2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2019年7月のまとめ

月末になって、ようやく長い長い梅雨が明け、かろうじて本格的な夏が到来した今年の7月。 でも、梅雨明けからわずか数日しか経っていないのに、既に昨年よりはるかに長く夏の陽射しを感じられたような気がして、今こうやって幸福な時間を過ごせることに心か…

どこまでも、完璧過ぎたから・・・。

ディープインパクトが、逝った。自分は「強すぎる馬」は決して好きではない。 大きいレースになればなるほど、”絶対的本命”視された馬に、何かとケチを付けて買わない口実を探し、結果的には順当に収まっているのに、「今日は運がなかっただけ」と呟くしょう…

最近の法律雑誌より~2019年8月号(法律時報、ジュリスト)

昨日、ジュリストのHOT issueの紹介だけで一エントリーを立ててしまったところでもあるので、恒例のこちらの企画の方は、2誌まとめる形にさせていただいた。 とはいえ、今月も興味深い記事が多く(特に法律時報)、本格的な夏が始まり、仕事も少し落ち着いた…

「法務」という名の船に乗って、我らはどこへ向かうのか?

先月号の予告の時点から気になっていた企画ではあったのだが*1、やっぱり読んでみたら迫力満点、そして考えさせられることも山のように出てきた、ということで、月例の法律雑誌シリーズとは別立てで、ジュリスト2019年8月号の「HOT issue」を取り上げてみる…

結局はこうなってしまうのか、という・・・

今年の春以降、断続的に取り上げてきた「オプジーボ」特許の対価をめぐる問題。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comk-houmu-sensi2005.hatenablog.comその後も、なかなか歩み寄りにつながりそうな気配もなくて、どうなるのかな、と気を揉んでいたら、遂に以下…

「非常識」でも「英断」でもない、冷静な判断。

今年の4月に「球速163キロ」を記録し、「岩手から再び怪物登場!」とばかりに俄然フィーバーに巻き込まれることになってしまったのが、岩手県立大船渡高校の佐々木朗希投手だった。それまで全国的には全く無名に近い存在だったし、チーム自体、岩手県内の大…

しびれる攻防~アスクル株主総会に向けた関係者の動き・PART2

ちょうど一週間前に、当ブログで、アスクル株式会社の大株主の株主総会での議決権行使(現社長の取締役再任拒否)をめぐる動きについて簡単に取り上げ、「ワーストおやじギャグ」という批判を受けつつも、多くの方に目を通していただいたところだった。k-hou…

久々に見た「小売商標」の本質を突く攻防~「MUSUBI」商標の不使用取消をめぐって

思えば商標法の世界に「小売商標」なる得体のしれないものが導入され、「当局の説明を何度聞いても運用のイメージがわかない!」という担当者の悲鳴と阿鼻叫喚の中、施行されてからはや12年。干支がくるっと一回りするくらいの月日が流れた。幸いにも、特許…

「COLD WAR」の衝撃。

最近、日々の時間に余裕を作れるようになったこともあって、移動の機中以外の環境で映画を見る、という贅沢を久しぶりに楽しんでいる。 そして、そんな中、前評判に釣られて観にいった「COLD WAR あの歌、2つの心」がまた凄い映画だった。style.nikkei.com…

打ち合いの末の痛み分け?~「ブロマガ」商標侵害訴訟・東京地裁判決

たぶん、黒塗りに時間がかかったせいだろう。 判決言い渡しから1か月くらい経って、ひっそりと最高裁HPにアップされた東京地裁知財部の判決。だが、よく読むとこの事件、提訴時には、商標界隈のマニアックな方々の間でもかなり話題になった、あの「ブロマガ…

歴史は繰り返す。

とりあえず、今回の参議院選挙も終わった。7月も下旬に差し掛かっているというのに相変わらずすっきりしない天気。 とはいえ、東京ではそんなに雨も降っていなかったので、投票に行くにはちょうどいい日和*1かなとも思ったのだが、蓋を開ければ記録的な低投…

情熱フットボール大陸。

日本時間では土曜日の早朝、現地時間では7月19日夜、サッカーの「2019 Africa Cup of Nations」(アフリカ選手権)の決勝戦が行われた。どこの大陸でも行われているこの種の大会だが、ずっと日本に住んでいるとアジアカップ以外に目を向けるのは、メディアが…

公取委の「注意」報道をめぐるモヤモヤ感。

水曜日の夜くらいから飛び交い始めた「公正取引委員会が元SMAPメンバーの起用妨害に関してジャニーズ事務所を注意」というニュース。元々「SMAP」をめぐっては、2016年の「屈辱会見」から「解散報道」を経て、「事務所vs三人衆(+残った一人)」のきな臭い…

アスクルに明日は来るのか?

単にタイトルのダジャレを書きたかっただけだろ、という突っ込みは甘んじて受けるが*1、実際、傍から見ていると「この会社の明日はどうなるのだろう?」等々、いろいろと考えさせられる話題ではあるわけで・・・。17日、18日と各メディアでも立て続けにニュ…

「独禁法」適用領域の拡大はまだまだ止まらないのか?

今年の4月に、「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の動きと相まって、新聞紙上を賑わせた「独禁法によるプラットフォーマー規制」問題。「大手プラットフォーマーによる寡占状態に適切な規律を及ぼすのは競争政策の役割だ」と…

鶏が先か、卵が先か。

最近、いろんなところで取り上げられることが多い「リーガルテック」周りの話になるが、ちょうどBUSINESS LAWYERSに「Hubble」の記事が取り上げられているのを見つけていろいろと思うところがあったので、ちょっと取り上げてみることにする。business.bengo4…

「年に一度の大感謝祭」と、どうでもよい思惑。

前日くらいから、家の人が「今日から年に一度のAmazonプライム大感謝祭だ!」と耳元で騒がしい・・・。Amazonのプライム会員にはちょっと前からなっていたものの、例年なら慌ただしい日常の中、どうでもよい感じで通り過ぎるイベントの一つに過ぎなかったし…

「表現」と「アイデア」の境界線はどこにある?~「金魚電話ボックス」地裁判決への違和感。

数日前の夕刊にちょっとした記事が掲載され、SNS界隈でも話題になっていた「金魚電話ボックス」著作権侵害事件。 「水が入った電話ボックスの中で金魚数十匹が泳ぐオブジェが自身の作品に酷似し著作権を侵害されたとして、福島県いわき市の現代美術作家がオ…

必要なのは、「選ぶ」ための選択肢。

7月21日投開票予定の参議院選挙は、公示から既に1週間以上経ち、今まさに選挙運動真っ盛り。 街に出れば、大概どこかの選挙カーが候補者名を連呼しながら走っている。衆参同日選というビッグイベントにこそならなかったものの、一応「令和初の国政選挙」。 …

そして、エースは去った。

人生それなりに長く生きていれば、どうしても様々なサプライズに直面することになるし、自分自身も散々ハードな経験をした今となっては、ちょっとやそっとのことでは驚かない自信もある。だが、それでもなお、「聞きたくなかったこと」、「聞いて仕事の手が…

裁判例に見る「産学連携」の難しさ。

ノーベル賞まで受賞した高名な研究者が一方当事者となっている「オプジーボ」特許問題が広く世に知られたことで、古くて新しい「産学連携っていろいろ難しいな」という問題を改めて認識した知財担当者の方も多いのではないかと思う。k-houmu-sensi2005.haten…

世界中で猫を売るのは楽じゃない。~サンリオEU競争法違反報道に接して

「ハローキティ」といえば、説明不要の「日本史上最強キャラクター」である。中国、韓国の有名ブランドのショップはあっても、「日本」ブランドは、小売店にしても飲食店にしても、影も形もない、という国は世界中に数多あるのだが*1、そんな国でも、トヨタ…

Day100

今日は、暦の上ではなんてことのない平日の一日なのだが、自分にとっては「区切りの第一歩」を踏み出してからちょうど100日目、である。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comそれまでの20年超が一瞬でリセットされ、ほぼ白紙の状態でスタートして、どうなること…

思い切った逆転判決~ありふれた商標「EQ」の登録をめぐって

商標業界の常識として、「アルファベット2文字だと原則商標として登録できない」というのがある。商標法3条1項5号の「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当してしまうから、というのがその理由で、商標審査基準でも「ローマ字の1字…

憂鬱な雨の日はよく冷えたコーヒーでも。

毎年のこととはいえ、梅雨の季節というのはなかなか憂鬱なもの。 しかも、ここ数年は結構早いタイミングで明けてた気がするだけに、7月の2週目に入ってもまだ雨に祟られる、というのは結構鬱陶しい。こんな天気だと週末のルーティンにしているカフェ通いもど…

「未検査飼料問題」の顛末にみた潔さ。

先月半ば、競馬界に激震を走らせた「未検査飼料*1問題」。実に150頭を超える馬が競走除外の憂き目にあう、というなかなかの大惨事だった。そんな中、JRAが7月5日付で「飼料添加物への禁止薬物混入に係る調査結果と改善策について」というリリースを公表。 ww…

「7pay」不正アクセス事件をめぐる騒動に思うこと。

セブンイレブンが今月1日、鳴り物入りで始めた(とされている)「7pay(セブンペイ)」が、初日から利用者の混乱を招いたあげく、不正アクセス被害まで発覚し、謝罪会見に追い込まれる、という事態になっている。 「セブン&アイ・ホールディングス(HD)は4…

3年の空白を埋めるために。

先月末に知財特集が組まれた「法律時報」のレビューをアップしたのだが、k-houmu-sensi2005.hatenablog.comそこに掲載されていた広告と奥邨先生の論文に影響されて、速攻で取り寄せたのが、以下の書籍だった。年報知的財産法2018-2019作者: 高林龍,三村量一,…

絶体絶命の窮地に陥った「マリカー」~知財高裁中間判決を読んで。

「マリカー事件の中間判決が出た」という新聞報道に接し、意気込んで最高裁HPに飛んで行ったものの、しばらく判決文は掲載されず、仕方なく第一審判決の解説でお茶を濁したのは、ちょうど1か月くらい前のことだった。k-houmu-sensi2005.hatenablog.comその後…

それでも「オープンイノベーション」に固執する意味はあるのか?

日経法務面に掲載された、渋谷高弘編集委員の以下の記事を読んだ時から報告書の中身の想像は薄々付いていたのだが、実際読んでみたら思った以上に酷かった・・・。 「政府の知的財産戦略本部は、大企業がベンチャー企業と組んで革新に挑む「オープンイノベー…

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