2011-01-01から1年間の記事一覧

定義の曖昧さが招く混乱。

ここしばらく法務業界で話題になっている東京都の暴力団排除条例が今日施行の日を迎えることになり、これで、全国47都道府県で「暴力団排除条例」が出そろうことになる。組織的背景をバックに、人々の活動を威圧し妨害するような迷惑な輩は、この世に存在し…

2011年9月のまとめ

暑い夏もいつしか去り、朝夕はめっきりと涼しくなってきて、ふと我に返るともう9月も終わり。元々の仕事量に加え、柄にもなく2度の三連休をアクティブに過ごしてしまったこともあって、強烈な負荷を日々受けながら月末を迎えることになってしまった。月が変…

イチローの終戦とこれから。

イチロー選手の活躍を伝えるニュースの中で毎年報じられていた、「残りX試合で、(200本まで)残りY本」というこの季節恒例のお決まりフレーズが、日々空しく聞こえるようになっていった今年のメジャー終盤戦。正直、並の選手なら、↑のY÷Xの数字が「2」を超…

「約款」をめぐる綱引き

債権法改正を巡る法制審議会での議論が第2ステージに入ろうとしているこの時期に、「約款」をめぐる産業界の意見が日経紙の「法務インサイド」で取り上げられている*1。ざっと紹介すると、 「不特定多数にサービスを提供するヤフーにとって、約款なしではビ…

「被害者」もパージされる時代。

それなりにファンの多い厩舎だったから*1、いきなりの発表にショックを受けた人も多かっただろう。袂を分かったかつての弟子、三浦皇成騎手の吉報が報じられ、その余韻も冷めやらぬタイミングでのこの記事。 「日本中央競馬会(JRA)は26日、河野通文調教師…

調書は飛んでも事件は飛ばず。

検察官が請求していた捜査段階の供述調書の証拠採用が退けられるなど、郵便料金不正事件の再来を思わせるような展開で審理を終えていた「陸山会」事件。だが、東京地裁は、最後の最後で、あっと驚くような判断を示した。 「小沢一郎・民主党元代表の資金管理…

東電に物申す。

8月に中間指針が出されてから約1ヶ月半。 遂に東京電力の側でも万全の補償体制(?)が整ったようで、満を持して、個人への本賠償方針に続き「法人・個人事業主への本賠償」に向けての方針も正式に発表した。 (http://www.tepco.co.jp/cc/press/11092102-j.…

シノマリが頂点に立った日。

自分がAKB48をまっとうな“スター軍団”として評価できなかった(単なる色モノとしてしか評価できなかった)最大の理由は、どっからどう見ても次元が違うスケールを誇る篠田麻里子が長らく“脇役”に甘んじていた・・・というところにあったのだが*1、まさかこん…

まねきTV&ロクラク2最高裁判決の先にあるもの

今年の1月、多くの知財業界関係者に強いインパクトを与えた2件の最高裁判決(まねきTV、ロクラク2事件)が出されたのは記憶に新しいところである*1。判決当初の“射程無限大”的な理解は、その後の冷静な議論を経て最近ではすっかり影をひそめ、今では、「放送…

癒される一冊。

予想通り、9月に入ってからの日が過ぎるスピードの早さには正直呆れるばかり。 連休だとか何とか言っている間に、早くも月の半分を終えることになってしまっている。そんなあくせくした毎日に、少しでも癒しを・・・ということで、最近映画化もされ、いろい…

小売商標の権利範囲に関する基準定立の試み

小売商標制度が世に導入されてから、はや4年半が経った。既に総合小売及び各特定小売の区分で登録されている商標は多数にのぼると思うが、その権利行使をめぐって争われるような事例は、少なくとも最高裁HPにアップされている判決例の中には登場していないし…

9・11/分岐点

アップするのがだいぶ遅くなってしまったが、今年の9月11日に考えていたことをちょっと書いてみる。「東日本大震災から半年」と、「米国同時テロから10年」という話題がひたすら繰り返しテレビで流れていた今年の9・11。まだ生々しい記憶が消えないが故に、…

広がった“格差”

予想はされていたことだが、今年も残酷な結果となった新司法試験。 「法務省は8日、法科大学院修了者が対象となる2011年の新司法試験の結果を発表した。合格者は昨年より11人少ない2063人で、02年に閣議決定した「10年ごろに年間合格者数3千人程度」との政府…

法廷開けたらサトウの敗訴。

以前、地裁判決の際にこのブログでも取り上げていた「切り餅」の特許権侵害訴訟で、何と、原告・越後製菓の請求を棄却した一審判決がひっくり返され、被告・佐藤食品工業の特許権侵害を認める中間判決が出された、ということが、7日のニュースで報じられた。…

危険地帯。

ここのところ、夜テレビを付けると、女子、男子、女子、男子と、サッカーの日本代表チームが、世界規模の大会の予選を戦っている。世界につながる道とはいえ、アジアの中の戦いだから、格下の相手に対してはそれなりの結果も見込める、それゆえ、サッカー好…

“自炊”騒動・秋の陣

昨年末の「自炊の森」騒動あたりから*1、一部のマニア層だけでなく、著作権業界でも広く話題になっている“自炊”代行サービス。最近の議論では、今年の1月に出された「ロクラク」最高裁判決などを受けて、ブックスキャンサービスの工程を (1)書籍の購入 (2)書…

意外な数字。

状況が二転三転した末に、結局は最初に手を挙げた人に落ち着いた、という感のあった、民主党新代表、新首相選出劇。コメントする機会を逸してしまったなぁ・・・と思っていたら、週末になって興味深い記事が出ていたので、ここでエントリーを立てておくこと…

最後に勝つのは正義。

地裁判決の時にも話題になっていた「オリンパス内部通報報復事件」で、会社側に大きな打撃を与えるような高裁の逆転判決が出た。 「社内のコンプライアンス(法令順守)窓口に上司の行為を通報したことで配置転換などの報復を受けたとして、オリンパス社員、…

2011年8月のまとめ

夏休みの間にじっくり・・・と思っていたことにも、あまり手が付けられないまま8月を終えることになってしまった。 毎月同じようなことばかり言っていても仕方ないのは分かっているのだけれど、今の環境の中で変えられることにはどうしても限界があるわけで…

心のリハビリ

この数日間、久々に自分のやりたいことに時間を使えた、という意味では、随分と心のリハビリができたような気がする。長いブランクがある割には、最先端の動きからはそんなに置いていかれてない、ということも、何となく感じることができたし*1。休みと言い…

イメージ戦略の功罪。

何が何だかよく分からないまま、噂ばかりが飛び交う“島田紳助問題”。わが世の春を謳歌していた一流芸人兼プロデューサーが、「反社会的勢力」と目される暴力団関係者と密接な関係にあった、という事実が世の中に与えたインパクトは大きかったようで、例の会…

壮大な学級会

自分から「辞める」と言うことは絶対にないと思っていた菅直人首相が、とうとう吹っ切れてしまったことで、民主党の代表選が、とうとう現実に訪れることになった。報道では、連日のように「有力候補」と目される人々の動向を伝えているのだが、それ以上に良…

定番のコメント

今年もまた、「夏の二回試験」(1年4ヶ月修習組メインの二回試験)の結果発表の季節がめぐってきた。 「最高裁は23日、司法修習を終える185人の司法修習生を対象にした卒業試験(考試)で、24人が不合格になったと発表した。受験者数に占める不合格者の割合…

ライフ・イズ・ワーク

月曜日の日経紙に「領空侵犯」というインタビューコラムがある。このコラム、テーマによって当たり外れが大きくって、脱力させられることもしばしばなのだが、今日のは良かった。 題して「ワーカホリックも悪くない」*1。語るのは明石康・元国連事務次長。「…

“法務の戦い方”を学ぶ本

涼しげな避暑地で猫と戯れながら読書・・・なんて生活とは程遠かった今年の夏だが、そんな中でも辛うじて読めた本が、↓の2冊。下町ロケット作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/11/24メディア: ハードカバー購入: 20人 クリック: 404回この商…

タイトルに偽りが・・・

久しぶりに休日の予定が空いたので、今さらではあるが、意外に評判のいい「アンダルシア女神の報復」を観てきた。あくまで「映画」というよりは、2時間仕立てのドラマ、というのが前々から分かっている作品だけに、取り立ててどうこう言うのは大人げないと思…

夏の憂鬱

世の中では、節電の関係もあって、やれ一斉休暇だとか、退社時刻早めるだとか、在宅勤務を拡充するだとか、といった、今年の夏の様々な“変化”が報じられている。だが、我が身を振り返ると、ほとんど変わらない・・・というか、例年以上に降り積もる仕事の山…

『愛の劇場』オープニングテーマ曲のお値段。

著作物を制作した者とそれを利用する者との間でトラブルが生じる、というのは、良くあることだし、間に第三者が入っているような場合は、余計にそのリスクが増すことになる*1。それでも、著作物がマイナーなものであれば、そんなにおおごとにならずにカタが…

「中間指針」の意味

4月からコンスタントに議論を続けてきた、原子力損害賠償紛争審査会が、ついに「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(いわゆる「中間指針」)を発表した*1。様々な意見はあろうが、これだけの大…

ヒーローは死して名を遺す。

練習中に倒れて意識不明の状態に陥っていた松田直樹選手が、急性心筋梗塞により34歳の短い人生を終えた。彼がJ1でプレーしていた16年間、自分はもっぱら“憎き敵方の守備の要(しかも激しいプレーで味方のチャンスだけでなく、選手まで潰してくれる・・・)”…

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