2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

判例は固まりつつあるが・・・。

チャップリン映画の格安DVD販売をめぐる訴訟で、知財高裁でも地裁の判断を支持する判決が出されている。 「チャップリン映画の著作権を保有する外国法人が「独裁者」など9作品の格安DVD販売の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知的財産高裁(宍戸充…

2008年2月のまとめ

今月もコンスタントにいろんな方が見に来てくださったようで、月間ページビューが31,000件強、ユニークユーザーが23,000人弱。 ちなみに、アンテナ登録者数を見てみたら、ちょうど100人になっていた。 「記念すべき100人目のお客さま!」 乾いた日常のちょっ…

欧州委員会の暴走

最近は少々デカイ制裁金のニュースが出てきても驚かなくないのだが、相手がマイクロソフトとなると、さらに桁一つ違ってくる。 「欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、米マイクロソフトのEU独占禁止法違反問題で、同社に8億9900万ユーロ(約1440億円)の追加…

社保庁の憂鬱

実務的なインパクトはそれなりに大きいと覚悟しなければならないニュースがひとつ。 「社会保険庁や社会保険事務所内で職員が利用するLAN(構内情報通信網)に記事を無断で掲載され著作権を侵害されたとして、ジャーナリストの岩瀬達哉氏が国に約370万円の損…

肖像権訴訟再び。

以前にも触れたことのある、プロ野球選手の氏名・肖像の使用をめぐる民事訴訟が、ついに高裁までたどり着いた。 「ゲームソフトなどでの選手名や肖像の使用許諾権がプロ野球選手と球団のどちらに属するか争われた訴訟の控訴審判決で、知的財産高裁は25日、球…

あの小倉秀夫先生から

TBをいただけるなんて・・・、 と、(コメントの中身如何にかかわらず)個人的には猛烈に感動している(笑)。 まぁ、自分の考え方が現実論か理想論か、あるいは、仮に「ただの理想論」だとして、一部の“現実的な”法曹の方々の意見とどちらが世の職業人に受…

日経1,000人調査

日本経済新聞の「今週の予定」のページの片隅にある、「クイックサーベイ」というコーナー*1で、「司法試験合格者数を2010年に年3000人にする計画に賛成?反対?」というテーマでアンケートが行われている*2。 その結果は、「賛成。計画通り3000人にするべき…

佐々木夫妻。

ボスが32歳で、あれだけのスタッフを抱えながら、あれだけ儲からなそうな仕事に専念できる事務所がいまどき世の中に存在するのかどうかは疑わしいところであるが、ドラマとしては面白い。 なお、個人的には、桜井幸子と小雪だったら、迷うことはないと思う。…

思い出の 事件を暴く ロス市警

昔誰かが「思い出の事件を裁く最高裁」なんて洒落た川柳を詠んでいた、と記憶しているが、今回のニュースはまさにそれをも上回る衝撃波である・・・。 何たって、「ロス疑惑」と言えば自分がまだ小学校低学年頃に騒いでいた話で*1、銃撃事件そのものが発生し…

ブランドは未だ健在!?

たぶん好意的な評価が多いのだとは思うが、個人的にはいろいろと複雑な思いもある。 「東京大学の国際競争力を高めるため、トヨタ自動車、三菱東京UFJ銀行、東京電力など15社が120億円を拠出し基金をつくることが23日、明らかになった。毎年の運用益の一部を…

チェアマン。

今月の「私の履歴書」(@日経新聞)コーナーに連載されている、川淵三郎・日本サッカー協会会長の回顧録。 Jリーグ発足前後の、この国の“サッカー”をめぐる環境の劇的な変化を固唾を呑んで見守っていた世代の人間としては、川淵氏と言えば、今でも「(偉大…

大人の選択

北京五輪を目前にして、日本オリンピック委員会(JOC)のマーケティング委員会から、2009年以降の4年間の新プログラムの骨子が発表されたようである。 「選手との肖像権使用契約は10人程度のシンボルアスリート(SA)に限定、今年末までの今期約140人との契…

筆の滑りすぎ。

巷で公開されている判決をいろいろと眺めていると、時々“筆滑りすぎやろw”と言いたくなるような威勢の良い判決を見かける。 簡単に結論が出せるような事案で、大上段に振りかぶった(しかも後々物議を醸しそうな)論理を大展開していたり、結論とは全く関係…

最高裁法廷意見の分析(第21回)〜わいせつと芸術の間

「メイプルソープ」写真集の輸入禁制品(「風俗を害すべき書籍、図画」)該当性をめぐる最高裁判決が、随所で好意的に取り上げられている。 これまでの判例に照らしてみれば、「処分取消請求を認めた」という本判決の結論が画期的なものであることに疑いの余…

「ゴーストライター契約」の抗弁

法学教室に連載されている『知的財産法の重要論点』で、上野達弘准教授が「著作者(1)総論」として、著作者の認定や共同著作の論点に触れておられたのをちょうど読んでいたところで*1、興味深い判決に出会った。 東京地判平成20年2月15日(H18(ワ)第15359…

「勝ち馬に乗る」実力。

週末、あちこちで報道された次世代DVD規格をめぐる「戦争」の決着。 当初有利と囁かれていた「HD−DVD」から東芝が事実上の撤退を決めた*1ことで、「ブルーレイ・ディスク」陣営が標準規格となり、市場が統一されるのも時間の問題だと思われる。 ベー…

窮屈な働き方

最近採用区分の見直しが話題になっていた国家公務員の世界だが、懲りずにこんな記事がまた出ていた。 「人事院は国家公務員1種の採用者を対象に来年度から「三年目研修」を導入する。これまで入省時の「初任研修」の次は三十歳前後の「係長研修」だったが、…

指導要領案改訂のニュースに思う。

「文部科学省は15日、10年ぶりに改訂する小中学校の学習指導要領案を公表した。国語や理科など主要教科の授業時間数を平均で約1割増やすほか、学習内容も上積みし、ゆとり教育からの脱却を鮮明にした。」(日本経済新聞2008年2月16日付朝刊・第1面) 「理数…

快挙の裏側にある不安

フィギュアスケート4大陸選手権。 結果はあえてここで書くまでもなく、男子・高橋大輔選手、女子・浅田真央選手、と日本勢が揃って表彰台の頂点に立つ爽快な展開。 特に、男子シングルの高橋大輔選手は、SPで鮮やかなステップを踏んで観客を魅了したかと思…

問題は雇用形態にあるのではない。

誰にでも間違いはあるが、「エグゼクティブの味方」を標榜する新聞にしては、ちょっとこの間違いは酷い・・・と思わせてくれた記事を一つ。 「請負会社の指示で働いていた男性が製缶工場で転落死したのは安全対策の不備が原因として、遺族が製缶会社と請負会…

「ほっかほっか亭」騒動

夫婦喧嘩とフランチャイズ紛争は犬も食わない、というが、端で見ている分にはいろいろと興味深いもので、先月あたりからいろいろと報道されていた、株式会社プレナスと株式会社ほっかほっか亭総本部との泥仕合もついにクライマックスに向かいつつある。 こう…

花は桜 君は美し

冬の寒さもピークを迎える時期になると、なぜか“春”の曲が頭の中で流れ出す。 いろいろと環境が変わる季節でもあるだけに、一年一年、曲と一緒に様々な思い出が刻み込まれていたりもするわけで。 今年の春は、あまり変化もないまま迎えそうな雰囲気ではある…

50万の足跡。

気が付けばアクセスカウンターが50万カウントを記録していた。 カウンターを取り付けたのが、ブログ開設後しばらくしてからだったということもあり、これまであまり累計アクセス数には関心がなかったのだが、改めて見ると凄い数字だと思う。 いつまで続けら…

著作権間接侵害理論の新展開?

以前ちらっとご紹介した「土地宝典」をめぐる判決だが*1、よく読むと新聞記事で言及されていた「著作物性」よりも、他の争点の方が興味深かったりする。 特に、「法務局内にコインコピー機を設置し、当該コインコピー機を用いた利用者による無断複製行為を放…

黒澤映画(の著作権)は永遠に不滅です!

昨年取り上げた故・黒澤明監督の映画DVDをめぐる訴訟だが*1、まだ続きはあったようで、新たに松竹株式会社を原告とする訴訟の判決(被告は、東宝、角川事件などと同じ株式会社コスモ・コーディネート)がアップされている。 東京地判平成20年1月28日(H19(…

アンケート調査の貴重な採用(?)例

よく考えたら、今年に入ってからほとんど裁判例紹介記事を書いてない、ってことに気付いてしまったので、連休を使っていくつか取り上げてみることにしたい。 大阪地判平成20年1月24日(H18(ワ)第11437号)*1 原告・株式会社エスエスケイ 被告・株式会社コ…

「良識ある専門家集団の声」なのか、それとも「ギルドの論理」なのか?

日弁連の会長選挙が行われたらしい。 「日本弁護士連合会(会員約2万5000人)は8日、平山正剛会長(73)の任期満了に伴う次期会長選挙を実施し、元大阪弁護士会会長の宮崎誠氏(63)を選出した。任期は4月1日からの2年間。宮崎氏は8日の記者会見で「2010年に…

2008年の就職人気企業

昨年の春頃に同じような趣向のエントリー*1を載せた記憶があるのだが、今年もそういう季節になったようだ。 「日本経済新聞社広告局は2007年10月から12月にかけて、09年春卒業予定の全国の大学三年生を対象に就職希望企業調査を実施した。」 昨年のエントリ…

判決をもらうのが嫌いな会社

またこの会社か(笑)、と思った記事が一つ。 「日航最大のJAL労働組合が、客室乗務員約9800人の個人情報リストを無断で保有していた問題で、乗務員ら194人と別の労組が日航とJAL労組などに計4800万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が7日、東…

「別件」というには重過ぎる。

先月コンピューターウィルスを作成した大学院生を特定、摘発した京都府警。 “Winny”とはスケールの違う話だし、「ウィルス作成」という行為が、“誰が見ても迷惑な話”であるのは間違いないので今回府警がバッシングを受けることはないだろうが、それでもいろ…

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