労働

“争議”は“葬儀”の一里塚。

経営再建に向けて青息吐息状態のJALだが、危機的状況においても会社の“風土”は依然維持されているようで、(いまどき珍しく元気がいい)組合のニュースも、相変わらず紙面を賑わせている。で、先般の争議権確立投票をめぐる労使の攻防が遂に労働委員会に持ち…

新卒採用をめぐるパフォーマンス

最近、大学新卒者の採用活動の時期をめぐる議論がいろいろと喧しいなぁ、と思っていたら、遂に商社の業界団体が“画期的な(?)”パフォーマンスに走った。 「商社の業界団体である日本貿易会は17日、大学新卒者の採用活動の開始時期を現在より4ヶ月程度遅ら…

“リーディングケース”の落ち着きどころ

会社組織再編法制と労働法のルールが交錯する興味深い分野における“リーディングケース”として注目を集めていたIBM転籍訴訟において、ついに最高裁の判決が出された。 「会社分割で新会社に転籍することになった日本IBMの従業員が、同社に転籍の無効の確認な…

年金減額をめぐる壁

提訴以来、業界では何かと話題になることが多かった「NTT企業年金規約変更不承認処分取消請求事件」。 地裁、高裁とNTTグループ側敗訴、という結果となり、最後の砦と目された最高裁でもとうとう上告を退ける決定が出されたようである。 「NTTグループが申請…

勇敢な戦いの末に。

採用内々定取消が社会問題化したのは、“リーマン・ショック”等の影響で、就活戦線が一気に暗転した08-09年だったと思うが、そんな状況の真っただ中で内々定を取り消した会社を訴えた勇敢な学生たちが、一つの大きな成果を勝ち取った。 「景気悪化などを理由…

レアな事例判断

「依願退職後、競合会社を立ち上げた社員に対し、元勤務先が損害賠償を求めた事件」で「最高裁が元勤務先の請求を棄却した」というニュースが、日経紙に掲載されていた(日本経済新聞2010年3月26日付朝刊・第42面)。 筆者自身、かつて関心のあった分野だっ…

スカイマークの“不祥事”の謎。

スカイマークをめぐる“不祥事”が、この日の朝刊に相次いで掲載されている。 そのうち1件は、「副操縦士が巡航中に操縦室をデジカメで撮影した」というもので、これについては何を言われても仕方ないだろう。 だが、もう1件の方は何か引っかかる。 「スカイマ…

松下PDP訴訟決着。

「規制改革」以降の雇用実態を批判する側の論者にとっては、ある種の“シンボル的事件”になっていた「松下電器PDP子会社に対する地位確認等請求事件」。 特に、大阪高裁が平成20年4月25日に、「1審原告が,1審被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあ…

負の遺産

就任早々、「タスクフォース」なる謎の軍団を組織して“日航再建”の功名を挙げようとした前原誠司国土交通相だったが、結局、金融機関の反発もあって、「企業再生支援機構」の活用、という大山鳴動して・・・的な結論に落ち着いてしまった。 結局再建案はお蔵…

待望の新刊

労働法にまつわる仕事にかかわっている多くの関係者が待ち望んでいたであろう、本格的な概説書が遂に発刊された。 労働法作者: 荒木尚志出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2009/08/12メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (6件) を見る 自分も…

労働者の意思か、それともパターナリズムか?

育児休業法の改正案がまもなく国会で成立する見通しとなっているが、そんな中、興味深い紛争事例が記事になっている。 「ゲーム開発会社「コナミデジタルエンタテインメント」(東京・港)社員のAさん(36)*1が16日、育児休業から復職後に降格されたのは違…

春の学会シーズン

今年もめぐりめぐって、学会の季節になった。 なんだかんだと貧乏暇ナシ生活なので、覗きに行けるかどうかは怪しいところだが、一応心覚え的に挙げておくことにしたい。 著作権法学会 2009年5月16日(土)10時〜17時 一橋記念講堂 非会員の参加費は、学生500…

「生活者の論理」という視点

結局、さしたる成果もあげられないまま、このGWの5連休を終えようとしているのであるが、そんな中、唯一読んだ本が↓である。 雇用はなぜ壊れたのか―会社の論理vs.労働者の論理 (ちくま新書)作者: 大内伸哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/04メディア:…

運命の皮肉。

昨年暮れに内定取消で話題となったマンション分譲大手の日本綜合地所*1。 今週前半には、学生と労働組合に対して補償金を支払うことで最終的に解決した、というニュースが流れたばかりだったのだが・・・ 「マンション分譲大手の日本綜合地所は5日、東京地裁…

現代の戦う若者。

以前、「内定取り消しに果敢に挑む学生」の話題を取り上げたが、ついにここまで来たか、と感服させられたニュース。 「福岡県内の大学4年の男子学生が、採用の内々定を取り消された福岡市の不動産会社を相手に、損害賠償を求める労働審判を福岡地裁に近く申…

これが望まれた展開なのか?

年の瀬になっても景気のいい話を全く聞かない今日この頃。 いすづ自動車が期間従業員の途中解雇方針を撤回したのも束の間、翌日の朝刊には、 「いすづ全社員 賃金カット」 という見出しが躍る。 「いすづ自動車は販売不振を受け、国内に約8000人いる全社員を…

トヨタの赤字転落報道に思う。

確かに、世界的な不況と為替相場の急変動で、半年前と状況が大きく変わったのは理解できるのだが・・・ メーカー各社の雇用調整に対して、批判的な世論が沸きあがってきているタイミングでの大々的な発表に作為的なものを感じるのは筆者だけだろうか・・・?…

頑張っている、と素直に評価すべきか、それとも・・・

民主党が「緊急雇用対策」と銘打っていくつかの法案を参院にまとめて提出した、というニュースが最近の紙面を飾っている。 まだ議院のHPには法案の条文そのものがアップされていないようで、民主党のサイトから法案の骨子を眺めることくらいしかできないのだ…

内定取消の代償

以前取り上げていた記事*1の続報。 「マンション分譲大手の日本綜合地所は2009年4月の採用を内定しながら、取り消した53人に対して100万円を支払うことを決めた。既に多くの企業が来春採用の募集を打ち切り、就職先探しが困難なため、迷惑料として補償金を支…

改正労基法成立

ここのところの不況風と政治的混乱のおかげで、すっかり置き去られた感のあった労働基準法の改正案がようやく成立した。 「月に60時間を超える分の残業代の割増賃金率を現行の25%以上から50%以上に引き上げる改正労働基準法は5日午前の参院本会議で与党と…

こういう時だからこそ戦え!

「サブプライム・ショックに端を発した景気悪化」という見出しが連日のように躍る今日この頃。 それに伴って、設備投資の抑制だとか人員削減だとか、といった、ますます景気を悪くするような話題が世の中に満ちてきているのだが、そんな中、一筋の希望を見出…

理解不能な不同意

最近になっていろんなところでボロが出てきた野党第一党。 思えば春先の日銀総裁人事をめぐるゴタゴタの時点で、この政党の現執行部体制下での政権担当能力の欠如ぶりが白日の下に晒されていたわけだが、ここに来てさらに理解不能な“不同意”をしかけてきた。…

派遣労働規制、ついに。

前々から話題にしていた派遣労働法制見直しの動きだが*1、厚生労働省が「方針を固めた」というニュースが日経新聞に掲載された*2。 日経にこういう記事が載る、ってことは、9割方その内容で法案(政府原案)化される見込みになった、と考えて良いと思うのだ…

結局はこうなるわけだ。

製造業現場に「請負」や「労働者派遣」といった労働形態が浸透してきたことが、あたかも「格差社会」の元凶かのように指弾されている昨今であるが、↓のようなニュースを見ると、製造現場に「正社員」の活躍の場を取り戻したところで何ら現状の改善につながら…

救われるのも「労働者」。割を食うのも「労働者」。

与党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」(座長・川崎二郎衆院議員)が、労働者派遣制度見直しの基本方針をまとめた、という記事が載っている*1。 記事を読む限りでは、内容として 「日雇い派遣の原則禁止」 と、 「グループ企業など特定企業を主な…

名ばかり平社員

投身自殺したキヤノンの研究職社員に対し、沼津の労基署が労災認定したというニュースが記事になっている。 この事件の特徴として挙げられるのは、 「男性の職場では午後10時以降の残業はできないようになっており、男性は深夜に自宅でパソコンで仕事をして…

QC活動にメス

社員の労災事件で、名古屋地裁がQC活動を業務認定した衝撃がよほど大きかったのか、トヨタ自動車がQCサークルに対して残業代を全額支払う方針を固めたそうである。 世の中のQC活動の実態を見れば賃金を支払うのは当然のことだし、上記のような潮流にも違和感…

おいおい・・・なQ&A

日経新聞の月曜法務面を見ていたら、「リーガル3分間ゼミ」というコーナーに、こんなQが掲載されていた。 「就職を希望する学生のOB訪問を受けた20代の社員。進路選択のヒントにと、自社に不利な内容も含めて現状をありのまま伝えたら、その学生が内定を辞退…

偽装請負に鉄槌?

昨日の判決が夕刊になってようやく掲載されたあたりに、日経新聞のポジションが透けて見える(あえて朝刊に載せなかったのか、会見出席を拒否されて情報入手が遅れたのかは不明)のだが、松下プラズマディスプレイ社の偽装請負問題を巡る訴訟(通称「吉岡訴…

ノイズ研究所事件終結

成果主義型賃金制度の合理性が争われていた「ノイズ研究所」事件で、最高裁が社員側の上告不受理決定を出したようである。 「成果主義型の賃金制度の導入で減給となったのは不当として、社員二人が勤務先に減額分の賃金の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高…

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