2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年9月のまとめ

連休明けにも一度グチを書いてしまったのだが、忙しさが増してくる時期に大型連休を挟んだ、というのが致命傷となり、月末最後の一週間をかなりの阿鼻叫喚状態で迎えることになってしまった。自分の場合、少し疲労がたまってくると、これ、さらに疲労がたま…

労働者派遣法の迷走を読み解くための一論文

難産の末に、労働者派遣法改正案が成立した、というニュースが飛び込んできたのはつい最近のこと。 そうでなくてもここ数年の改正で内容が二転三転しているうえに、今回の改正案も国会で紛糾して修正が入る、施行時期も変更を余儀なくされる、という状況で、…

9月の誤算。

ついこの前まで、職場も街中も、“夏休み明け”というような雰囲気だったのに、あっという間に月末と上半期の終わりが目の前に迫ってきて、この週末は息もつけないような展開になってしまった。最大の誤算は、通常モードに戻って仕事の質量が一気に加速して押…

去りゆくレジェンドたちと、胸に渦巻く感情。

名球会クラスの選手たちの引退発表が相次ぎ、後々、プロ野球界の大きなターニングポイントとして語られそうな今年の秋に、さらに大きな引退劇が付け加えられた。 「昨季、プロ野球最年長勝利記録を更新し、年齢を感じさせぬ活躍で『中年の星』としてファンに…

「キャッチフレーズ」の商標審査基準をめぐるささやかな動き。

時々、商標関係の記事がポン、と載る日経新聞に、「キャッチフレーズ」の商標登録に関する記事が掲載された。 「特許庁は2016年4月にも、企業が商品の販売促進のために使うキャッチフレーズを商標登録しやすくする。審査段階で認める類型を増やし、登録まで…

悲しき知らせが蘇らせた記憶。

ネットニュースで、 「中村勝広氏 急死」 という見出しが最初に目に入ってきた時、何とも言えない気持ちになったのは自分だけだろうか。 「プロ野球阪神タイガースのゼネラルマネージャー(GM)で阪神、オリックスの監督を務めた中村勝広(なかむら・かつ…

「10回目」の節目で示された数字が物語るもの

平成18年に行われた第1回の試験から今年で10回目。 「新」という冠も付かなくなって久しい司法試験の最終合格発表の記事が今年も掲載された。 「法務省は8日、2015年の司法試験に1850人が合格したと発表した。昨年より40人増え、3年ぶりに前年を上回ったもの…

藤田騎手の突然の引退に思うこと。

そういえば最近、目立った活躍のニュースを聞かないなぁ・・・と思っていた矢先に、突如伝えられた藤田伸二騎手「引退」のニュース。UMAJIN.netのウェブサイトに、騎手の直筆のメッセージが掲載されている*1。藤田騎手が独特の美学と競馬界に対する一家言を…

静かに成立した改正個人情報保護法。

民法改正の見送りが公になった*1翌日、個人的には、今国会でのもう一つの目玉法案だと思っていた「個人情報保護法」の改正案が無事成立した。 「匿名の個人情報を企業などに提供できるようにして商品の購入履歴などの『ビッグデータ』を経済活動に生かすよう…

後味の悪い結末〜遅すぎた五輪エンブレムの“撤回”

ベルギー在住のデザイナーが発した『驚くほど似ている』という一言から、日本中を騒がす大事件になってしまった「東京五輪エンブレム」問題。この話題が沸騰し始めた頃に、「著作権侵害かどうか、という議論だけで進んでいくとこじれるんじゃないかなぁ・・…

見出しにもならない“民法改正”の気になる行く末。

今の国会がいろいろと落ち着かない展開になっている、ということは、ニュースを見ていれば素人でもある程度分かるし、より具体的な、「今国会では難しそうだ」という噂も耳にしてはいたのだが、それでも、実際に記事になってしまうと落胆を禁じ得ない。 「政…

渾身の企画記事に思うこと。〜Business Law Journal 10月号

数ある法律専門誌の中でも、企画のタイムリーさには定評のあるBLJ誌が、8月21日発行のBLJ2015年10月号に、またしても度胆を抜くような記事を載せてきた。BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: レクシスネ…

2015年8月のまとめ

例年のことながら、一年の間で相対的に最も余裕がある8月を、やろうと思っていたことを十分消化できずに終えてしまう、という展開になると、精神的にはちょっとダメージが大きい。 さらに、今年は、最後の一週間くらいで夏の気配がすっかり失われてしまい*1…

再び断罪された職務発明規程の運用〜野村證券職務発明事件高裁判決

何となく“夏休み”的な気分が抜けないまま、ぼんやりと最近アップされた判決をチェックしていたら、野村證券職務発明事件の控訴審判決が先週アップされていたことに気が付いて、ちょっと慌ててしまった。この事件の一審判決が出たのは、ちょうど特許法改正に…

一線を越えずに済んだことへの安堵感。

強制捜査や、被疑者の検察官送致(書類送検)等、事件発覚後のドラスチックな展開のインパクトが相当強かったこともあり、著作権業界では長らく話題が絶えることがなかった「ハイスコアガール」。刑事処分については事柄的に不起訴も十分予想されたものの、…

生々しく語られる就職戦線の混乱。

6月末頃に、自分の古い記憶も辿りながら、今年の就職活動の“荒れ模様”を皮肉るエントリーを書いたら*1、思いのほか反響があって、やはり、今の学生も、それを見守る人々も、皆、今年の無秩序状態に忸怩たる想いを抱いているのだなぁ・・・ということを改めて…

またしても阻まれた悲願

100年の節目となった第97回全国高校野球選手権大会決勝。東海大相模10-6仙台育英、という結果だけ見れば戦前の予想通りで、またしても宮城県代表&東北エリアの代表が優勝旗を持ち帰る機会を逃し、開幕前から絶対的な優勝候補に挙げられていた神奈川県代表が…

著作権法の未来を占う一つの論稿。

8月の真ん中くらいの時期、というのは、仕事もさすがに落ち着いてきて、比較的、時間的な余裕を持ちやすくなる。 仕事のペースが落ち着くと、その分、自分の処理ペースも連動して落ちてくるから(苦笑)、忙しい時に思っていたほどには、何も片づけられずに…

「100年」の節目に呼び起される記憶

例年なら、週末に何となくテレビのチャンネルを合わせてぼんやり眺めるくらいで、気が付くと優勝校が決まっている、という感じだったのだが、今年は清宮選手の大フィーバーが気になったこともあり、いつになく予選の頃から、「夏の高校野球」を注目して見て…

プログラムをめぐる著作権侵害訴訟の難しさ

「プログラムの著作物」が著作権法で保護される、ということは明文の規定で定められているとおりであり、そこに争いを入れる余地はない。 だが、「著作権法でプログラムが保護された」という事例を裁判例ベースで探そうと思うと、それがなかなか出てこない、…

帰ってきたワイルドカード〜商標法4条1項7号該当性が認められた一事例。

「商標法4条1項7号」といえば、商標の専門家の間でも、「どのような場面で適用されるべきか」という評価が未だに定まらない微妙な不登録事由(無効事由)である。 「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」 というあまりにシンプル、かつ漠とした…

消費者契約法改正をめぐる暗闘の始まり?

これまで、あまり世の中の注目を浴びることもなく、ひそやかに進められていた消費者契約法改正の動きが、突如として日経紙の「社説」で取り上げられた*1。 「副作用大きい消費者契約法改正の再考を」 と題するこの社説は、ほぼ、タイトルから想像できるとお…

東アジア杯の「惨敗」を未来につなげるために。

中国・武漢の地で行われたサッカー東アジアカップ。 「国際Aマッチ」扱いされないローカル大会で、「国内組」オンリー&初代表組多数、というチーム編成とはいえ、ハリルホジッチ体制になって初めてのタイトル戦で、しかも相手は勝手知ったる北朝鮮、韓国、…

解消された一つのモヤモヤ。〜JASRAC最高裁判決に対する調査官コメントに接して

本年4月に上告審判決が出され、「排除措置命令を取り消した審決を取り消した高裁判決」*1が確定したJASRAC事件。高裁、最高裁が示した「排除型私的独占」該当性の判断枠組みや、「排除効果の有無」に関する判断の内容に対しては、自分も何となく、“こんなも…

こんな時代だからこそ光る、第一人者の一言。

会社法改正やら、「コーポレートガバナンスコード」制定やら、という動きもあり、最近、メディアで(特に某経済新聞で)「社外取締役が必要だ!」的な報道に接しない日はない、といってよいくらい偏向した世の中になってしまっているのであるが、そんな中、…

ブログ開設から10年、の節目に。〜「企業法務戦士」は何と戦ってきたのか? 

2005年8月4日、「最近流行りなるブログなるものを開設してみた。」という一言から始まったこのブログも、とうとう開設から10年の節目の時を迎えた。「10年」というとすごく長く感じるが、当時流行していた曲を聞いても“懐かしい”と思うほどの時代ギャップは…

残念なアンケート結果

日経新聞の法務面に、「日本組織内弁護士協会のアンケート調査」に基づく『社内弁護士の意識調査』が掲載されている。そして、その結果といえば、 「社内弁護士が現在の勤務先を選んだ理由は『ワークライフバランスを確保したかったから』が最多で52.9%だっ…

五輪エンブレムをめぐる狂騒に落としどころはあるのか?

半信半疑ながらも「招致決定」のニュースに何となく安堵したのは、僅か2年前のこと。 だが、その後、招致に奔走した都知事が庁舎を去ったあたりから雲行きがあやしくなり、さらに今年に入ってからスタジアム建設問題が一気に火を噴いて、「大丈夫か?」ムー…

2015年7月のまとめ

月が替わって以降、先月末の傾向に輪をかけて一気に暑さが押し寄せてきた7月。仕事の量自体は少し落ち着く方向に向かっていたものの、前月までの反動で入ってきたオフタイムの予定に連日振り回され、週末や連休中まで、ろくろく家にいない生活を送っていたせ…

「問題の本質」に迫ることの難しさ〜「東芝第三者委員会調査報告書」全文に接して。

ここ数か月の間、どんな会社の法務担当者にとっても決して他人事ではない、重い課題を突き付け続けている「東芝」問題。オリンパスの時と同様、断片的に飛び交う情報だけで安易にコメントするのは憚られる内容だけに、なかなかこのブログでも触れる機会がな…

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