2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

2012年1月のまとめ

連日襲ってくる寒さと、度を逸した“節電”という名のコスト削減策のせいで、周りを見回すと、風邪引きだらけの野戦病院状態・・・なのだが、何とか出だしの1ヶ月は乗り切った。もちろん、自分も冷え性だし、寒さは人一倍苦手なタチなので、正直日々辛さをこら…

「ゆう」だけでは守れなかったブランド

今月の12日に判決が出され、翌日の朝刊にセンセーショナルな見出しが躍った「ゆうメール」商標権侵害差し止め請求事件*1。判決が最高裁HPに掲載されるまでに少し時間がかかったこともあって、本格的に紹介するのが遅くなってしまったが、もう1月も終わり、と…

打ち破れなかった“ドリームキラー”の壁。

数日前の日経紙のスポーツ面に、武智幸徳氏が「ドリームキラー」というタイトルのコラムを書かれていた*1。このコラムの中では、「選手やチームのレベルアップの大きな妨げ」になる「ドリームキラー」として、 「夢や高い目標を掲げる選手の耳元で「身の程を…

法律家にとっての教訓。

強引に起訴に持ち込んで勝負を賭けた検察側の思惑を、完膚無きまでに叩きのめした神戸地裁判決*1から14日、意外にも神戸地検は「控訴断念」を発表した。 「2005年4月、乗客106人が死亡するなどした兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪に…

原発損害賠償紛争をめぐる綱引き

鳴り物入りで発足しながらも、体制の脆弱さゆえに、紛争解決に向けた進捗の遅れが、関係筋で指摘されている、「原子力損害賠償紛争解決センター」。そんな中、昨年末に仲介委員の和解案が示され*1、双方の対応が注目されていた。 「原発事故の損害賠償を巡る…

これを“お手盛り”と言わずに何と言おうか。

ここのところ毎日のように業界の話題に上がってくる、会社法改正の中間試案の話題。経団連が予想通り、強気の意見を出してはいるものの*1、「ガバナンス強化」一辺倒の掛け声の中では多勢に無勢。おそらく、社外取締役最低1名の導入義務付けは不可避だろう、…

特許庁基幹システム開発をめぐる悲劇。

平成16年の最適化計画策定からはや8年、平成18年の開発着手から6年、しかし平成23年1月という稼働予定時期はとっくに過ぎ、一体どうなるのかと危ぶまれていた特許庁の基幹システム開発がやはりポシャった。 「特許庁が24日、東芝ソリューション(東京・港)…

“80年ぶりの奇跡”が呼び起こした記憶。

テニスの全豪オープンで、錦織圭選手が、第6シードのツォンガ選手をフルセットの末破り、ベスト8進出。 日本人としては1932年の佐藤次郎選手、布井良助選手以来、80年ぶりのベスト8進出を果たした。昨年後半あたりから調子は上向きになっていたようだし、今…

6年ぶりの雪。

雨予報の日にしてはやたら冷えるなぁ、と思っていたら、やっぱり・・・。夕方から夜にかけて用事を済ませ、外に出たら、中途半端に積もった雪が微妙に溶けながら凍り付いてて、足許がおぼつかないことこの上なかった。たかだか2〜3時間飲み屋で引っかけてい…

13度目の正直。

卓球の全日本選手権、女子シングルスで、長年タイトルに手が届かなかった福原愛選手が遂に優勝を飾った。何と、この種目に13度目の挑戦での栄冠。ちっちゃな子供の頃から「天才少女」として名を馳せ、「いずれフェードアウトするだろう」、「所詮は早熟の“テ…

未だ彷徨い続ける「MYUTA」の亡霊とクラウドの未来。

昨年初めに、まねきTV/ロクラク2の最高裁判決が出て以来、「クラウドサービスと・・・」というネタだけで一年が終わってしまった感がある著作権業界。年が明けても、その流れは未だ健在のようで、我らが日経紙も先週の「法務インサイド」に続き、「@ネッ…

“選択と集中”のリスク

米国の名門企業、イーストマン・コダック社が連邦破産法11条の適用を申請した。 「破産法」適用と言っても、日本の破産・再生法制よりは遥かにスピーディーに事が進むのが米国流で、GMのように、余分な贅肉をすっきり落とし、再び世界の強豪企業として返り咲…

勇気ある選択?

ここ1、2年の間に、企業内に入ってくる法曹有資格者の数が恐ろしい勢いで増加している、というのは、既にあちこちで言われていることだが、1月18日付けの日経紙に掲載された記事は、そんな中でも、相当なインパクトを持って受け止められそうなニュースであ…

たった一度だけだった奇跡。

「ローマの休日」仮処分事件を皮切りに、「シェーン」事件の最高裁判決で、旧著作権法下で世に出された名作映画が、一気にパブリックドメイン化する・・・と思ったのもつかの間、チャップリンや黒澤明の映画に関し、「監督という自然人を著作者にする」とい…

今年の冬

節電でオフィスの暖房をかなりケチっている、というのがあるにしても、今年の冬はいつになく寒い気がする。この日届いた電力料金の明細を見ても、あらびっくり・・・。 今年の夏頃の数字と比べると、実に倍以上の消費電力になってしまっている。元々、自分自…

またしても繰り返される「社外取締役義務付け」称賛論

会社法改正、というと、脊髄反射的に「社外取締役『義務付け』」を叫ぶのが、最近の日経新聞。ということで、パブコメ募集期間真っただ中の16日付け朝刊の法務面にも、 「会社法改正議論/社外取締役「義務付け」進むか」(日本経済新聞2012年1月16日付け朝…

“甘さ”を捨てて、今度こそ返り咲く。

14日にチームスローガンとして、 「DAKKAN 奪還×脱甘」 を発表したジェフユナイテッド千葉。クラブのHP*1には、 「今シーズンのスローガンはDAKKAN(だっかん)です。J1になぜ昇格できなかったのか、そしてJ1に昇格できないことで私たちが失ったものは何か、と…

競業避止特約の有効性をめぐる一事例

14日付けの朝刊に掲載された「アリコ社の転職禁止条項『無効』」事件を、少し懐かしい気分で眺めていた。 「優秀な人材とノウハウの流出防止を目的に、外資系生命保険会社が執行役員との間で取り交わした「退職後2年以内に競合他社に就業するのを禁止し、違…

「ゆうメール」商標をめぐる微妙な判断

小さな記事ではあるが、商標法フリークにとっては、ちょっと気になるニュースが一つ。 「「ゆうメール」のサービス名を商標登録している札幌市のダイレクトメール(DM)発送会社が、日本郵政の郵便事業会社を相手取って商標使用差し止めを求めた訴訟の判決…

「無罪」の重さ

起訴された時から懐疑的なコメントを寄せる識者が多く、このブログにおいても、「不可解な起訴」と題して疑問点を指摘した*1、福知山線脱線事故に関する山崎元社長の刑事事件。あれから2年半、第1ラウンドの神戸地裁で、やはり・・・といった感のある無罪判…

その正義はどこにある?

年明け早々に読み終わって、感想を書こうと思ったら、dtk氏に先を越されてしまったので*1、しばらく寝かせていた一冊について。会社法の正義作者: 草野耕一出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2011/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含…

これは「クラウド」の問題なのか?

年明け最初の日経法務面。 どんな記事が出るんだろう、とワクワクしながら9日の朝刊紙面を開けたら、期待通り、 「『クラウド』普及に法的課題」 という、何とも美味しい見出しの特集が組まれていた。確かに、最近、講演やセミナー等で登場する著作権絡みの…

青と白。壮絶な戦いの末に。

成人の日が高校サッカーの決勝戦の日になって、はや10年近くになるだろうか。 高校野球と同じく、自分の世代がだいぶ離れてしまったこともあって、ここ数年は、見ても決勝戦だけ、ということが多く、特にこの2、3年は決勝戦の試合も見たか見てないか記憶が怪…

あっと驚くモデルチェンジ。

毎年購入していた『知財年報』が、今年はなかなか発行されないなぁ・・・と、書店の別冊NBLのコーナーに行く度に首を傾げていたのだが、年明けに弁護士会館地下の知財書のコーナーに行き、たまたま並んでいた本を見て、実は自分がとんでもない思い違いをして…

原発について考える上で欠かせない一冊。

新年早々「原子力損害賠償支援機構が資本注入と引き換えに、東京電力の普通株式取得を検討」などという、ちょっとしたサプライズが飛び込んでくるなど、今年もしばらくの間は、原発と東電(&各電力会社)をめぐるニュースが世の中を賑わせそうな気配である…

踏んだり蹴ったりのTBS

TBSといえば、最近あまり華やかなニュースもなく、注目されたことといえば、何年か傘下に置きながら、まるで結果を出せなかった横浜の某お荷物球団を売却した・・・ということくらい。自分が子供の頃は、「ドラマといえばTBS」などと言われていたこともあっ…

“やらせ投稿”は「違法」なのか?

突如としてニュースに流れた「食べログ・やらせ投稿」問題。記事によると、 「価格比較サイト大手、カカクコムが運営する人気グルメサイト『食べログ』で、金銭を受け取って飲食店に好意的な口コミを投稿するなどし、ランキングを上げようとする「やらせ業者…

明らかに逆効果な・・・

年が明けて会社に行くと、うんざりするのが、自分の「名刺の宛先」宛てに来た年賀状の山。こんな時代でも、自分は蒼井優に催促されるまでもなく*1、年賀ハガキを買ってきて25日までに投函する、というJPに優しい人間だし、いただいて嬉しい年賀状もたくさん…

世界の「Apple」の敗北

昨年末、東芝の私的録画補償金訴訟(控訴審)で締めた当ブログの知財判例紹介コーナーだが*1、年初めは、オープニングにふさわしい、グローバルなネタで。ここ数年「iPod」を皮切りに、「iPhone」、「iPad」とヒット商品を次々と世に送り出し、今は亡きジョ…

新年、新しい気持ちで新しいジュリストを読む。

「1月号」とはいえ、手元に届いたのは年末休みに入る前だったから、今さら・・・という感もあるのだが、気持ち新たに読むにはちょうど良いだろう、と思い、新年早々読んでみたので、ここに「新しい『ジュリスト』」の感想をちょっと書いてみる。ジュリスト 2…

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