっている福井健策弁護士の新刊である。ビジネスパーソンのための契約…

裁判官にこそ読んで欲しい本。

だいぶ前に購入したにもかかわらず、なかなか最後まで読み進めることができていなかった話題の本を、ここに来てようやく読了した。Googleの脳みそ―変革者たちの思考回路作者: 三宅伸吾出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/07/26メディア: 単行…

癒される一冊。

予想通り、9月に入ってからの日が過ぎるスピードの早さには正直呆れるばかり。 連休だとか何とか言っている間に、早くも月の半分を終えることになってしまっている。そんなあくせくした毎日に、少しでも癒しを・・・ということで、最近映画化もされ、いろい…

“法務の戦い方”を学ぶ本

涼しげな避暑地で猫と戯れながら読書・・・なんて生活とは程遠かった今年の夏だが、そんな中でも辛うじて読めた本が、↓の2冊。下町ロケット作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/11/24メディア: ハードカバー購入: 20人 クリック: 404回この商…

「著作権研究」第36号

今日、家に帰ったら、届いていた著作権法学会誌。「あれ、去年は来てたっけな・・・?」と思って調べて見たら、第35号は2008年末の発行なので、実に2年ぶりの発行となるようだ。メインコンテンツとなっている「シンポジウム」は、2009年の著作権法学会で行わ…

アンケートを書きながら思ったこと。

某人気法律雑誌の「今年買った本」のアンケートの締め切りが間際に迫っている(締切は12月6日!)ことに気づき、慌てて作業をしているところである。Excelファイルにざっと並んだ「今年の新刊本」リストを見ると、この1年だけでもずいぶんと法律書が世に出た…

これからの「著作権」を考える上で、欠かせない一冊

当ブログで、これまで“クリエイティブ・コモンズの伝道師”とか、“著作権業界のジャンヌ・ダルク”*1等々、いろんなフレーズでご紹介してきた森・濱田松本法律事務所所属の野口祐子弁護士が、実に素晴らしい一冊を世に出された。それも「新書」という極めて身…

古に今を見る。

春先に買って以来、まとまった時間が取れた時に読もうと思っていた一冊にようやく目を通すことができた。 日本政治思想史―十七~十九世紀作者: 渡辺浩出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2010/03/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 41回この商品を…

バージョンアップした「未完の大作」

本屋に行ったら、中山信弘教授のリニューアルされた概説書が平積みになっていた*1。 特許法 (法律学講座双書)作者: 中山信弘出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2010/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (14件) を見る 改訂により…

終戦記念日に一冊。

5年を一区切りと考えれば、節目の年に当たる今年の終戦記念日だが、例年以上に静かに過ぎ去っていってしまったような気がする。 これが時の流れ、といえばそれまでなのだが、せめて年に一度くらいは思いを巡らせてみる必要があるだろう、ということで、8月に…

考えさせられるところが多い一冊。

連休中に暇を見ていくつか書を読んでいたのだが、中でも印象に残ったのが、↓である。 俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い作者: 烏賀陽弘道,西岡研介出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/03/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 113回この…

必ず押さえておきたい一冊。

公刊された当時からあちこちで盛り上がっていたようなので、今さら・・・の感は強いのだが、“著作権にかかわる人なら必ず押さえておきたい一冊”、として、福井健策弁護士の『著作権の世紀』をご紹介しておくことにしたい。 著作権の世紀 ――変わる「情報の独…

今年も出た知財年報

出た時からずっと買い続けている早大COE発『知財年報』。第5弾となる2009年版も昨年末に公刊されている。 「判例・学説の動き」と、いくつかの特集で構成されているこのシリーズ。 特に前者の方は、毎年の動きを大まかにフォローするにはちょうどいい具合に…

「プロフェッショナル」を目指す人のための本。

元々自分は、「自己啓発本」のカテゴリーに属する類の本があまり好きではないのだが、最近、知り合いの法務の人間に勧められた↓の本を読んでみたら、結構得るところが多かった。 束の間の正月休み。プロフェッショナルとして会社の中で日々法務の仕事に挑ん…

任検志望者のための本

郷原信郎教授といえば、最近「コンプライアンス」の伝道師としての地位をすっかり確立され、メディアでお名前を見掛けない日はないくらいの有名人である。 実際、組織での経験に裏打ちされた郷原教授のコンプライアンス論は、机上で物事を論じる他の学者や弁…

最高裁判事の本音?

日経新聞の日曜書評面で、元最高裁判事が書かれた一冊の本が紹介されていた。 最高裁判所は変わったか―一裁判官の自己検証作者: 滝井繁男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/07/29メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 41回この商品を含むブログ (14件) …

法律書業界に新風?

日経の日曜面の片隅にこんな記事が載っていた。 「6月に活動を始めたばかりの羽鳥書店(東京・文京)という小さな出版社が出版業界で注目を集めている。東京大学出版会で大学教科書としては異例の,39刷46万部というベストセラーになった小林康夫・船曳建夫…

ついつい懐かしさで。

仕事帰りに寄った本屋で見つけて、ついつい買ってしまった。 東京大学ビジネスローセンター公開講座―ビジネスローの新たな動向作者: 中山信弘,中里実出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2009/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を…

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